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COMPUTEX/InnoVEXのさらなる成長のカギは「街との一体感」か 【台北視察レポート①:カンファレンス編】

「COMPUTEX/InnoVEX」開催期における、台北の街の様子をレポートしつつ、海外や日本の事例と比較しながら、大型カンファレンス開催期における「街の在り方」を考えてみた。

※本noteは、Nサロン「海外イノベーション現場の発掘術」の課題レポートです。
※前後編のうちの、前編となります。(後編:作成中)

【1】はじめに

■COMPUTEXとは https://www.computextaipei.jp/
1981年に設立されたCOMPUTEX TAIPEI(略称 COMPUTEX)は世界有数のICTとIoTに関するイベントで、ICTとIoTに関するサプライチェーンとテクノロジーエコシステムを兼ね備えています。2019年のメインテーマはAI&IoT、5G、ブロックチェーン、イノベーション&スタートアップ、ゲーミング&XRの5つ。

→つまり、アジア版のCES(家電見本市)みたいなもので、ゲーミング分野等、アジア圏の強いところがより尖っている感じ。(たぶん)


■InnoVEXとは https://www.computextaipei.jp/innovex
世界中の最先端のITテクノロジー、ビジネストレンドを紹介するフォーラム、革新的アイデアにあふれるスタートアップ企業によるピッチコンテスト、世の中を大きく変える可能性を秘めた様々な先端技術の展示などを通じビジネスマッチングの機会を提供。新たな市場の創出を図ります。

→つまり、COMPUTEXと同時開催される、よりスタートアップに特化したカンファレンス。(たぶん)

この2イベントが同時開催され、5日間の会期中(※InnoVEXは3日間)、
「COMPUTEX 2019」5日間の会期中、171カ国・地域から42,495名の海外バイヤーが来場、「InnoVEX2019」においては、18,251名が来場したという。
https://www.computextaipei.jp/archives/552


【2】現場の様子

<COMPUTEX 2019>

南港(ナンガン)の大型ホール内をフル活用し、所狭しと各社のブースが立ち並ぶ。

< InnoVEX2019>

こちらは、台北101至近の「台北国際コンベンションセンター」のホールで展開。COMPUTEXと比べると規模は小さいものの、なかなか賑わっていた。

→COMPUTEX/ InnoVEXの詳細は、他の参加者のレポートをご参照いただければ…。(申し訳ございません、あまり会場におりませんでしたので…)
 *「#Nサロン」「#台北視察ゼミ」で検索


【3】個人テーマレポート

個人テーマとして、「カンファレンスを支える仕組み&周辺で起こっているコト」を挙げておりましたので、印象に残ったものをいくつか紹介。

■地下鉄カード

→カンファレンス会場でPASSと一緒にもらえる、地下鉄のカード。観光やホテルへの移動に非常に便利であった。

■休憩ゾーン

→広大なカンファレンス会場を歩き続けていると、疲れるもの。会場内にはこのような休憩スペースがいくつか用意されており、ここも賑わっていた。(みんな歩き疲れていたのかな…)

■COMPUTEXアプリ(QRコード)

→パスについているQRコードをアプリの「Badge Scanner」で撮ると、相手と名刺交換ができるような仕組み。商談などで役に立つのだろう。

■ホテル&会場シャトルバス

→主要ホテルと会場を繋ぐシャトルバス。もちろん参加者は無料。

全て見れたわけではないと思うが、ひととおり、必要な機能は揃っていた印象であった。強いて不足するものを挙げるとすれば、アプリの機能はまだまだ強化できると思う。例えば、「会場内MAP機能」や「ステージイベントの混雑状況がリアルタイムに分かる機能」など。もう少し、アプリを基軸に利便性は高める余地がある、と感じた。

【4】COMPUTEX/InnoVEXのさらなる成長のカギ(考察)

余計なお世話かもしれないが、個人の考察として、CES(ラスベガス)やSXSW(オースティン)といったトップクラスの大型カンファレンスと比較しながら、よりこのイベントを大きくしていくにはどうしたらいいか、考えてみた。

キーワードは、「街との一体感」だと思う。

例えば、CESでは大手企業が街中の広告をジャックしまくる。(※もっと象徴的に出ているところはたくさんある)

SXSWでは、空港内に公式ショップが出展していたりする。

他にもさまざまな要素があるが、とにかく、大きく成長したイベントは、「街との一体感」が高い。COMPUTEX/InnoVEXは、こういった「街との連動」の観点においては、まだまだ伸び代があるように感じた。

実態として、空港に少し広告が出ていたり、街ナカにフラッグが出るなど、多少のにじみだし要素はあったものの露出量は限定的で、ビジネスイベントのまま、完結してしまっているのが少々もったいないと感じた。

せっかく5万以上のヒトが、参加企業のプロダクトに興味を持って来場するイベントなので、主催サイドが音頭をとりながら、参加する企業に広告や空きスペースの活用をどんどん促していく。そうすることで、カンファレンスを中心とした経済がまわりだし、よりアジアを代表するイベントとして確固たる地位を築くことができるのではないか、と思う。

後編では、会期中の街ナカの様子を紹介します。台北は「街との一体感」を生み出す装置がたくさんある、素敵な街でした。

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