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【辛い麺メント】皇家傳承、麻辣藤椒牛肉麵

9月5日、誕生日の翌日、朝。私は一回目のヴァクシンの接種を受けた。微かに筋肉痛と倦怠感があったが大したことないので、マルガリータを飲んで、その日を静かに過ごした。

そして就寝前、本格的副反応が始まった。注射を受けた右肩、まるで小学校の時に、幽遊白書ごっごで熱くなり過ぎたタカシ君が放った霊光弾に殴られたかのように痛い。体温があがって、筋肉痛が関節痛にレベルアップした。夜中にベッドから起きてトイレに行くだけで結構苦痛。膀胱から尿液を迫り出す筋肉に力をこめるのも一苦労。

浅い睡眠を経て、起床。怠い。日曜日に相まってテンションがただ下がる。でも私は家を出ないといけない。

こういう日は無性に辛い麺が食べたくなる。なので今日は普段の活動範囲から離れて新北市板橋区の皇家傳承牛肉麵にやってきた。

この店はかなりの有名店だ。牛肉麵フェスで4回優勝した実績もさるながら、政治的闘争にも紛れ込まれていた。

ヌードルショップがなぜ政治紛争に?では簡単に経緯を説明しよう。2021年1月1日、台湾はラクトパミン含有のアメリカ産豚肉の輸入を許可した。ラクトパミンとは畜産物のエサに添加剤の一種で、脂肪を減らして筋肉量を増やす効果がある。しかしラクトパミンを一定の量に摂取するといろいろヤバそうなので、ヨーロッパでは使用禁止されているとか。それを口実にして野党が政府にかみつく。今度は政府がラクトパミンの安全性を説く。そして与党の偉い人がこう言った。「ダイジョブだって!ラクトパミンダは摂取量を守れば実際安全!みんな大好きな皇家傳承牛肉麵もラクトパミンダ使ってるよ!」すると皇家傳承のFacebookが炎上し、後に与党の偉い人に名誉棄損の民事訴訟を提起したとか。だたの飲食店がポリティックスのいざこざに巻き込まれるとは、個人的に不憫としか思えない。

店に入ったのは11半。客が結構入っている。商売に曇りはないようだ。私はひとまず安心した。そして気持ちを無慈悲な辛い麵イーターに切り替えた。四回チャンピオンとか知ったことではない。自分の舌で確かめてやる。

店先のレジで注文を決めて支払いを済ませる。「酸菜と辣油は要りますか?」と店員が尋ねてくる。ここはハイと答える。

豚の鼻のようなステンレス皿に盛りつけた酸菜と辣油。

そしてこれが2020牛肉麵フェスの優勝に選ばれた麻辣藤椒牛肉麵だ。スープが私が慣れたの牛肉麵より若干赤く、見るからに辛そう。250元(800円に相当)。牛肉麵にしては高い方だ。

見ろ、この肉々しい肉塊!こんなでかい入れるのは中々見ない物よ。高価なのもちょっと納得。早速かぶりつく。もにゅ……もちゃ……肉厚っ!柔らかいけどちょっと力を加えないと噛みきれない絶妙な火加減。肉だけなら今まで食べた牛肉麵の中でも上位クラス。

この緑色の果実が藤椒だ。花椒の仲間だけど、乾燥して長持ちできる花椒にたいして、藤椒は新鮮のままで使うことで真価を発揮する。新鮮の藤椒を熱々のスープを入れて、熱で風味を炙り出すとか、ただ今Googleで調べた。花椒と比べてビリっと来る麻辣感が少なく、甘酸っぱいフルーティーな香りがする。馬告を思い出させる。スープは攻撃的な色しているが本当は小辛ぐらいの辛さ。満足できない場合は店が提供する辣油で調整しよう。私は半分入れた。

麺は太麺、陽春麺、細麺、冬粉(春雨のことだ)が選べる。今回は一番スタンダードの陽春麺にした。スタンダードということは個性が薄いとも言えるので、特に言うことはない。量は少なめ。

麺と肉を楽しんで、スープをできるだけ飲んだ。体調が不万全に加えて辣油を入れすぎたので苦戦。そしてこのスープは以外と脂っぽく、単独で飲むと唇周りはリップクリームを塗り過ぎたような感覚になる。今の状態だと重すぎた。スープを半分残して、店を出た。

皇家傳承 麻辣藤椒牛肉麵 個人評価
肉  ★★★★★
スープ★★★★
麺  ★★
辣  ★★(未調整の状態)


とても食べやすく、価額も合理的。チャンピオンの気概を感じさせる一品だった。調子がいい時にもう一度きてみたい。

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