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子育ての小休憩に心温まるココアのような本

『自閉症の画家が世界に羽ばたくまで』
石村和徳/石村有希子

雑誌の広告に記載されていた「子育てに悩む人に多くのヒントを与える」という言葉に惹かれ、手に取った本。この言葉を裏切らない、読後に子育てを前向きに捉え、もっとできることはいろいろあるなと気づきをもらった。

読書中の注意点として、子育て真っ最中の方は、移動の電車内など、公共の場での読書は避けた方が良い。なぜなら、何度も泣いてしまうからだ。私の涙腺が脆くなっているのか?5歳の娘が心配するくらい、気づいたら熱い涙が頬をつたっていた。というより、滝のように流れていた。

もともと、親ってなんだろう?と、少し悩んでいたところ、知人から「親←木の上に立って見る
のが親やん。」とかけられた言葉。これをまさに体現しているなと思ったのが、この本の著者、石村ご夫妻だ。子供はかわいく、愛おしい。それが故に、子供との距離の置き方は難しく、時に親の感情が強く出てしまい、子供を振り回してしまうことがある。本来、木の上から見守るくらいの距離がいいのかもしれない。そのくらい、親は懐深く余裕が必要なのかもしれない。でも、難しいっす。親って漢字を考えたの誰やねん!とツッコミたくなる。しかし、その努力を惜しまず、続ける石村ご夫妻が綴った言葉からは、お子さんへの深い愛情を強く感じる。その言葉に未熟者の私は涙したのだ。

決して今の未熟な私を否定されるのではなく、「大丈夫。まだまだこれからよ。」と背中を優しく押してもらった。そんな優しい言葉に溢れた一冊だ。子育てにちょっと疲れてしまった、でも、もう少し頑張りたい、そんなときにそばに置いておきたい本だ。

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