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新しい沼の淵に立っている

下地はランコムのUV エクスペール クリアをここ数年愛用している。
暑がりなので夏は汗でメイクが落ちるという理由で日焼け止めとパウダーだけで外出していたこともあったが、KOSEのメイクキープミストを使えばメイクが落ちないということが分かってから、夏でもメイクするようになった。

ファンデはゲランのレソンシエル。リキッド用のパフで軽く叩きながらなじませる。ファンデを塗り終わったらシュウウエムラのインビジブルパウダーでファンデを固定。
アイブロウはドラストで買ったペンシル。眉毛を書いたらアイシャドウ。最近のドラコスはおしゃれで機能的なものがおおいので、買ったばかりのFASIOのグラデーションアイカラー、モーブブラウンを指でとってグラデーションを作る。
アイラインはdejavuのペンシル。にじまなくてお気に入り。
マスカラもランコム。最近廃盤になってしまって悲しいドールアイ。廃盤になることを聞いてから買ったのでもう一本予備があるが、なくなったら次のマスカラは何にしようか迷っている。

チークはシャネルのジュコントゥラスト170番。ゲランのメテオリットブラシと相性が良いので、別ブランドではあるけれどゲランのブラシでつけている。

リップは最近話題になっていたKATEのリップモンスター06。人気すぎて近所のドラストでは売り切れてて、最後の一本だった06を仕方なく使っている。本当は05がほしかったんだ…。でも06もいい色。発色もいいしマスクうつりがないので本当に優秀なリップだ。

ティッシュで押さえて、仕上げにKOSEのメイクキープミストをこれでもかと言うほどふりかけ、ドライヤーの冷風で乾かして完成。
ピアスを着けて香水を振り、出かける準備は完了。顔面をバチバチに仕上げて向かう先は下着売り場である。

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今回は下着沼を覗いてみた話です。エロ要素一切なしでお送りします。全年齢対象まじめに健全です。アセクだってプロフに書いてんだろ!!!

入り口はとある漫画を読んだこと。スマホアプリで読める漫画で、毎週更新されるタイプのもの。その作品で女性の下着が描画されているシーンがあって、特定班の方たちがサルートの下着であるとコメントしていた。

サルートを知らなかった筆者は早速ググった。

「なにこれ芸術品じゃん…!」

第一印象はそんな感じ。
カラフルな布地、細やかなレース。ラメ入りの繊細な花の刺繍。

筆者は自分の身体が嫌いだ。Xであるという自認からか、鏡を見るのが苦痛でまじまじと自分を見たことがない。そう、鏡も嫌いだ。でもメイクをするのは嫌いじゃない。欲張りセットかよ。

そんなわけで今まで下着に一切興味がなかったし、消耗品にお金をかけようという発想がそもそもなかった。ユニクロや無印で十分だと思っていた。逆に、それ以外の選択肢が思いついたことがなかった。

しかしサルートの下着は芸術品だった。値段もお高いが、それに見合うクオリティ。幸いなことに、筆者にはこれを身につけることが可能である。そう、胸があるのだ。忌々しい存在と思っていた自分の胸も、もしかしたらデコったら楽しいのかもしれない。そう考えたら、いてもたってもいられなかった。

興味の出たことは思い立ったらすぐ実行に移すタイプの筆者。しかし自分のサイズも何もわからないので、とりあえず以前雑談していたときに「下着沼にハマったことがある」と言っていた友人にLINEをしてみた。

友人に聞いてわかったことだが、最初はネットで買うよりも店舗で採寸してもらったほうがおすすめとのこと。お高い買い物なので失敗したくないと思い、意を決して下着売り場に行くことにした。

お店があるのは最寄りのデパートの一角。予め調べていたので迷いなくたどり着いた。日本の有名な下着ブランドであるワコール系列のお店である。遠目から見てもキラキラしたカラフルな布がたくさんある売り場を、今まではスルーしていた。本当に一切興味がないものは全く目に入らなくて、でも興味を持ち始めると目に入ってくるから不思議だ。

ネットで事前に見ていたサルートの下着が入り口近くに展示されていたので眺めてみる。ああ、これが芸術か…。

サイズも色展開も豊富で見ていて飽きない。誰かに見せるということがないものなので、せっかくだから派手できれいなものを、とか考えていたら店員さんに声をかけられた。

どんなものをお探しですか?と聞かれたので「ネットで見てサルートが欲しくて…」と返答する。店員さんとしばらく話をして、採寸をお願いすることにした。

試着室は洋服店のものよりも広くて、二面鏡張りという贅沢さ。ここで服脱ぐのちょっと恥ずかしいんですけど…。

その日筆者はブラトップを着ていた。キャミソールにパッドが入ったアレである。なのでブラトップの上から採寸してもらう。店員さんいわく、ブラトップだと普通のブラよりサイズが小さめに出るらしいのでちょっと大きめにいくつか見繕ってもらう。

最初に見ていたサルート含め、3つほど持ってきてもらって試着する。試着できたらボタンを押して店員さんを呼ぶシステム。

だるだるの体にきれいなブラを装着する。うん…痩せよう。恥ずかしながら、鬱の薬のせいか在宅勤務のせいか、ここ1年くらいで6kgほど体重が増えてしまっていた。

しかし店員さん、めっちゃ褒めてくれる。はっきりした色がお似合いですとか、バストがハリがあってきれいですとかetc.
おお、ここまでまじまじと他人に下着姿を見られたことってはじめてかもしれない。結構はずかしい。だるだるだから。

そしてお入れ込みという儀式(?)がある。
脇の肉が、店員さんによって手際よくササッとブラの中に押し込まれていく。

左右をお入れ込みしていただき、ストラップ部分を調整して背中のホックも調整して完成。「では鏡をご覧になってください」

おお。胸が心做しか大きくなった気がする…。ていうか谷間がある。自分の胸に谷間って存在してたんだ。
そして店員さん、まためっちゃ褒めてくれる。自己肯定感爆上がりである。下着を購入するってこんなに自己肯定感上がるとは知らなかった。これは新体験である。新体験なのでシェアしなければと思い、この記事を書いている。ここまでで2,500文字近くなっているのだが、もう少しなので頑張って読んでほしい。

ワコールのブラは締めつけ感もなく、ワイヤーも痛くなくてとても快適。動いても揺れない、痛くない…これは、快適かもしれない。

見繕ってもらった下着がどれもサイズがぴったりだったので、次に選ぶのはデザイン。色も形も豊富なのでめちゃくちゃ迷ったが、最初に一目惚れしたサルートの新作にした。青と緑が混ざっていてきれいだった。ラメとスワロが入ってキラキラしていて本当に芸術的。お値段が高いのも納得である。

ブラを選んでからセットのショーツとキャミソールも買った。高かった。でも美しいんだもの。下着にお花が!ついているですわよ!!今まで無地のコットンの下着しか着たことなかったのに!!!!

下着を買ったことでテンションが上がり、そのままの勢いで服も買った。
下着はサルート、服はユニクロじゃカッコつかねぇからな!!!と思ったので、そこまで高くはないけどユニクロよりは高めのおしゃれな服を買った。普段なら絶対着ないようなデザインのものを。

下着を変えるって意識も変わるものなんだなと、その時はじめて実感した。本でそういう人のエッセイを読んだことがあるけれど、当時は全く興味がなかったしやってみようとも思わなかった。
しかし漫画を読んで、具体的なブランドを知ってその完成度の高さに触れたら一気に興味が湧いてきて、実行に移すまでになった。なんていうか、自分、マジで勢いだけで生きている。


というわけで、今回はXジェンダーである筆者が人生初のちゃんとした、女性用の(!)下着を買うという体験を書いてみた。いや、今まで女性用の下着着てたよ!サイズがないからな!あと別に男性になりたいわけでもないので…。

下着って人にはわからない部分だけれどもメイクと似ている気がする。
「今日のリップはCHANEL!」と同じくらいの感覚で「今日の下着はサルート!」だと思うとテンションが上がる。リップも下着も普段は隠れて見えないけれど、自分がいいものを使っていると知っているだけで気持ち背筋も伸びる。錯覚だろうけどスタイルが良くなった気がする。

以前の自分は、下着を買うのは恥ずかしいことで、こうして公にするものではないと思っていた。そもそも女性用の下着を買うということにすごく抵抗感があった。でも行動してみればそんなにハードルは高くなくて、むしろとても楽しい体験だった。だから、まだ踏み出せていない誰かの参考になればと思い文章にしている。

新しい下着と服を身に着けて、いつかコスメを買いに行こうと思う。その体験は、また次の記事で書くことにする。

長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。

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