一生背負い続けるあの日の後悔

#社会人1年目の私へ

いいか、お前のここまでの人生は「現状維持できれば…」みたいな思考で生きててさ、特に後悔とかするような出来事すら起こらない、なんて波風のないつまんねー、その代わりにリスクもない生活を送って来たよな?


でもな、1年目の夏にお前は大切な友達を亡くすぞ。嘘だと思うだろ?今も嘘だと思いたいよ。でも、ほんとなんだ。


お前がZOZOマリンに野球を観に行ったその日、そいつは寂しがりやのくせに、誰にも知られずにこの世を去ったんだ。

そいつは入社後、ずっと職場の愚痴を言ってくる。「あれが嫌だ」「これが嫌だ」連日愚痴を聞くことになる。

いいか、数年前のお前よ。そのときは自分もいっぱいいっぱいで、愚痴を聞くのが嫌な日もあるだろう。だけど、人助けだと思って10分で良いから話を聞いてやってくれ。

愚痴をちゃんと聞いてやらなかったこと、あの日そいつを救ってやれなかったことの後悔を、一生背負い続けることになるぞ。

完全に"今思えば"だけど、あのとき愚痴を10分聞いてあげる優しさがあれば、友達をこんな形で失う悲しみを知らなくて済んだんだぞ。

さあ、どうする?聞くだろ?

優しくしろ。とにかく苦しそうなひとには、自分が大変なときであっても優しくしろ。「みんな大変なんだから」なんて、決して思うんじゃねーぞ。

それからな、いつもニコニコしてる人ほど、脆いんだ。お前のように、うまくデトックスできるひとばかりじゃない。みんながお前みたいに笑い話にできるわけじゃない。


いいか、もう2019年のわたしにはそいつを救う術がないんだ。

頼むよ、1年目の春のお前。お前ならまだ救える。

頼む。そいつの話を聞いてやってくれ。

それはそいつのためであり、未来の自分や未来の仲間たちのためだ。

社会人1年目のお前が結婚したり、子供ができた時、そいつにちゃんと祝ってもらえる未来が来るといいな…。

その夢はお前に託すよ。

#エッセイ #コラム #新社会人

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