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シン・ウルトラマンを観れないGAIーJINが大怪獣のあとしまつを観た始末

そんなに地球人の国籍が気になるか、ウルトラマン

おま国、私が嫌いな言葉です。どうも、BANDAIアンチGAI-JIN、アクズメさんです。5月中旬、TwitterのTLはシン・ウルトラマンに染まった。近年は円谷がKAIGAI向けに結構力を入れて字幕とか英語吹き替えとか色々やってるのでもしかしたら?と思ったけど案の定、シンマンの上映がこれから数ヶ月先に見込みなし。シンエヴァの時と同じ、俺はシンウルトラマンを称賛して楽し気に感想を語り合うフォロワーたちの輪に入れず、クラスで浮いている子になっていた。

本当は少しでも考えればわかりきっていたはずだ。ウルトラマンは円谷制作だが、ソフビ、フィギュア、DXオーブカリバーなどのおもちゃは全部BANDAI製。それにBANDAIのマークは赤い地に白い「BANDAI」の文字、そしてウルトラマンのイメージカラーは赤と銀はメディアによっては赤と白にも見える。つまりこうだ、ウルトラマンは最初からBANDAIとつるんでいたんだ、クソッタレ。

ウルトラマンはBANDAIだとわかった以上、その菩薩じみたすました顔を見てるとどこどなく憎しみが湧いてくる。ウルトラマンの顔を思い浮かびながら布団の中でナイフの刃を指でなぞる夜がしばらく続いた。もしものことがあったらと思って、日々映画の公開スケジュールチェックする中、ちょっと前に日本で話題になっていた映画、大怪獣のあとしまつが海を越えて6月24日に上映決定という情報が目に入った。こいつはいいや。どんなに好評な映画でも、見せてくれないならその価値が-100に等しい、つまりこの怪獣死体は俺にとって国籍を見るようになったウルトラマンよりずっとえらい、称賛を値する存在であり、KAI-GAI勢の反応が気になる日本人の方々に向けの有料記事を書いて一儲けする絶好のチャンスでもあるのだ。決断的に映画館での視聴を決定。BANDAIを憎めばウルトラマンまで、憎しみのあまりに目がくらんだアクズメさんはいったい何を視るか……!

「空想」は出来ている

6月24日、上映初日。午後休みを取って映画館に足を運んだ。シアター内は俺を含めて客がわずか3人。快適だ。コンビニで購入したビールを開けて精神を弛緩させ、なんで受け入れる状態に仕上げた。

事前に酷評されていたことを知ったうえで期待値を最低にして映画に臨んだが、以外と悪くなかった。断じてクソ映画ではなかったと個人的に思います。

公式サイトは空想特撮エンターテイメントと掲げているが、特撮一大要素である怪獣は動いているシーンもなく冒頭で開脚ポースのままで死亡し、怪獣対峙のために作られた空中要塞なる二番艦なるメカは終始エンジン音と影でしかその存在を確かめられない。特撮と呼ぶには難があるが、コメディとしてはなかなかいいんじゃないかと思った。小賢しいセリフ回し、下ネタ天丼がアルコールに影響された脳に心地いい刺激をもたらす。

ノリが軽い内閣が特に好き。総理と大臣らがそんな中学生の陽キャの集まりのようなテンションで日本の未来を決めるいいの?政治をなめているのでは?と義憤する方もいるでしょうが、実際に閣議を見たことある人があまりいないんじゃない?実際連中は放課後に互いの股間を蹴り上げながらはしゃぐ中学生みたいなノリでで日本の色々を決めちゃってるかもしれない。

怪獣死体は日本に兆超えの観光利益を生み出すと判断した内閣は喜々と怪獣を「希望」と命名し、プロモーションをする中、首相直属の軍事組織である特務隊は怪獣の死体を始末するという人類史上未曾有のミッションに頭を抱えている。

ミッションの責任者として選ばれた帯刀アラタごと山田涼介、彼は怪獣襲来の際に単身で立ち向かい、それから二年も神隠しのように姿を消した奇妙な経歴を持つ青年。彼は自ら希望の死体を調査し、皮膚からバルーンめいて膨れ上がった体組織を棒で刺した。そしたらバルーンが割れ、うんこのようなゲロのような激臭を帯びた気体と液体を全身で浴びる。

希望が腐り始めているのだ。それもうんこかゲロみたいなひどい臭いがする。という報告を受けた内閣は国防軍(自衛隊ではなく、ちゃっかり政治的表明をしている)を派遣して、希望を凍らせる作戦を実行する。明らかにゴジラにジュースを飲ませるあの作戦のオマージュだが結果は失敗。恥をかく国防軍。希望の始末はまた特務隊に主導が戻る。

そっから民間の排煙業者が特務隊に訪れて、希望の体に何箇所に穴をあけて気流を起こして体内ガスをオゾン層に排出すると提案するも、提案者はホームレスじみた格好で信用性が乏しいため却下。かわりに水洗式トイレのから発想を得たダムを爆破して希望を海に流し込む計画を実行。成功率が限りなく低い作戦と思うけど作中では必死。ここでドレッドヘアのオダギリジョーがアウトローじみた爆破チームを連れて登場。大御所らしくてきぱきダムの爆破作業は進むが、ダムの水量では希望をわずかしか動かせず、オダギリジョーはダイナマイトを積んだ船でダムに突っ込むカミカゼ行動も虚しく、作戦は失敗に終わった。

とうとう最終局面。国防軍がミサイルで希望の体に穴を開けて排煙業者の案の実行するが、アラタが自ら希望の体に登り、オダギリジョーが残したデータを頼りに希望に穴を開けていった。

天に衝く激臭ガス。絶景の中、アラタはスマホを掲げて唱えた、「Deus、ex、 machina」と。

迸る青白い光の中で、巨人のシルエットが浮かび上がり、希望の死体を担って宇宙へ飛び立つ……

この映画を観たいと日本人の知り合い告白した際は「オチがやばいよ?あのオチは海外の方が受け入れられるかね?」と心配そうに話してくれた。今となってわかる。光の巨人が現れてすべてを解決したど、じゃあ今まで特務隊の努力は?オダギリジョーの犠牲?アラタが自ら怪獣死体をクライミングして針をぶっ刺して苦労する意味は?アラタは最後の最後でやはり人間の力では役にたたないと見限ったからの行動なのか?

思わず「それができたら最初から使えよ!」と言いたくなる。従来の特撮構造を皮肉るだけがためとしか思えない。

しかしながらちゃんとギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って、ピンチのピンチのピンチの連続、そんで最後の最後になってやっとデウスエクスマキナを働かせる。ある意味ウルトラマンのセオリーに沿ってるともいえる?左で殴られて右も殴られる気分だ。

一貫性、なくないですか?一貫性というのは想像力を欠いた人間の最後のよりどころであるという言葉があるけどよ、このようなやり逃げの言い訳にはならんだろうね?

ビールで精神を緩ませて正解だったと生まれて初めて思った。

以上が大怪獣のあとしまつの感想でした。暇を持って余した週末の午後、アルコールをキメながらの視聴をお勧めします。ゲロかうんこかの議論がくっだらなくて失笑する。これからの有料ゾーンは定期的議論になる初手スペシウム問題についての私見を書きました。読み応えは十分のなので是非購入してお読みください。

あっ、それと本作における中途半端と言われる恋愛要素についてだが、どうせ経験のない私には理解かねないのであえて語りませんでした。土屋太鳳はエンドロールを見るまで男の人だと思いましたよ。

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