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地獄の道を行く「同志」たち…今週の『虎に翼』

日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった女性・猪爪寅子(伊藤沙莉さん)とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追い詰められた女性たちを救っていくリーガルエンターテイメント、朝ドラ『虎に翼』の第2週「女三人寄ればかしましい?」。

寅子が明律大学女子部法科に入学した月曜日。先輩の久保田聡子(小林涼子さん)や中山千春(安藤輪子さん)、同期の華族令嬢・桜川涼子(桜井ユキさん)に既婚者の大庭梅子(平岩紙さん)、留学生の崔香淑(ハ・ヨンスさん)らと出会います。

中でも強烈だったのが、男装の山田よね(土居志央梨さん)。男子学生のヤジで中山が泣き始めると、場の空気を読んだ寅子が自己紹介がてら歌い始めますが、よね「ヘラヘラ鬱陶しい!上手く立ち回ってるつもりか?お前みたいなのがいるから、女はいつまでも舐められるんだよ!」と。

入学してから1週間が経った火曜日。寅子と涼子と梅子と香淑は「なんとなく扱いにくい一派」として、お昼ご飯を食べ合う仲になっていました。このシーン含め、尾野真千子さんの「語り」が絶妙。単なる説明ではなく、物語に入り込んで、演者と一体になっている感じがいいですね。

女性にも弁護士資格取得を認める法改正が再び通らない見通しと聞き、またもや泣き出す中山に、よねは「全員鬱陶しい!辞めちまえ!」と学校を飛び出し。よねを尾行した寅子が辿り着いたのは東京地方裁判所。お節介な傍聴マニアの笹山(田中要次さん)に案内され、寅子は初めての法廷へ。

寅子が初めて裁判を傍聴した水曜日。暴力夫(遠藤雄弥さん)から、思い出の着物を取り戻そうとする妻(安川まりさん)に肩入れする寅子。 遠藤さんは『ちゅらさん』で先日亡くなった和也役の方。また「シソンヌ」のじろうさんと長谷川忍さんが弁護士役、裁判長役として大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の大江広元役を演じた栗原英雄さんが登場。

現行法では妻が負けるらしいことに納得できない寅子は、法改正の件で生徒たちに釈明に来た穂高(小林薫さん)に裁判のことを質問すると、穂高は「法廷に正解はない」とし、逆に生徒たちに自分たちで考えてみるよう勧めました。

寅子が穂高の問いに、仲間と議論し、自宅でも考え続けた木曜日。生徒の誰もが妻の敗訴の結論に与する中、裁判官の「自由なる心証」に一縷の望みをかけ、判決を見届けようと呼びかけ、穂高も課外授業として賛同し、女子部の多くが裁判所へ。それを団子を持って見ている甘党の桂場等一郎(松山ケンイチさん)がツボ(笑)。

裁判長が妻の着物の返還を命じた金曜日。法の趣旨からしても、夫は嫌がらせをしているだけで「権利の乱用」であると。無条件で喜ぶ寅子たちに対し、暴力夫が罰せられないのはおかしいと憤慨するよね。

法廷を出ると、暴力夫が妻に手を上げようとしていて。寅子が「ちょっと待った!」と立ちはだかり。暴力夫が衛視に追われた後、妻からは「心強かった」「最後まで戦う」と。その後、よねと再びバチバチするも、寅子は考え方は違っても、共に地獄の道を行く「同志」であると。

今週も面白かったです。


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