自動ドアをくぐると艶やかに濡れる道が僕を待っていた。
空っぽの心に冷たい雨粒はよく響いて、一人歩く夜景の中では僕はあまりにも希薄だった。
街灯を移す雨だまりは僕の陰気な顔だけを遠ざけて、少しだけ寂しい。
今日はゆっくり湯船に浸かって心を解凍させることにしよう。

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