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「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」ドン2話「おおもも、こもも」評価:★★★

評価は、基本的に以下の10段階です。
・★★★★★…最高。大傑作。愛する。面白い超えて芸術の域(5点)。
・★★★★…大満足。傑作。大好き。凄く面白い(4点)
・★★★+…満足。名作。好き。かなり面白い(3.5点)
・★★★…平均より上。秀作。好感。中々面白い(3点)
・★★+…及第点。佳作。どちらかと云えば好き。まぁ面白い(2.5点)
・★★…普通。凡作。特に可もなく不可もなく(2点)
・★+微妙。凡作未満。カス。どちらかと云えば嫌い。つまらない(1.5点)
・★…難あり。駄作。カス以下。嫌悪感。かなりつまらない(1点)
・+…最低。大駄作。クズ。嫌い。マジでつまらない(0点)
・×…最悪。超駄作。ゴミ。大嫌い。つまらない以前の問題(-1点)

<放送データ及び評価>

『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』
ドン2話「おおもも、こもも」
放送日:2022年3月13日
脚本:井上敏樹
監督:田﨑竜太
アクション監督:福沢博文
特撮監督:佛田 洋(特撮研究所)
評価:★★★(3点)

『ドンブラザーズ』=『仮面ライダーアギト』説

 冒頭は前回のダイジェスト。
 前回の感想でも述べたが、イエローの子の視点から物語が描かれる展開が筆者は好きである。
 マンガの盗作騒動が起きて学校に居られなくなったイエローの鬼頭はるかだが、喫茶どんぶらで働き出しているシーンが描かれた。
 店主はゼンカイザーブラックの正体・五色田介人である。

 これはクロサキさんと喋っていて教えられたことだが、『仮面ライダーアギト』が前作『クウガ』の延長線上の世界に設定されていたのを、『ドンブラザーズ』では『ゼンカイジャー』の後の延長線上の世界に設定している。
プロデューサーは白倉伸一郎氏、脚本家は井上敏樹先生と同じメンツだからこの分析はまず間違いないだろう。

キジブラザーは平凡な会社員か?問題

 CMを挟んで、前回戦闘シーンだけで出てきたキジブラザー(ピンク)の雉野つよしの日常及び回想シーンが展開される。平凡な会社員だったが、謎のサングラスとドンブラスターを手に入れて、キジブラザーに変身出来るようになり、仕事ではうだつが上がらないが、新婚の妻のみほ(新田桃子)と幸せな生活を送っていたことなどが描写される。
 一般サラリーマンがヒーローになる展開は、実は意外と少ない。

 スーパー戦隊だと『激走戦隊カーレンジャー』では一般の会社員達がヒーローをやらされる展開が描かれていたが、このパターンのスーパー戦隊は、歴代でも少数派である。
 これはスーパー戦隊に詳しいクロサキさんにレクチャーして頂いた。
 理由は、会社や仕事に時間を拘束されている立場の社会人が不定期に襲撃してくる悪党と戦える展開が本来は不自然だからに他ならない。
『仮面ライダー龍騎』の主人公の真司君もOREジャーナルのジャーナリストだったが、もしも会社で事務や経理の仕事をする職業だったり、工場の中でライン工として働いていたりしたら、ミラーワールドのモンスター達と戦うことは出来なかっただろう。
 そのためヒーローの職業設定は意外と難しく、『仮面ライダー』が時間が比較的有る学生だったり、フリーターだったり、ニートだったりするのは、ヒーロー活動とプライベートを両立させやすいからである。

 サラリーマンをヒーローにしてきたのは挑戦的に思えて、キジブラザーの設定は高く評価出来る。

 一方、作り手と庶民感覚とのズレも感じられる設定にも思えた。
「結婚なんてぜいたく」と言われる現代では、雉野のような嫁さんを貰える会社員は平凡どころか、かなり社会的なステータスが高い部類に入る。彼が勤める「フェズントコンサルタント」がどんな会社か分からないが、会社名から察するに広告代理店のようなものだろうか。
 電通や博報堂の社員ならば、相対的に社会的地位が高い部類に入るから、雉野を平凡な会社員と称するのは少々無理があるのではないか
 皆さんは、結婚出来た広告代理店の正社員が「平凡」だと思うだろうか?
 こんな設定を出してしまう原因は、テレビ朝日や東映は本来大企業だが、勤めている社員である自分達の社会的地位が高いと云う認識を恐らく持っていないからだろう。
 そういう意味では、テレビ朝日さんや東映さんの社員達は庶民感覚と既に自分達がズレていることを自覚すべきなのかもしれない。

配達員の桃井たろうの方がよっぽど庶民的

 雉野は配達員の桃井たろうと遭遇して、脱臼した肩を治してもらう。
『獣電戦隊キョウリュウジャー』と同じく、この段階では自分達の正体を明かしていないので、それぞれが互いの正体を知らぬまま交流する。
 この辺りの描写は『キョウリュウジャー』よりも丁寧である。

 話は桃井たろう視点になり、宅配会社で昼食を摂るシーンが描かれる。
 サラリーマンの雉野より宅配員の桃井の方がずっと庶民的に感じた。

 職場でじゃんけんの手を先に言ってしまう癖を68歳のパート従業員・さなえ(松浦佐知子)に「正直を通り越してバカよ」と諫められる。
 そんなさなえさんの気も知らずに、「68歳に見える」と馬鹿正直に言ってしまうことから、さなえさんは怪人化してしまうことになる。
 この辺りはクロサキさんとも意見が分かれて、筆者は、ドンモモタロウ=バカレッドの系譜なのではないか? と思ったが、クロサキさんはそんなことはないだろうという話だった。

 確かに戦いが始まると豪快なのでバカレッドに見えるが、戦いに入る前の変身直前のシーンでは真剣な表情も見せていて、戦闘に入ってもアバターチェンジを使いこなして戦っていた辺り、戦闘における頭は良さそうだった。

俳句を読んで食い逃げするブルーの登場

 鬼頭はるかは喫茶どんぶらで働いていると、俳人の猿原真一がお金が無いので代わりに俳句を読むと言い出すのと出くわす。
 ドンブラザーズのメンバーは皆、個性的で正直誰もがレッドにしても良さそうなキャラの濃さを発揮しているが、これを承諾するマスターも凄い。

 さて、鬼頭はるかがスマホを眺めると、桃井陣からまたしても桃井太郎を探せば失ったものを取り戻せると言われるが……?

指名手配犯のブラック

 桃井が犬塚のアパートに宅配に来ると、警察官が現れて犬塚は逃走してしまう。
 桃井は「彼とは縁が無かったようだ……」と語るが、桃井もイヌブラザーの正体を知らないようだ。

 鬼頭はるかは桃井たろうが現れると聞かされた場所にやってくるが、これをソノザと勘違いしてしまう。
 さなえさんは暴走して怪人化し、戦闘シーンが始まる。
 リュウソウジャーに変身したシーンはTwitterで話題になった。

 結局、レッドのドンモモタロウが出現して、見せ場を全部持って行って、戦いに決着をつけた。
 次回はトッキュウジャーに変身するのだろう。

総評

 評価は、★★★。
 ゴチャゴチャしているのは相変わらずだが、第1話より比較的楽しめた。
 一方、子供には意味不明なのではないかと心配にもなった。

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