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感想:まいにちドイツ語応用編「ベルリンからのドイツ語シャワー」

2023年10月~2024年3月 応用編(新作) 講師:小松原由理 「ベルリンからのドイツ語シャワー」 評価(5段階)☆☆ この講座の特徴はタイトルが示す通り、ベルリンの放送局によるポッドキャスト番組をそのまま素材として用いていること。学習者向けに作られた標準的で聞き取りやすい音声ではなく、容赦のない「生のドイツ語」をいかにして聞き取るか、という学習者にとっては少々挑戦的な内容となっている。 rbb(1~6)と Radio Paradiso(7~12)制作のポッドキャス

    • NHKまいにちフランス語の展望(2024年度上半期)

      今回はまいにちフランス語を取り上げる。先日公開したまいにちドイツ語の記事はこちら。 大事なことを書き忘れていたが、残念なことに今年度からテキストの価格が580円→680円と大幅に値上がりしてしまった。それでも半年の受講料が4080円と考えれば安い。依然として、取り組み方次第ではその何倍もの値打ちがあるコンテンツと言えるだろう。 まいにちフランス語初級編(新作) 「Zoé au Japon ~ゾエと学ぶフランス語」 期待度:☆☆☆☆☆ 姫田麻利子先生は10年近く前の「テレ

      • NHKまいにちドイツ語の展望(2024年度上半期)

        1年前の記事(下記リンク参照)と違って学期開始後10日経ってしまったが、ここまで学習した感想とこれからの期待を簡単にまとめてみる。まずはまいにちドイツ語から。 初級編(新作) 「北ドイツの秘宝を探せ!」 期待度:☆ スキットはストーリー仕立てで情景を思い浮かべやすく、比較的自然なドイツ語なので易しすぎるわけではない。しかし解説や練習問題では初歩的な事項しか扱われないので、入門編のレベルと大差ないか。 この講座、放送に耳障りな点がかなり多い。皆までは言わないが、例えば冒頭

        • いつぞやの詰将棋解答選手権

          会場のエレベーターで、前回王者の船江四段に先を譲っていただいたのはこの時だっただろうか。時間に余裕を持って来たつもりだったのに、控室に入るともう参加者で埋め尽くされていて、誰かの荷物が置かれた席の不自然に空いた隣を選ぶよりなかった。程なくしてそこに谷川九段が座った時、激しい居心地の悪さに襲われたのは言うまでもない。 競技開始前、運営の浦野七段により「棋士と奨励会員は盤駒使ったらだめですよ」と念が押される。法律スレスレ級の大きなハンデに疑問は持ちつつも、最大限にアマチュア特権

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        感想:まいにちドイツ語応用編「ベルリンからのドイツ語シャワー」

          阪大前モノレール阪大前線

          阪大前モノレール阪大前線とは、大阪府茨木市の彩都西阪大前駅から豊中市の阪大前空港駅を結ぶモノレール路線である。全ての駅が大阪大学の最寄り駅であることが路線名の由来となっている。 各駅紹介 ・彩都西阪大前駅 彩都西駅として開業。しかし大阪大学旧箕面キャンパス跡地から徒歩15分の最寄り駅であることから、彩都西阪大前駅に改称された。 ・豊川阪大前駅 豊川駅として開業。しかし大阪大学箕面宿舎から徒歩16分の最寄り駅であることから、豊川阪大前駅に改称された。 ・阪大病院前阪大前

          阪大前モノレール阪大前線

          日露青年交流の参加者レポート

           数年前、とある国際交流プログラムに参加した。その際主催者に提出した参加者レポートを久しぶりに読み返して、眠ったままにしておくのは惜しいと思い、ここに公開することにした。ただし、プライバシーの観点から内容をある程度改変している。 1日目  ✕✕側以外の参加者とは事前説明会が初対面だったが、うまくやっていけるかという不安は間もなく消え去った。日本人同士がすぐに仲良くなれたのは、出発までTさんとIさんが楽しい雰囲気を作り出して下さったおかげだと思う。  ウラジオストク空港から

          日露青年交流の参加者レポート

          サッカードイツ代表選手の日本語表記

          9月9日のサッカー国際親善試合ドイツvs日本戦をNHKで観戦して、ドイツ選手の呼び方に首を傾げることが多かったので、私の考える適当な日本語表記を挙げておく。 Torwart Oliver Baumann バウマン Marc-André ter Stegen テア・シュテーゲン Kevin Trapp トラップ Defensive Emre Can ジャン Robin Gosens ゴーゼンス *「ゴセンズ」は s の清濁が逆。 Benjamin Henrichs ヘンリヒ

          サッカードイツ代表選手の日本語表記

          Nepomniachtchiの難読性

          Nepomniachtchi という名前が読みづらい理由として、以下の3点が考えられる。 ①表記と実際の発音が異なる文字が多く含まれていること ②ラテン文字への転写がフランス語式であること ③ロシア語の姓として珍しい形をしていること このうち①に関しては前回の記事で取り上げた。 ② Nepomniachtchi というラテン文字の文字列は、元の Непомнящий をフランス語に転写したものである。フランス語とわかれば幾分か「読みやすく」なるのだが、国際チェス連盟(F

          Nepomniachtchiの難読性

          Nepomniachtchiの発音と表記

          Nepomniachtchi ってどう発音するの?カタカナでどう表せばいいの? 何度この質問に出会っただろうか。ネット上を軽く泳いだだけでも「ネポムニシ」、「ネポムニアッチ」、「ネポムニャッシー」などと表記が定まっていないことがわかる。日本だけでなく、現在世界中で最もチェス愛好家を悩ませている文字列の筆頭格である。 Nepomniachtchi って何?という方はまずこちらの記事からご覧いただきたい。 私の答えは以下の通りである。 妥当な日本語表記は「ネポムニャシチー

          Nepomniachtchiの発音と表記

          Nepomniachtchiの略歴

          今日4月9日、カザフスタンのアスタナで世界チェス選手権2023が始まった。FIDE籍のIan Nepomniachtchiと中国のDing Lirenによるタイトルマッチで、どちらが勝っても初の世界チャンピオンとなる。この記事ではNepomniachtchiについてごく簡単に紹介する。 Ян Непомнящий(ヤン・ネポムニャシチー、FIDE登録名:Ian Nepomniachtchi)は、ロシアのチェス選手である。1990年ソビエト連邦のブリャンスクで生まれる。4歳で

          Nepomniachtchiの略歴

          感想:まいにちフランス語入門編「自己表現のためのフランス語 Parler de soi en français」

          2022年4~9月 入門編(新作) 講師:中條健志 「自己表現のためのフランス語 Parler de soi en français」 評価(5段階):☆☆☆ 私は初学者ではないので、入門編にはレベルの高さや学習進度の速さを求めてしまう。その点でこの講座は期待できるものだった。テキスト4月号を読む限り、発音についての説明があっさりしていて、第6課で早くも人称代名詞の強勢形が扱われており(後期で強勢形が扱われたのは第30課)、ある程度の学習経験を前提としているように思われた

          感想:まいにちフランス語入門編「自己表現のためのフランス語 Parler de soi en français」

          NHKまいにちドイツ語・フランス語・ロシア語の展望(2023年度上半期)

          明日4月3日からNHK語学講座の新学期が始まる。発売済みのテキスト4月号などの情報をもとに、個人的に注目する講座をいくつか取り上げる。 今期はまいにち独、仏、西、伊、露語の新作が軒並み「入門編」ではなく「初級編」となっており、まいにち中国語、ハングル講座と合わせて例年よりもレベルが高い傾向が見受けられる。 まいにちドイツ語 田中雅敏先生による初級編「文法から始めよう」が新作。初級文法を集中的に扱い、会話のスキットがないというNHK語学講座としては異色の構成となっている。

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          不登校で失ったもの

          私は長い不登校を経験した。小学校に入学してすぐ不適応状態に陥り、通っていたのは入学してからの半年だけで、残りの5年半はほぼ全休に近く、中学校に至っては3年間敷地に足を踏み入れることすらなかった。 周囲の不登校への風当たりは奇妙なほど強い。口を開けば学校に行くことがいかに大事か、みんなと一緒に遊ぶべきか、勉強をしなければ将来が危ういかをまくし立てる様は、さながら馬鹿の一つ覚えのようだ。一体彼らのどこに他人の人生に首を突っ込むエネルギーが隠れているのだろう。何故私が登校すべきだ

          不登校で失ったもの

          将棋は人を近づける

          以前は将棋を熱心に指していたが、今ではすっかり嫌になってしまった。対局時計の電子音に脅されながらひたすら盤面を睨み続け、負ければ耐え難い屈辱を感じ、勝っても内容を反省するばかり。定跡を覚えても、棋譜を並べても、詰将棋を解いても強い人には敵わない。一体何のためにあれだけの時間と労力を無駄にしたのだろう。 将棋をすれば頭が良くなると言って、子供に将棋を習わせる親が増えているらしい。確かに、思考力と記憶力が限界まで要求される将棋は「頭が良い」人が有利だから、頭が良ければ棋力が高い

          将棋は人を近づける

          百万遍のボラ

          大きな大学のキャンパス 他には何もない 貧しい院生が 助教に鯉をした 鯛好きなあの人に ボラの刺身をあげたい ある日鴨川で ボラを釣りました 百万遍のボラの刺身を あなたにあなたにあなたにあげる 窓から見える交差点を 真っ赤なボラでうめつくして ある朝彼女は 真っ赤なボラの山をみて 立て看同好会が ふざけたのだとおもった 大きな大学のキャンパス 素手で屠ってボラの刺身 盛った貧しい院生は 窓のしたで彼女を見てた 百万遍のボラの刺身を あなたはあなたはあなたは見てる 窓か

          百万遍のボラ

          Mais je parle français !

          昨日の記事に書いたように、フランス語と英語には皿を表す語が二つある。 仏:assiette, plat 英:plate, dish 紛らわしいのは assiette ≒ plate, plat ≒ dishであり、よく似た字面の plat ≠ plate であることだ。 フランスのレストランで日本人達と食事していたとき、私は給仕におおよそ次のように頼んだ。 Quatre petits plats pour partager, s'il vous plaît. (取り分

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