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読むフワが教えてくれたこと

はじめに


この本を手にした時、私は職場の人間関係に疲れ、仕事を辞めたいと思っていた。
でも、本書を読みながら、「ふっ。」と笑って、涙ぐんでしまった。

なぜなら、自分と同じような悩みを持っている人は多く、本書の具体的な解説に触れて、「みんな、こうやって、いろんな方法で乗り越えて行ってるんだよなぁ。私もやってみるか!」と思えたからだ。

本書のメッセージと工夫


著者がこの本で伝えたかったことは「『言葉や情報で人は救われる』ということを知ってほしい!」ではないかと私は予想した。

本書でも「言葉には癒しの力がある」とあると述べている。

本を読むことで、知識や知恵が増えたり、世の中のことや生き方がわかったり、考える力が伸びて、豊かになれる。

けれど、1つ問題が。
気分が落ち込んだ時には、能動的に何かをしようという気力が湧かない。本を習慣がない人は、そんな時ほど、読もうと思わない。そうなると、新しい言葉(情報)に触れることができない。

この問題を解決すべく作られたのが本書である。

実際、事細かに文章を読まなくてもいいように、質問と回答が短い一文で示され、一見して理解できるように編集され、加えて、携帯をかざせば、解説動画が見れるという親切な工夫がなされている。

受動的でもいいから、とにかく、いろいろな言葉・情報・考え方に触れて、メンタルを回復していってほしいという精神科医でもある著者の優しい思いが詰まった一冊である。

相互アウトプットの効果と成長と気づきをもたらす本書の魅力


でも、「それだけじゃないかも…」と私は考えを改めた。

それは、1回読み終えてたあと、改めて、こんなにもたくさん、自分と同じような悩みを抱えている人がいるんだな…と、さらっと目次を眺めていた時。

著者のマインドを脳内インストールして心に余裕が出た私は、ふと、相談者側でなく、相談される側、つまり、カウンセラーという、もう一方の立場(名付けて「別人28号」(死語かなw))になって、目次の質問に答えてみようと思った。

目次を見ながら、例えば、一問目の「仕事を続けられる人とやめてしまう人の違いは?」に対して、私は「うーん。感情的になりやすいか、そうでないか。」と回答した。けれど「あれ?樺沢先生こんなこと言ってなかったよな…(汗)」と自分の記憶の曖昧さと、思考のクセにショックを受けた。

そして、本文P13ページを開くと、「レジリエンスの違いかも」と。
「そう!そうだよ。『レジリエンス』だよ!」と、自分にしっくりくる言葉を見て、胸を撫で下ろす。

また、解説部分には「人は物事を楽しめる能力を持っているかいないかで、人生の楽しさが変わってきます。」とも。「この本、ホンの数時間前に読んだのに…(苦笑)」

本題から少し逸れるが、私はどちらかというと楽しいことを考えることが好きで、いろいろやってしまう。しかし、終わってから、いろいろ言ってくる人がいて、辟易してしまう。

例えば、職場の飲み会で余興をして盛り上がったので、上役から「金一封を出す」と言われ、後日、受け取りに行ったら、経理の人から「もともと予算ないのに、勝手にこんな経費つけられたら困るのよね!」と捨てゼリフ吐かれる。

こんなことがしょっちゅうある職場の人間関係に疲弊していた。けれど、私には、ここで書いてある「物事を楽しめる能力」(この場合、「苦」の状態を「楽」に変換するアイデア・ゲーム感覚)がなかったんだと気付かされた。


話しを戻すが、「カウンセラー別人28号」となり、目次の何問かに答えた私は、他の人はこれらの質問にどう答えるのか興味が湧いた。なので家族に、同様の「仕事を続ける、やめる人の違い」を聞いてみた。

すると、「背負っているものの違い」と回答してくれた。「なるほど!それもあるね。」と会話が弾んだ。

次々に問を立ながら会話して行く中で、私自身、モヤモヤした気持ちが晴れて元気が戻ってきた。

自分ならどう答えるか(悩む自分、答える自分、思考の癖に気づける自分)に加えて、他の人はどう答えるのかと相互アウトプットし合うと、楽しくて元気になれる。

あなたもやってみてはいかがだろうか。

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