見出し画像

ドラマ日記『天国と地獄』(第9話)&『青天を衝け』(第5話)

警視庁捜査一課の刑事・望月彩子(綾瀬はるかさん)と、サイコパスな殺人鬼容疑者・日高陽斗(高橋一生さん)の魂が入れ替わる、ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』第9話。自己犠牲的なストーリーから、大河ドラマ『おんな城主直虎』“槍ドン”の名シーンが思い出されました。

警察は、連続殺人事件への関与が濃厚な、日高〈実は望月〉と東朔也(迫田孝也さん)に緊急配備をかける。東=師匠は日高の双子の兄で、陸(柄本佑さん)ととある場所に向かっていた。一方、河原(北村一輝さん)は捜査一課とは別に単独行動に出て…。

日高と望月の再入れ替わりから、二人の奄美への逃亡劇(誘導で八巻は仙台物見遊山)。船上での双子再会から、日高による事件の真相語りと東の死、望月の日高偽装逮捕を見抜いた河原の望月逮捕まで、怒涛の展開で15分拡大版ながらあっという間。

親を選べない子供たちの格差が広がる現代日本。東の叫び「俺が馬鹿だからか?俺が怠け者だからか?自己責任か?違うだろう!」は、「まずは自助」の一言で、社会の構造的な問題をはぐらかそうとする、この国(と政治屋)への憤りなのでしょう。脚本家の森下佳子さんらしい骨太のメッセージ。

事件に関する伏線はほぼ回収されたとはいえ、SDカードや再起動したスマホ、そもそも日高と望月の入れ替わりと伝説の関係は?など気になることはまだまだありますが、泣いても笑っても残り一回。最終回が楽しみ。

画像1

次は、“日本資本主義の父”と呼ばれる、渋沢栄一(吉沢亮さん)の激動の人生を描く、大河ドラマ第60作『青天を衝け』の第5話。藤田東湖、死す。

栄一の姉・なか(村川絵梨さん)は、迷信的な理由で縁談が破談となり、ふさぎ込んでしまう。一方、幕府の方針をなおも受け入れられない斉昭(竹中直人さん)は暴走。老中・阿部正弘(大谷亮平さん)と斉昭の側近・藤田東湖(渡辺いっけいさん)は必死に諫める。そんな時、大地震が江戸を襲う。

前回の理不尽な代官(酒向芳さん)への怒りが収まらないまま、村に帰ってきた栄一に、惇忠(田辺誠一さん)はそれは「悲憤慷慨(世情や自分の運命などについて、憤慨し、嘆き悲しむこと)」だと教える。偶然にも『天国と地獄』につながる話であり、本作の隠れメッセージかも知れませんね。

対外政策を巡って対立する、斉昭と阿部正弘の間で板挟みになりながらも、来訪した慶喜(草彅剛さん)には、斉昭の真情を語る東湖。どこまでも諍臣にして忠臣。史実ではあるにせよ、震災で亡くなったことが実に惜しい。藤田東湖のイメージが一新される、いっけいさんの名演技でした。


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?