40人へ。

現在、公立小学校では、一クラスの定員は40人以下と定められています。しかし、入学してすぐの子ども達にきめ細かな指導が必要であるという理由から小学校一年生は、35人以下学級となっています。

 しかし、財務省は(って、あんた教育のこと専門外じゃん!)いじめや不登校などで、人数を減らした効果が認められないとして、もとの40人に戻すべきだという主張をしています。そうすれば、教師の数を減らすことができて86億円の節税になるとの主張をしています。

 「5人減らしてみても、いじめや不登校の数が改善しなかったので、元に戻す」とは、まさしく子どものことを考えていないお金や合理性だけを考える人の意見です。

 もし、そのデータが数学的にも客観的にも正しいものであるとしても(データはなからずしも真実でない事が多い。ある意図を持ってすれば、データを思うように使いこなすことができる。)本当に子どものことを考えるならば、もう少し一クラスの人数を減らそうという論理になると思いますが、それは私の立場がそう思わせるのでしょう。

 一般的な感覚では、40人で、担任一人というのが自然なんでしょうか?「昔はもっと多かった」というのは真実であり、私を含めて、そういう環境で大きくなってきた人はたくさんいます。

 でも、そこだけを取り出して、昔と比べるのはあまりにも公平ではない。昔とは学校・教師の置かれている立場や環境は大きく変化している。

 例えば、8時に学校へ子どもがやってきて、3時30分に帰るとすれば、学校へいる時間は7時間30分。

 きめ細やかな対応を!一人一人に合わせた対応を。個性を認め伸ばすような対応を!40人分。財務省的に、机上の空論で(あたかも正論風に)言わせてもらうならば、たった5分!一人につきたった5分の時間を割いて子どもの話を聞いたり接したりするならば、35×5=約3時間!たった5分の時間をその子に割くことがきめ細かな対応だとは思わないのですけど、一人一人に関わる時間を増やすのではなくて、もっと減らす方向で考えておられるのでしょうか?まあ、現場の教師が怠けている!もっと仕事をしろ!ということなんでしょうけど。

 7時間30分の子どものいる時間の中で、ざっくり言うと

○授業は45分×6コマ=4時間30分。

○給食1時間

○掃除や学級活動(朝会や終会)で1時間

○子どもの休憩や遊びで1時間

あら、これでいっぱいいっぱい。

 さて問題。私たち教師はどこでトイレに行けば良いでしょう?どこでお茶を飲めば良いでしょう?どこでお昼休み45分をとれば良いでしょう?

 あくまでも、上記は何事もなく平穏無事なとき。けんかなどのトラブルがあったら、それを解決するための時間をどこかを割いて作る。親からのなかなか困った要望やクレーム対応に割く時間、宿題の点検をする時間(40人いれば、漢字ノートも40冊。何分で見られるでしょうか・・・)あ、そうそう本分である授業の準備や教材の準備、プリントも作らないと・・・の前に、休み時間はとにかく子どもと一緒に遊んでやりたいし・・・低学年ならば給食やトイレなんかもほっておいて何とかなるほど甘くない・・・

 どの仕事も、質は違えどとても大変なものです。要は、どの大変さを受け入れることができるかどうかで職業が決まる。

 でも、現場としては、できればもっともっと子どもと遊んで、子どもと話をしたいというすごくシンプルな願いから、クラスの人数はもう少し減らしてほしいなあと思います。私の能力では35人や40人はキャパを超えています。大丈夫な先生もたくさんおられるんでしょうけど。

 改めて、一般的には、一クラス35人というのはどう思われているんでしょうね。適正なのか、少し多すぎるのか、もう少し多くても良いと思われているのか・・・一般論がとても気になります。というわけで、教えて下さいね~。

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