見出し画像

推しがyoutubeチャンネル開設してくれたから死ぬ

世を拗ねた三人が運営しているアララでこんなに素直なタイトルにしちゃってもいいんでしょうか。

最近、自分が好きだったアイドルがyoutubeをはじめた。アイドル時代に比べて伸び伸びとしていて「今まで見てきたものはなんだったんだ……」という状態になっている。

(▲元SKE48 北川綾巴のyoutubeチャンネル)

メイクから、表情から、ファッションから、全てアイドル時代とは異なる様を見せてくれる。「見られる」「評価される」客体だったアイドルが、「発信する」主体になった瞬間にそのクリエイディビティがガラッと変わるその様が無性に好きだ

48グループが好きだった人、特に『恋するフォーチュンクッキー』の頃を追いかけていた人あたりはぜひ当時、好きだったメンバーの名前をyoutubeで検索して欲しい。もしかするとyoutubeチャンネルが出てくるかもしれない(笑)。

AKBとは本来セルフプロデュース合戦の場であったはずだった。アイドルとファンの応答関係が織りなすメンバーの変化を楽しむコンテンツだった。しかし、ロングテールになりすぎるがあまり個別の差異に注目することとグループ全体の動きが連関しないことがストレスになっていた

youtubeでは、その差異の部分が抽出され、ファン個人が推しを楽しむには十分なほどのコンテンツが供給されている。そして差異の演出の仕方も、グループというアーキテクチュアに規制されず自由になっている。

(▲元SKE48 小畑優奈のyoutubeチャンネル)

特に、元SKE48の小畑優奈はアイドル時代のイメージと全く違う。

(▲アイドル時代に小畑がセンターを務めた曲『意外にマンゴー』ファーストカットに演出される「男ウケ」を見て欲しい)

テレビアイドルやミュージカルアイドルになれなかった彼女たちは、上の世代の進路を受けての後出しジャンケンとしてyoutubeで花開かせようとしている。ここに2020年以降のアイドルの新しいセカンドキャリアのあり方があるというのは言い過ぎだろうか。2013年~2015年あたりに48グループに加入したメンバーであれば、youtubeは開設すればすぐに広告収入のラインであるチャンネル登録者数をクリアできる。(現に、上の北川綾巴は3投稿目の動画時点で規定をクリアしている)

これが2013年よりも前あたりに加入しておりテレビなどへの露出数がそこそこあるメンバーだと「落ち目感」がしてセルフプロデュースが難しいと個人的には思われる。そして、彼女よりもあとの世代の認知度だと一桁投稿数での広告ラインのクリアは厳しい。

(▲元AKB48 小嶋真子のチャンネル)

(▲元NMB48 矢倉楓子のyoutubeチャンネル)

そして、未だグループに残る”次世代メンバー”もこの動きに応答するかのようにyoutubeチャンネルを開設した。公式の側は、自分たちで編集したとは思われない技術だが、「応援されやすい/完成仕切っていない」方が応援されやすいという設計をしてきたAKB今後どのような反応をされるか、注目である。

youtubeを主戦場に移した新たな戦いから何かが生まれるのだろうか。

サポートは執筆の勉強用の資料や、編集会議時のコーヒー代に充てさせていただきます