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私が考えるグローバル人材の要件

久しぶりの投稿です!今日はグローバル人材について書きたいと思います。私個人的にはグローバル人材の道半ばではありますが、20年にわたり外資系企業で働き、海外MBAの取得や数多くのビジネスパーソンとのやり取りを通じて、グローバル人材とは何か?を考える機会が多いと自負しています。

世界がますますグローバル化する中で、グローバルで活躍する人材の育成がますます重要な課題となっています。では、グローバル人材とはどのような人なのか?と考えると、ただ異なる文化や言語を理解するだけでは足りない気がします。この記事では国際社会でグローバル人材になるためには、どのような要件が必要であるのか私の考えを述べたいと思います。

異文化理解の重要性を認識する:
グローバル人材として活躍するためには、まず異なる文化や価値観を理解し尊重することが不可欠だと私は考えます。自己の文化や視点を超えて、他者の文化や視点に興味を持ち、受け入れる姿勢を養うことが重要です。
私は外資系企業でさまざまな国の人々と働いてきました。北アメリカ圏(アメリカ、カナダ、メキシコ)、EU圏(オランダ、フランス、ドイツ)、アジア圏(中国、韓国、シンガポール)など、多くの国の方々と働いた経験があります。その中で感じたのは、商習慣、コミュニケーション方法(Low/High context)、リーダーシップスタイル、製品の品質基準から労務・人事関連まで、全体的に日本のものとは考え方が異なることです。

外資系企業であるのは、海外で製品が生産されており、品質が日本の期待にマッチしない場合があります。そのため、製品の機能性に関わる最低限のグローバル品質基準を満たす場合でも、日本特有の期待に関する理解を示すことが難しいことがよくあります。これは何が正しいというよりも重要視する観点の違いだけだと思います。日本人同士でもお互いを理解するのが難しいのに、海外とのコミュニケーションはさらに複雑です。

個人的に、外資系企業で活躍するためのスキルの一つは「ユーモア」だと考えています。以前、EUの会社の日本法人の立ち上げで基幹システムが上手く行かずにプロジェクトが炎上したことがありました。全体的な士気が落ちたチームの中で、EUのボスが「ヨーロッパでは失敗をするとお祝いする習慣がある」と言ったので、私は笑顔で「じゃあ、やらかしたから盛大にお祝いしなきゃいけないね」と冗談を言い、その場にいた全員が大笑いしました。これがきっかけでチームには失敗したものはしょうがないけど、気持ちを取り直し前向きにやる気になり、その後、走りながらプロジェクトを軌道修正させました。

この経験からピンチのときでもユーモアを忘れずに余裕を持つことは重要だと思います。日本支社の日本人スタッフはイライラや不満を海外本社にぶつけることが多い気がします。いきなり不満をぶつけたりすると本社の人たちは「?」となります。一旦落ち着いて、自分の常識が他の人の常識ではないことを理解して対応を考える必要があります。

外国語の習得:
多言語を話す能力は、グローバル人材としての競争力を高めるために不可欠です。英語や中国語など第二言語を習得することで、異文化コミュニケーションの障壁を取り除き、国際的なビジネスでのコミュニケーション能力を向上させることができると思います。では、何の言語を学べば良いのかというと、「自分が興味ある」言語です。例えば、私の妻は韓国の文化(Kドラマなど)が好きで、韓国語のレッスンを受けています。新しい言語を学ぶことは、今まで使用している言語をアップデートするので、普段使用していない脳のメモリをよく使うそうです。

仕事で使用するなら「英語」が一択です。英語はご存知の通り世界共通言語であり、得られる情報も圧倒的に多いことや、AIのプロンプトも英語の方が便利なため、今後も重要になると思います。英語ができれば、世界中の人々と協議するだけでなく、海外でのビジネス展開や外資系企業での就業などのオプチュニティも広がり、年収の向上にも貢献できると思います。何もネイティブ並みに話すようになるとかではなく、言いたいことが伝われば良いと思います。実際、私も決まった言葉やフレーズを使い回しています。たかが英語、されど英語、英語は私を何度も救ってくれました。ビジネスパーソンにはぜひ英語を学んでいただきたいと思います。

国際経験を積む:
国際経験はグローバル人材としての成長を促進します。海外での留学やインターンシップ、仕事の経験などを通じて、異文化環境での生活や仕事に慣れることができます。国際経験を積むと言っても、海外留学や就業に限らず、日本国内でもさまざまな経験が可能です。例えば、私はよくカナダの在日商工会議所のネットワーキングイベントに参加します。またノルディックなどの商工会議所の合同ネットワーキングイベントに定期的に参加し、様々な文化や考え方に触れています。

それ以外でもオンラインの勉強会やプログラムも充実しているため、機会があれば積極的に参加し、海外のビジネスパーソンとディスカッションを行うことをお勧めします。私もカナダの大学院プログラムでMBAを二年間勉強しましたが、これは日本で実施される週末プログラムで、カナダ・モントリオールから教授が直接レクチャーに来るものでした。現在は多様なツールやサービスもあり、いつでもどこでも学ぶことができます。ただし、海外現地の雰囲気を体験できないので、会社の出張や旅行などで短期間でも海外に行くことを検討してみてください。
もし、留学する場合は、地元民と積極的に交流することが大切だと思います。よくあるのは、留学しても日本人同士で仲良くなり、現地の人たちとの交流をしないことです。これは日本に来る外国人でも同じことが言えます、国際経験を積む場合、一番有効的なのは実際に現地の人々と交流することだと思います。

クロスカルチャーコミュニケーション:
異なる文化間でのコミュニケーションは、誤解や衝突を避けるために不可欠です。そのためには、リスニングやエンパシー、適切な非言語コミュニケーションなどを学ぶことが重要だと考えます。テクノロジーが進化するにつれ、皆が忘れてしまっていることは「相手の気持ちに立って考える」ことだと思います。英語で「Compassion」という言葉がありますが、これは単なる思いやりではなく、「相手を尊重する」という意味合いが含まれます。
以前、私が働いていたコンサルティング会社のマネジャーは、「常に自分が間違っている体でいろ」と言っていましたが、その言葉は激しく同意します。自分が正しいと思っていると、相手の考えを尊重することができなくなります。強いリーダーやビジネスパーソンは、自らの常識を超えて、様々な考え方を理解したり、尊重したりすることが出来ます。スキル云々より結局は謙虚さと素直さなどの人間性がベースとなると思います。

持続的な学習と成長:
現代はグローバル化の加速により、新しい文化やテクノロジーが常に現れています。そのグローバルな環境で活躍するためには、新しい知識やスキルを獲得し続ける意識が不可欠です。特に今はVUCAな時代と呼ばれ、AIなどによる破壊的イノベーションが進んでいます。いつ私たちの仕事が無くなるかもわかりません。
この変化に対応するために、私たちは常に学び続けることが必要だと考えます。日本の大人は世界からも見てあまり学ばないと言われますが、これは勿体ないことです。私自身も子供の頃は勉強が苦手で、帰国子女として日本の学校に馴染めず、高校を中退しました。また、就職活動もしたこともなく、就職氷河期世代であるため、一度レールから外れると難しいとされていました。しかし、大人になってから大学や大学院で学び、研修などに積極的に参加し、様々な人たちと関わり合い、たくさん読書をすることにより、考え方も変わって来て、自分の人生が少しずつ開けてきました。Age is a numberというように学びにも年齢制限はありません。

現代では学ぶ手段が豊富で、UdemyやYouTubeなどのオンラインプラットフォームやAudible、Kindleなどの音声・電子書籍が利用できます。これらを活用しない手はありません。何もたくさんの時間を取って学ぶ必要もなく、通勤時間やランチタイム、寝る前などの隙間時間を使って毎日10分でも良いので、まずは勉強する気持ちが大事です。そして、学んだ知識や経験を他人に教えたり、学んだ内容をサービスにしたり、社会に還元することもグローバル人材として必要です。

グローバル人材の育成は、個人の成長だけでなく、組織や社会全体の発展にも寄与すると思います。異文化理解や国際的な視野を広げるための取り組みを通じて、より多様性のある世界を築けるきっかけとなることを期待しています。そして、いつどこでも実現できると思います。世界はフラットに繋がっているから。
最後まで読んでいただきありがとうございます!

#グローバル人材 #グローバリゼーション

【経歴サマリー】
Aki Allen Kaneko
1979年カナダ・トロント生まれ、ヒップホップ育ち、良さそうな奴らは大体友達。
日本に帰国後、学校生活に馴染めず高校中退。その後、大検に合格し、青山学院大学に進学。さらに、カナダのマギル大学でMBAを取得。
フランスの消費財会社、USの通信会社、Big4のコンサルティング会社を経て、サイファーホールディングス株式会社を創業。新規事業コンサルティングや語学コーチングビジネスを展開し、EUの医療機器メーカーでアジアのオペレーションディレクターを務める。
自らの経験をもとに、会社員としての経験と起業を兼ね、転職によるキャリアアップなど多様なキャリアパスを示し、それを実現するための学習やリスキリングを推進。また、グローバルリーダーを育成するためのコーチングセッションや、企業の成長・挑戦を支援するため、ミッション・ビジョンに繋がる経営戦略の策定方法から経営の考え方まで幅広く発信。
趣味はブレイクダンス、ブラジリアン柔術と読書。最近生成AIの勉強にはまっている。

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