低学年算数の落とし穴

文章題に「全部で」「合わせて」という言葉があると、増えるんだから足し算だよ。「違いは」「残りは」という言葉があると、少なくなったり、差を求めるから引き算なんだよ。なんて、指導がまかり通っています。

 決して間違いではありません。ある程度パターン化して反復練習することも、低学年においては非常に大切です。

 でも、抜けていることがある。

 それは、言葉を「イメージさせる活動」が抜けている。

言葉はあくまでも事象や現象、状態を表す。それを具体的な操作や、絵などに表すことで、初めて言葉が「イメージ」を伴った意味のあるものになる。

 それをぶっ飛ばすから、実感の伴っていない、真の意味で理解できていない言葉だけが知識として詰め込まれるから、実は分かってない。

 例えばこんな問題。

「赤い鳥と青い鳥が合わせて7羽います。赤い鳥は3羽でした。では青い鳥は何羽ですか?」

 「合わせて」という言葉を、具体的な操作をたっぷり経験したり、絵や図にする事をたくさんしてきた子は、子の問題を間違うことはありません。

 しかし、そういう経験なしに「知識として」言葉を覚えているだけの子どもは、いとも簡単に7+3としてしまう。さらに、そこから出た答えに疑問すら感じない。何故なら、全てに実感を伴っていないから。イメージできないのです。

 算数の式や数字などは、ざっくり言うと、「世の中の事象や現象を表現する共通言語」だと言えます。(3台の青い車と2台の赤い車があります。合わせると5台になります。という文章と、それが表す場面を、「2+3=5」という単純明快な世界共通の記号を使って表現しているという意味)

 だから、言葉に対して、たくさんの具体的イメージを持っている子は強い。さらにたくさんのイメージ同士をつなげることでますます、イメージ力が強くなる。

 もっと言えば、イメージ力が強い子は、総じて「試行錯誤力」が高い傾向があるように思います。(ある本で、算数が得意な子は、とにかくいろいろ考えて見たり、手を動かして何かしら書いたり計算したりしている。つまりあれこれ試行錯誤している。その力がとても高い。ということを読んだことがあります。それについてはまた今度。)

 この「イメージ力」って結構おろそかにしがちですが、実はとっても大切な力の一つで、またこの話は別の機会にでも書いてみようと思います。

 本日はここまで。

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