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獅子と牡丹

趣味で着物を始めてから一緒に描かれることが多い組み合わせのモチーフがあることを知る。
「獅子と牡丹」はその一つだ。

獅子というのは神社の狛犬のような獅子舞(シシマイ)の獅子をイメージするとわかりやすいだろう。

牡丹は花札にも出てくる花である。
牡丹も花の王と呼ばれ、大輪の花は見る人々を魅了する。

獅子というのは百獣の王、つまりとても強いものとして恐れられていた。
しかしそんな百獣の王にも弱みはある。
獅子の体の中に虫が寄生しており、その虫は獅子の体を食い荒らすのだ。
これを「獅子身中の虫」(しし/しんちゅう/の/むし)という。
「獅子身中の虫」というのは内部の裏切りで身を滅ぼしかねないという意味で使われることがある。
この獅子身中の虫は牡丹の朝露で死ぬため、獅子は牡丹の下で眠るという伝説がある。
獅子は牡丹の朝露に守られ、牡丹も獅子がいることで摘み取られずに済む。
両者共存の関係性なのだ。
「獅子と牡丹」は縁起のいい組み合わせとして昔から愛されてきたのである。

百獣の王と花の王、つよつよな組み合わせである。
しししんちゅうのむし、「し」が多い。

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