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ドラマ日記『どうする家康』『たとえあなたを忘れても』『セクシー田中さん』

今川家の人質としてひっそり生涯を終えると思っていた元康(後の徳川家康=松本潤さん)が、個性派だらけの家臣団の助けを借りながら、乱世に飛び込んでいく、スピード感あふれる波乱万丈のエンターテイメント『どうする家康』の第40話「天下人家康」。

秀吉が死去し、国内に動揺が走る。家康は三成(中村七之助さん)と朝鮮出兵の後始末に追われる。秀吉の遺言に従い、家康は五大老たちと政治を行おうとするものの、毛利輝元(吹越満さん)や上杉景勝は自国に引き上げ、前田利家(宅麻伸さん)は病に倒れる。

当初は結束していた五大老と五奉行による「十人衆」。秀吉の死を隠して、朝鮮からの撤兵を始めますが、帰国した加藤清正(淵上泰史さん)や黒田長政(阿部進之介さん)らに、光成は「戦のしくじりの責めは、不問といたしますゆえ」と上から目線発言で、怒りを買い。

その後、家康が勝手に福島正則(深水元基さん)たちと徳川との縁組みを進めたことから、光成は家康を咎めることに。家康は糾問使に「うっかり」と釈明する狸ぶり。一方で、本多正信(松山ケンイチさん)は「徳川家中には、血の気の多い者が数多おりますでな」と、戦も辞さないことを匂わせ。

家康と光成の二人の会談が設けられますが決裂。光成がいる伏見城が、清正たちに取り囲まれる騒ぎがあり、ついに家康は表舞台に立つことを決意し、 三成は隠居となってしまいました。だいぶ大河ドラマとして落ち着いてきましたね。

ピアニストになる夢に挫折した24歳の河野美璃(堀田真由さん)と、記憶を失ってしまう障害を抱えながらも、キッチンカーを運営し懸命に生きる26歳の青木空(萩原利久さん)が、運命的にめぐり会う切ない純愛物語『たとえあなたを忘れても』の初回。

河野美璃は、音楽教室のピアノ講師として働きながら、神戸で一人暮らし。ある日、いつもの帰り道で見慣れないキッチンカーを目にする。「メロンジュース」に心惹かれるが、ぐっと堪えて別の安いジュースを注文する美璃の様子に、キッチンカーの店主・青木空の温かな眼差しが注がれる…。

今年度から設けられたテレビ朝日の日曜夜10時ドラマ枠。『日曜の夜ぐらいは…』『何曜日に生まれたの』の前2作はトリッキーな設定ながら、面白く、感動的な佳品でしたが、今回の作品は、記憶を失ってしまう「解離性健忘症」という設定はあるものの、かなりストレートなラブストーリでした。

音大を中退した美璃は、ピアノ講師をしていますが生活はギリギリ。生徒が次々と辞めていき、さらに厳しい状況。大学時代の友人のツテで就職面接を受けますが、失敗。やむなく、携帯会社スタッフになりますが、ノルマを達成できず…日曜の夜に見るには重いテイスト。

ひょんなことから知り合った美璃と空は交流を深めていきますが、突然空がいなくなり。ある日、失意の美璃は別の場所でキッチンカーと空を発見。必死に自分をアピールしますが、まるで知らない人を見るようで。空と一緒にいた女性・藤川沙菜(岡田結実さん)から病気の事を聞かされて終了。

今のところホッとするシーンは、美璃の従兄で、医師の遠山保(風間俊介さん)が登場するシーンでしょうか。美璃の安否確認のために定期的に会って、ご飯をおごってくれたりして。あとは患者・宮下茜(畑芽育さん)が保にどうやら好意を抱いているようで、そこはちょっと弾みます。

地味で友達も恋人もいないアラフォー、経理部の田中京子(木南晴夏さん)の裏の顔は、超セクシーなベリーダンサー。その正体を知った同僚の派遣OLの倉橋朱里(生見愛瑠さん)。正反対な2人の関係性が化学反応を起こすラブコメディー『セクシー田中さん』の初回。

経理部の田中さんの裏の顔は…超セクシーなベリーダンサーだった!一方、派遣OL朱里は、一見愛され女子だが虚しさと生きづらさを感じていた。そんな時、田中さんの“正体”を知り“我が道”を行く生き様に惹かれていく。

ふと入ったペルシャ料理店「Sabalan」で、ベリーダンスを踊るSali(田中さん)に一目惚れした朱里でしたが、すぐには会社の田中さんだとは気が付かず。しかし、更衣室で髪を下した田中さんを見て、Saliだと気が付き。会社では知られたくないので、このことは秘密にと頼む田中さん。

以降、店に通い始めた朱里。ベリーダンスを始めたきっかけを聞いたところ、田中さんは生い立ちの話の後、35歳の時に鏡を見たら猫背の老婆に見えたことから、胸を張って生きようと思い立ち、ダンスを始めたと明かし、「ベリーダンスが、私に魔法をかけてくれたんです」と。

田中さんのダンスを見ながら、大統領選にまさかの敗北をしたヒラリー・クリントンが「ガラスの天井」スピーチが思い出し涙する朱里。自分の現状と、何かを打ち破った田中さんの姿が重なったのでしょう。このドラマのメッセージでもあるんでしょうね。

私はこれまでの人生で、信じるもののために戦ってきた。そこには成功も挫折もあった。正しいことのために戦うのは価値があるということを、どうか信じ続けて欲しい。最も高くて硬いガラスの天井はまだ打ち破れていないが、いつか誰かが、私たちが考えているより早く達成してくれるだろう。

木南さんの鍛え上げられた腹筋と、中々美しいベリーダンス、そして老婆姿。会社での田中さんとのコントラストがありつつも、どこか地続きで一体感も感じさせるキャラに仕上がっていました。

一方の生見さんは、本作と被るテレビ朝日『日曜の夜ぐらいは…』の好演そのままに、朱里役を上手く演じていて、初回に関していえば主人公と言ってもいいぐらいでしたね。


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