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毒に酔う知的、コウキシン

麻布十番駅のエスカレーターを上がる。洗練された街並みが横たわっていた。
カフェの前で背の高いカップを片手に直立しているコウキシンの2人。
笑顔で何かを語りかけているモニュメントを横目に、石畳を3人で進んでいく。

2人の後をついていくと、閑静でありながら活気に富んだような不思議な風景の中に溶け込まれる。
数分彷徨うと、マンションに到着した。エントランスの落ち着いた照明と、余裕のある贅沢な空間がそれだけで楽しかった。

エレベーターに運ばれて部屋に入ると、さっそく犬と猫に対面する。活発な犬と気まぐれな猫。
また不思議な風景に入ってしまった。

2匹に囲まれながらお酒を飲み、2人の経歴と出会いを聞く。自分の知っている例に当てはまらない話が多く、何度か見失いかける。
何もつままずにひたすらアルコールを流すコウキ。中国の謎の飲み物を飲むシンくん。謎の空間で、シンくんの言葉にコウキが訂正を入れる。時折見える小さな毒。
2人の漫才を思い出してやっと話がつながった。
毒は静かにこの空間にこぼれて、酔いが回った。

シンくんからは中国の文化や日本のアートなど知的な話が多く、引き込まれる。
気が付けば猫がいた窓際からは夜が見え、モノクロの自分が映る。空いたグラスを片付けた。
「飲み終わったので飲みに行きましょうか」とコウキから素敵な言葉を投げかけられる。

再び3人でエレベーターの中。
外へ出ると街は薄暗く磨かれていて、先ほどより慣れた足付きで歩いてみた。

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