見出し画像

無駄なルールはなんで増えるのか考えてみた

今年の抱負に組織文化を作りたい。となったのは、去年のサイボウズデイズに参加させていただいて、青木社長のお話に、

会社はルールでは縛らない。文化で縛るんです。

という話がありました。良い言葉なんだけど、それを採用しようとして、ルール完全撤廃なんてしようものなら、回らなくなることは火を見るより明らか。ようやく最近腹落ちして、文化を作りたい!となったので、その解釈をアウトプットしてみます。
※超個人的解釈です。

ルールが必要な理由

そもそも、の話ですね。

業務を回すのに必要なルールを、上流から定めたものをプロセスと呼び、
このプロセスも、JIT的な考え方等で無駄なものは省く努力を、どの会社もやっているはずです。

ということは、プロセス以外のルールが無いかというと、そんな事は無くて、よくわからないけど、あれしちゃダメ。これしちゃダメ。と、ルールがあります。
仕事によっては、効率を上げるために必要なルールも勿論ありますが、プロセスに不要な事って、本来無くても良いはずです。

ルールは【出来る人】が【出来ない人】の為に作る

では、なんでこういったルールが出来るか。と言ったら、

1)何かをやってほしいが、何も無いと出来ない人がいる

最初は、ガイドラインとか作って、お願いが始まります。
残業規制とかも、「体壊さないようにね」「自己管理しようね」から始まってますよね。ノー残業デーとかも、ここです。
ここで、「全ての人が出来る」か「誰もやらない」だとガイドラインが形骸化します。どちらの場合も、ガイドライン自体が不要だからですね。

2-1)多数の人がやらないが、一部の人だけやっている

この場合も、形骸化します。むしろガイドラインの作り直しを要求されます。キーワードは、「実務に沿わない」「現実的ではない」ですね。
この場合でルールに発展するケースは、「法規制」などの組織ではどうにもならないケースなので、今回は割愛。

2-2)多数の人がやるが、ちゃんとやってくれない人がいる

このケースに移ると、めんどくさいけどちゃんと守る人たちが、「ちゃんとやらない人がいる!」とクレームをつけたり、管理する人が嘆いたりと、やらない人のために、ガイドラインを1つ上の縛りに変更します。これが、ルールです。
この場合のルールは、多数の人が守れてるので、反対も最初は起きません。

パレードの法則を思い出した

無駄なルールの8割は、2割の「やらない人」の為に作られるのかな。と。

無駄なルールというのは、そもそもネガティブなものが多くて、
ルールで縛り付けても「2割」の人しか改善しない手段ということ。

会社って、たった2割の不届き者に、リソースを割くほど暇じゃないはず。
そして、ネガティブに会社を引っ張っても、良いことなんてまるで無い。
だけど、なぜかルール作りたがりますよね。

免罪符という名のルール

ルール作ると、「守らないやつが悪い」と明確に線引き出来ます。
ルールを作る側もわかってるんですよ。これ以上リソース割きたく無いんです。暇じゃないので。

でも、ルールを作ると、作った人と出来てる人が喧嘩する。という謎の行動が多く生まれます。
なぜって、ルールになると、より厳格に線引きしなきゃいけないんですよね。

グレーゾーンが守っていた自由

厳格に線引きすると、グレーゾーンが無くなります。
良識を持って行う分には問題ないが、悪用する事ができるゾーンです。

実はこの「遊び」の部分が、ちゃんとやっていた人の利便性につながっている事が多々あったりします。

ルール化すると遊びが無くなり、やってる人が不満だらけ

という救えない状況になります。

【やってくれる人】の為の文化を作る

本当に会社が注力すべきは、むしろ8割が過ごしやすい環境を作る事なので、やらない人にフォーカスした決まりごとは意味が無いのですよね。

なので、多数を占める「やってくれる人」の為に、こういった邪魔者が入り込まないよう、会社としての「文化」を作るのだと思い至りました。

「朱に交われば赤くなる」

と言いますが、文化とは、「組織の常識をどこに持つか」という事だと思っています。文化をブラッシュアップしていくのは、

やってくれる人が、幸せに働けるようにする

為にやるべきで、その結果、生産性も高まり、企業も潤う。という考え方なんだな。と。そして、そういった「幸せになる」事が当たり前になった企業には、やってくれる人が幸せになるので、やらない人は淘汰されていきます。(もしくは、やってくれる人に変わります。羨ましいので。)

腐ったリンゴを取り締まるのではなく、今あるリンゴをより磨く。事に力を注ぐと、自然と腐ったリンゴは無くなるよ。という事なんだな。と。

理想論だが組織マネージャーが目指すべき場所

きっとサイボウズさんの組織内も、僕らが見えていない所では悲喜交交あるはずで、マイナーバージョンアップを繰り返しているはずなんです。

ただ、全ての社員が幸せに感じる組織づくりは、誰もが目指すべき場所ですよね。

2019年の抱負に書いた、「良い文化を作る」はこの腹落ちから来てます。
頑張ってみよう。