わっ、お肉仮面さん。でっかいSPAMの上に座って何してんすか？

「やぁアクズメさん、『巨人の肩の上』という言葉を聞いたことある？僕はただいまランチョンミートの中でも最強のSPAMの上からランチョンミートがもたらした食文化への影響、そして未来のことを思い馳せていたのさ」

そうなんですか。てかランチョンミートに強弱とかありますかね？

「あるさ。世の中ランチョンミートはたくさんあるが、どれもSPAMの足元にも及ばない。SPAMこそがランチョンミートの王者なのだ」

そうですかね。この間沖縄でTULIPが入ったゴーヤーチャンブル食べたけどなかなか美味しかったですよ。

「おや？どうやら僕のSPAM最強説に意見を申し立てたいみたいだね？よぉし分かった。今すぐSPAMとそれ以外のランチョンミートを何種類買ってきてください。SPAMこそが至高で究極であること思い知らせてあげますよ」

あっはい。

🍖

はぁ......はぁ......買ってきました。スーパーにこの3種類しかありませんでしたよ。SPAM、TULIP、そしてもうひとつ韓国ブランドはBEKSULって言いますかね？しかも結構なお値段ですよ。

「お買い物ご苦労。では始めましょう。まずは蓋をあけて中身を取り出しましょう。よろしくお願いします」

自分がやるんですか？はいはい。

取り出しました。左からBEKSUL、SPAM、TULIPです。

「ありがとう。まずは一枚ずつスライスして焼いて食べみよう」

「両面少し焦げ目が付いたらOKだ。さあ、召し上げってください」

じゃ、いただきます。うん、食感はどれも大差はないけど、味に結構違いが出てますね。

「何がどう違うか述べていただこうか」

はい、こんな感じです。

「じゃアクズメさんが今後ランチョンミートを買うとしたらどのブランドを優先に選びますか？」

そりゃSPAMですね、はい。お肉仮面さんの言う通り、SPAMが一番おいしいでした。これまで意識しなかったことを気づかせてくれて本当にありがとうございます。

「それでは次はごはんとの相性を比較しましょう。そのためにアクズメさんにSPAMおにぎりを作っていただいきます」

私がですか！？やったことないですよ！

「大丈夫、僕が一から十までレクチャーするから」

むしろ言い出したお肉仮面さんが作ってくださいよ！

「いいのか？僕が作ったSPAMおにぎりは魔性の旨味、一口食べたらそのあまりの美味しさに脳が破壊されてSPAMしか食べられない体になり、やがて塩分と脂肪の過料摂取で腎臓と血管がやられて、死ぬ。それでも構わないなら喜んで作ってあげるが」

なにそれ怖い。わかったよ。やりゃいいでしょう？早く作り方教えてくださいよ。

「ではまずSPAMのから缶を軽く洗って、中にラップを敷きます。油が気にしないなら洗わなくてもいい。缶の中にごはんを入れて、スプーンなどでプレスして形を整えます」

こんな感じですかね？

「エクセレント。ラップこどごはんを取り出して、両面を焼いたSPAMを乗せて、最後は海苔で固定すれば完成です」

何とかなった。ふぅ、初回にしてはいい出来かな？さっきと同じ左からBEKSUL、SPAM、TULIP。TULIPは少し形が崩れたけど。

「ノープロブレム。これはSPAMおにぎりなのでSPAM以外がどうなっても僕は関心を持たない」

じゃ、もしSPAMおにぎりが失敗したら？

「僕がアクズメさんをSPAMしたところでしょうね。さあ、おにぎりを熱いうちにお食べ」

わかりました。ふむ、塩分の高いランチョミートは米とよく合います。米をけっこう圧縮したので、見た目よりがっしりしていて3個食べたら満腹になりました。

「で、一番おいしいかったのはどれかな？」

正直短時間内に高塩分を摂取して舌がバカになってるのでもう細い差がわからないけど、変なにおいがしない分、やはりSPAMですかね。

「でしょー？SPAMとごはんの組み合わせは最強だから、SPAMおにぎりという名称が定着したんだ。逆にTULIPおにぎりは聞いたことないよね？つまりこういうことです」

探せば出てくると思いますけど、面倒くさいのでそういうことにしましょう。

「で、結論は？」

SPAMこそが真のランチョンミートです。ほかの有象無象はくず肉を固めたなにかでしかありません。ホーメルを讃えよう。

「よく言った！同じ考えに至ってくれて僕は嬉しいよ！そういえばまたSPAMがまた残っている。最近は冷えるし、夕食はプデチゲに決定だね」

なんか私、腎臓がやばそうです。