ニベアクリームとその神話

ニベアクリームを買ってみた。缶のやつだ。中缶だ。

300円もしない値段で、保湿もしてくれるし、体を乾燥から守ってくれると、そう聞いた。

実際に使ってみて驚いた。僕はこのニベアクリームに過剰な期待をしていたのだった。まず、想像していたのよりずっと伸びがわるい。そして、体に塗っているという感覚が薄い。どれぐらいぬればよいのか結局よくわからなかった。ちょっといい香りがする・・・・・・気はするけれど。

で、僕は気づくことになった。気づいてしまった

ニベアクリームに過大な期待を寄せていた、ということを。

ニベアクリームを検索してみると、けっこうな割合で超高級クリームと成分が似ているというような記事に突き当たる。もちろん「似ている」だけなので、別に同じ成分というわけではない。

わけではないが、似ているのだから似ている程度の効果はあるだろうと思うのが人のこころだ。それは僕だって同じだった。だからこう思った。いま持っているこのロクシタンのハンドクリームよりかはつかいがってがいいはずだと。

だってそうだろう。相手は超高級クリームだ。中級クリームのロクシタンより高級だ。それと成分賀にて居るなら、低級だろうと同じぐらいの性能があるはずだ。その性能とは心地よさだ。塗りやすさだ。違うのか。

違った。

僕はアホだったのだ。

堅いニベアクリームをもそもそと塗りたくってから、大缶を買っておけばこんな少量をもそもそとぬりたくる必要はなかったのではないかと思い至った。でもそれも、きっと違うんだろう。大缶を買っていたら、こんなにたくさんどうするんだと思っていたと思う。

事前の情報を仕入れすぎた。今回は仕入れ過ぎちまったんだ。これからは適度な期待を持てる程度に事前情報を仕入れてから、それから自分の中で値段相応の価値を見いだすべきなのだ。

でもそんな人生つまんないだろ。だから僕は青缶ニベアクリームを最高の夏にするためにまたいろんなサイトをみた。

そこにはこう有った。

「オリーブオイルと混ぜろ」と。

そのけっかは、もう云わない。でも僕はとても幸せだ。明日僕がもこみちみたいなにおいをさせていたとしても、バカにしないでほしい。笑わないで欲しい。そしてちょっとだけ愛してほしい。

人間には愛が必要なんだ。いろんな形でね。


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