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ゲーム系イベント参加用チラシを作る 〜制作過程を添えて〜

2023年11月25日(日)開催のKYUSHU+CEDEC2023 インディーゲームコーナー展示・配布用チラシを作成しました。

印刷系のグラフィックデザインを10年くらい? 仕事としていたので「イベント出展のためにチラシを作りたいけど、アナログよくわからないな」という方向けに、チラシを個人が印刷する際に気を付けておきたい情報をまとめてみます。

掲載ゲームはこちら「起業布武 〜織田信長とスタートアップ?!〜」。Cap Games様(以下Capさん)のご依頼で開発をお手伝いしているものです。

2023年5月頃から開発のお手伝いをしており、背景やイラスト、ロゴやスクショなども揃ってきているので、素材に不足はありません。あとこんなこともあろうかと割とイラストはデカめに描いていました。

画像・文字サイズなどの目安

文字サイズの目安

-本文は9.5〜11ptくらい
-キャプションは5〜6ptくらい
-見出しは13〜15ptくらい
-タイトルはドーン
-キャッチコピーもドーン

ラインの太さ

-太さは一番細いものでも 0.3ptをキープする

マージン(周囲の余白)

今回はA4想定なので左右1.2〜1.5mmくらい。上下も同じでもいいですが、左右より幅があってもいいかも。用紙サイズA4で周囲マージン1cmはちょっと狭くなる印象ですが、お好みで。

画像サイズの注意点

-原寸で300dpi以上を守る 
※1920×1080のスクショではA4横サイズ=21cmには足りない

-編集中も画像サイズ/解像度がわかるツールを使うのがおすすめ
例:Adobeイラストレーター、Affinity Designer など。画像系ソフトやパワポではわかりにくい

イベント後の配布も考慮に入れて制作する

今回はCapさんのご要望もあり「イベントが終わった後も配るかも知れない」ということを念頭に作りました。

-一般的なチラシスタンドなどに立てて使いやすい→A4タテ採用+下部が隠れても良いように一番上にわかりやすい素材を集中させる

-CEDEC+KYUSHU  などイベント名を入れない(次のイベントでも配れる)

-一般人にわからない言葉は避ける(例:ビジュアルノベル→ノベルゲーム)

-ゲームだ、と一目でわかるようにする(画面はめ込み合成など)

制作準備

まず掲載要素について「これでOKでしょうか?」と口頭でクライアントに確認します。

  1. プレスリリースの内容

  2. QRコード

  3. ウィッシュリスト登録&予約TOP10よろしく!

  4. 厳選したスクショ

例えば「ロゴ」とこのメモにはありませんが、当然あった方が良いので、そういうのは雰囲気で補います。

作ってる最中に色々出てくるのは予想できますので、あまりここで神経質になりすぎずスッと制作に入りました。

使用ソフトはAffinity Designer。

私はもともとイラレ使用者だったのですが、価格が高すぎて乗り換えたものです。サブスクじゃないのがありがたいですね。操作性や短縮キーにそろそろ慣れてきたかな〜という程度なので時々どこに何があるか調べながらの作業です。

制作過程(初稿)

α時間経過

ざっくり画像と文字を組みます。画面を分割してどこに何を入れるかイメージします。さて、ロゴの左と右上の謎の四角はなんでしょうか?

さらにα時間経過

メリハリがなくダラーとした見た目なので、下部に帯を入れてシメます。ロゴの左右上にあった謎の四角はパソコンとスマホでした。

さらにさらにα時間経過

帯が乗算だとうっすら白っぽい箇所が出て気に入らないので合成方法を焼き込みに変えました。誰も気づかない。細かいところを少し調整。     

数時間経過

下部ががちゃがちゃして読みにくいと思ったので下部グラデを上に引っ張り白文字に変更します。フォントは源暎ラテゴ使ってたんですが、可読性を高めて親しみやすくするために、全体的に「モボ」に変え、スペースなども調整します。テキストが重複しているので整理しました。

冷静になるために一晩以上寝かせます。

さらに30分ほど作成

左上、怨念の目立ち方が謎すぎるのでPCとスマホと入れ替えました。これにて一校目完成です。

信長の手にスマホを持たせるとか、問い合わせ先は先方と相談になるので空けておきます。

印刷物はゲームのスクショ等、RGBのものをCMYKに変換する必要があったりなかったりする(印刷所により異なるので、入稿前に表記の確認を)のですが、念の為CMYK変換しておきます。

一校目でほぼ校了、入校準備

手にスマホを持たせなくてOK、お問い合わせ先はメールアドレス。一部古いスクショがあったので入れ替え。それ以外はOKとのこと。Capさんは懐が広いのです。

一旦クライアントからOKをいただいた後は、基本デザインは触らないようにします。なぜかというと

-後から直すと「一校目で納得のいかないものを見せた」ことになる
-手直しによる誤操作があると取り返しがつかない

というわけで、ここからの作業はさらに慎重に進めます。

印刷データ作成にあたり、まず背景画像などが仮組で合成できていなかったのと、断ち落とし用の塗りたしが必要なので入校向きに修正、そしてCMYKに変換します。

こちらを最終稿として送りました。

データをやり取りする際の注意点として、discordなどに直貼りすると不思議な色になったり、twitterに直貼りすると勝手に圧縮されたりしがちですので、大事な局面では必ずzipにするのを強く推奨します。

入稿前にプリントアウトして確認を

アナログ入稿が久しぶりだったこともあり、入稿前にプリンタで出力してみました。

紙で見てみると画面とは見え方が違ったりしますし色の確認にもなりますので、やはり大事な局面では必ず紙にプリントしてみるのを強く推奨します。

プリントしたところ、謎の筋が入ったのでCapさんに確認したのですが、おそらくプリンタのトナー引きずりか何かだろうということでこのまま入稿となりました。

無事印刷完了!!

入稿はラクスルさんをご利用とのこと。私は普段はグラフィックさんを使っていますが、最近印刷代はどこも大きく変わらない印象です。

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