旧友との再会
Instagramで繋がった、大学時代の唯一の友人。
Instagramで繋がるって文明の利器だよなぁ~
ただ、彼は毎年欠かさず卒業後も年賀状はくれていた。
今まで再会のチャンスはあったかもしれないが、俺自身がきっと彼に会うと劣等感を抱くからきっと避けてきたんだろう...
彼とはゼミも別だったし、当初はグループも違った。
当時の俺は『なんでこんな大学に入ってしまったんだろう?』って思っていて翌年に勉強して受け直すか、もう社会に出てしまおうかとも、落胆していた。
当初に出逢ったグループが良くなかったこともあるが、いいところのボンボン過ぎて何か違ったし、人として薄っぺらいなと…だから何かここは俺の居場所じゃないなと思っていた矢先に偶々同じ授業を受けていた彼と出逢い、住んでいる駅も1駅違いだったし、彼も車やバイクが好きだったから直ぐに打ち解けた。
親交深くなった大きなきっかけはヨット同好会へお誘い。メンバーの中に車を持っている人間が少なかったから車を出して欲しいというのが本音。
俺は不器用でロープの結び方が苦手だから最初は断っていたが、部長の人間性も良くヨットで国体の選手に選抜されるほどの実力者で、また部長も車が好きだった。その部長が「国体なんて目指さないよ。ヨットの楽しさを知って欲しいだけ!」と断言するので入部した。確かに行くと和気あいあいした楽しい同好会で夏は部長の故郷の小豆島で毎年合宿をしていた。
帰ってきたら、真っ黒に日焼けして当時流行っていたhelly hansenの蛍光オレンジのパーカーに同好会名をバックプリントで英語で入れて、タンクトップとデニムの短パンで登校していて俺も同じくそんなチャラい格好をしていたw
そんな彼とはバイトも俺が紹介して四六時中一緒に過ごした。
彼の男気を感じたのは就職活動をしていたときだった。
当初は彼と一緒に行っていたが、序盤でとある企業に決めたと彼は断言した。
その時の彼の言葉が今でも忘れられない。
「俺、ここに決めたわ!この給料なら今の彼女と近々結婚しようと持っているから生活は出来そうやし…」
その時思ったのは22歳位でもう生涯の伴侶を決めれる決断を下せるんだと…
俺は未だ当時は彼女と言える存在が確定的ではなかったし、そこまでの踏ん切りはあの段階では付かなかった。
勿論、彼からも同じ会社に行こうと誘われたが断ってさらに数多くの説明会を受けた上で彼とは違う会社に就職。
彼は現在もその会社に在籍し、その時選んだ奥様と幸せに暮らしていた。もう二人のお子さんはそれぞれ独立し、下のお子さんは高校卒業時にこれと言ってやることが無いというので、俺達があの時何かを感じ取った卒業旅行で行ったアメリカに行かせて、「そこで自分のやりたいことを働きながら見つけたら?」と送り出し、その息子さんは現在何と、マサチューセッツ工科大学の大学院まで進んでいる。
上の息子さんも既に結婚したそうで、彼は孫の知らせを心待ちにしている。
彼と最後に有ったのは約20年前。俺の披露宴パーティだった。
勿論、彼が公言した入社して2年程で彼が開いた結婚式にも参加させて貰った。
あれから約20年…
内心ドキドキしならが、待ち合わせ場所に行くと、どうみても彼だと分かる大学時代を彷彿させるグラサンを掛けた出立ちで立っている彼を見つけた。
「久しぶりぃ~お前さーその格好で立たれてたら、確信持てんから声掛け難いやろ!ちょっとした怪しい人やぞ!w」
って言うと…
「お前かって、頭丸めて厳ついやんけ!w」
そんな感じで、一瞬で約20年のブランクが埋まった。
待ち合わせ場所は彼の指定の街で、俺はよく知らなかったからお任せで数軒飲み歩いたが、彼は何度も「マジでお前に会えて今日は嬉しいよ!」と言い、可也酔っぱらっていたw
結局、最初の串カツ屋で沢山昔話をして、お店のマスターとも仲良くなるどころか、たまたま居合わせた隣のお客さんとも意気投合してその串カツ屋さんの閉店まで居て、彼行きつけのスナックやラウンジへ行ったら、昔取った杵柄の様に二人で漫才の様な掛け合いで店の女の子から爆笑を奪って、気が付けば夜中の3時を回っていた。
当然、俺はもう帰れる時間でもないし、『コイツ、最初からこのパターンを狙っていたのか?』と思うほど、簡単に彼の自宅に招かれた。
「お前、こんなことしてたら奥さん怒るやろ!程々にしとけよーってバツの付いた俺はあんまり言えんけど…😅」
と言うと、「全然大丈夫!」と言って涼しい顔をしていた。
彼の家に泊めてもらい翌朝、結婚式以来の再会と奥様と果たし、彼があの時に決めた決断は正解だったんだなと言うくらい懐の広い方だと感じた。
彼がまだ寝ていたので、奥様がコーヒー淹れて下さった時に、「彼が今の会社を選んだ経緯をご存じですか?」と聞いてみたら、ご存じなかったので、その話を伝えると…「そんなことがあったんだ。初めて聞きましたよ!でも、教えてくれてありがとうございます。」
と穏やかな顔で微笑んでおられた。
彼が起きて来て、直ぐに冷蔵庫から缶ビールを出してくるのを見て、「お前マジで、いい加減にせんと奥さん逃げるぞ!」と言ったものの、きっと彼が仕事で頑張って二人の立派な息子を育てて、家族をちゃんと守ってきたから奥様は寛大なんだろうなと思えた。
で、なけりゃ、つい最近まで家族4人揃った家族写真の入った年賀状なんて送ってこないもんなと…
それを適当に聞いていた彼は滅多に立たないという台所に立って自らて料理を振舞ってくれて、更に送って行くわと言われて、昨夜飲明かした街までタクシーを走らせ、2時から空いている居酒屋で2時間飲んで帰宅した😅
今年はそういう再会が不思議と年初から続く。
年初に再会した元同期の彼もそうだ。
彼等と会うのを拒んでいた自分が恥ずかしかったし、もっと早くアイツらに再会していたら俺の人生も少しは豊かなものになっていたのかなとも...
彼等は共通して、奥様を大事にしていて、俺と別れ際は強く握手を交わし、ハグまでして俺の背中をポンポンと叩いてくれて別れる。
50歳超えて、”マブダチ”と再会できたことに感謝...
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