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LGBTQ・セクシュアルマイノリティ用語集

戸籍訂正済トランスジェンダーの新生光です。詳しいプロフ記事はこちら。

LGBTQ(セクシュアルマイノリティ)に関する言葉は、
専門性が高くてわかりにくい、
という声があったので、
辞書的な記事を書いておこうと思います。

カタカナや英語が多くて、
当事者でも困惑しちゃういますよ、
ほんとw


▷LGBTQの意味

LGBTQは、
セクシャルマイノリティ(=性的少数者)の総称として、
最近よく使われていて、
以下5つの言葉の頭文字をとったものです。

L=レズビアン(Lesbian)女性同性愛者
G=ゲイ(Gay)男性同性愛者
B=バイセクシャル(Bisexual)両性愛者
T=トランスジェンダー(Transgender)身体的な性別と性自認(*後述します)が一致しない人
Q=クエスチョニング(Questioning)自身の性自認や性的指向(*詳しくは後述しますが、どんな性を好きになるか)が定まっていない、もしくは意図的に定めていない人

2021年現在では8~9割くらいの日本人が知っている言葉となり、
LGBTは広辞苑にも記載されています。


▷LGBTQの反対はなに?

LGBTQは、性的マイノリティ(=少数派)を指すので、
その反対は、性的マジョリティ(=多数派)です。

 ✅異性愛者(=ヘテロセクシュアル)
同性愛者の反対の意味に使われます。
一般的に
マジョリティといわれている性的指向の人を指しています。
かつては、
ノンケとかストレートと呼んでいましたが、
今は「ヘテロセクシュアル」とか、
略して「ヘテロ」といいます。

 ✅シスジェンダー
トランスジェンダーの反対の意味で使われます。
身体の性別と、
自分が認識している性別(=性自認)が、
一致している人のことを指します。
一般的には、こういう方が大多数です。
性的マジョリティは、

シスジェンダーで、ヘテロセクシュアル

の方々を指します。


▷LGBTQ以外の性的少数者

最近は、LGBTQの後ろに「+(プラス)」をつけて、

LGBTQ+

と表現することも増えています。

どんどん増えていくのは、
それだけ性の多様化が広がっているという証です。
今や、12の性的指向もあるといわれています。
全部は紹介できないので、
一部だけお伝えします。

インターセックス
性分化疾患、といって、
昔は半陰陽とか両性具有ともいわれていたもので、
先天的に、身体的な性別の問題を抱える人のことです。

アセクシャル(エイセクシャル:asexual、Aセクともいう)
男女のいずれにも性的魅力を感じない人、
恋愛感情がない人のことです。
性的な経験・体験がない(したくない)人は、
Aセクの可能性があります。

パンセクシュアル(Pansexual)
男性・女性に限らず、
性的・感情的・精神的に、
すべての人を性的指向の対象とする人のことです。

リスロマンティック
恋愛感情はあるが、両思いになりたくない人のことです。


多様化・複雑化するセク


▷性の4要素(体の性・性自認・性的指向・性表現)

セクシュアルマイノリティを理解するためには、
性の4要素を知っておく必要があります。

1.体の性
 生まれ持った生物学的な性別
2.性自認
 その人が自分自身の性別をどう思っているかに関する、
ある程度持続的な自己意識(アイデンティティ)のこと。
3.性的指向
 魅力を感じる性別の方向性のこと。
4.性表現
 服装や言葉遣いなど、自分をどう表現したいかということ。 

この4要素を理解することが、
セクシュアルマイノリティを正確に理解することににつながります。
キーポイントは、性自認です。
性自認は、
男・女・Xジェンダー(ノンバイナリー)に分けられます(今は)。


▷SOGIE(ソジー、ソギー)

今はLGBTQよりも、SOGIE(ソジー、とかソギーとよみます)という言葉が世界的には使われ始めました。SOGIEとは、

Sexual Orientation(性的指向
Gender Identity(性自認
Gender Expression(性表現ジェンダー表現

それぞれの単語の頭文字をとった言葉で、性的少数者だけを指す言葉ではなく、異性愛者も含むすべての人の性自認や性指向を表しているので、より自分事としてとらえやすくなるキーワードです。
しかし、日本ではまだこの言葉自体の認知度が低いので、もっと広めていきたい言葉です。

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▷トランスジェンダーいろいろ

FTM(female to male)
元々の身体は女性で性自認は男性。ちなみに僕はFTMです。

MTF(male to female)
元々の身体が男性で性自認が女性。

Xジェンダーノンバイナリージェンダー non-binary gender)
性別は今や、男か女かの2択ではなくなっています。
(*難しい言葉で言いうと【性別二元論】といいます。)

■自分の性別は男女どちらでもない(=無性
■性別は男でもあり女でもある(=両性
■男性女性の中間である(=中性)
■性自認が揺れている(=不定性)


このような性自認を持つ人を、Xジェンダーといいます。

これは日本で生まれた表現で、
外国では第3の性別とか
ノンバイナリージェンダー(non-binary gender)
と言われたりすることもあります。

FTX・MTX
元々の身体は女性で性自認はXジェンダーだと、FTX。
元々の身体は男性で性自認はXジェンダーだと、MTX。

*トランスジェンダー(性別に違和感を持つ人)には、
実は段階があります。
ここの理解は少し難しいです。
ざっくりいうと、
性同一性障害として診断されている人と、
トランスジェンダーというアイデンティティの人がいる
ということになります。


▷性同一性障害(せいどういつせいしょうがい)

トランスジェンダーと性同一性障害は違いがあります。
性同一性障害というのは診断名です。
トランスジェンダーは
体の性と自認している性が一致してない人を指すので、
病院で診断を受けていなくても、トランスジェンダーといえます。

自分の身体的な性に強い違和感を継続的にもっていて、
自認している性別に身体を変えていきたいと強く思う人
を、
性同一性障害(GID=Gender Identity Disorder)と
医学的に診断します。


これは、医学上、病名(診断名)とされているので、
医師の診断が出てからそれを使えるのですが、
病気とか障害という表現に対して
抵抗感を示す当事者もいます。

病院で診断を受けて
治療や法的な手続きまで必要だと感じて実行したい人は
性同一性障害としての診断書が必要になる、
ということです。

最近では、
世界的には「性別違和」という表現に変わってきていています。

WHOが発行するICD-11で
2022年1月からは

「性同一性障害」→「性別不合「性別違和

と変更になって、精神疾患名ではなく、

性の健康に関連する状態

という位置づけになります。

今の段階(2021年)の日本では
「性同一性障害」という言葉のほうが浸透しています。


性同一性障害→性別不合



▷性同一性障害(FTM)の治療

性同一性障害の治療(女性から男性への移行)には、
主に以下の5つがあります。

1.ホルモン治療
2.乳房切除手術(通称:胸オペ)
3.子宮卵巣摘出手術(SRS/通称:ないてき)
4.尿道延長術
5.陰茎形成術


肉体を希望する性別に近づけていく治療のことで、
現段階(2022.2月)の法律で戸籍上の性別を変更する要件に当たる手術を
「性別適合手術(昔は性転換手術と呼んでいましたが、今は変わっています)」といい、当事者の間では「SRS」とか「ないてき」と呼んでいます。

SRSとは
生殖機能を失くすための手術を指します。

FTM(女性→男性)の場合のSRSを、
子宮卵巣を摘出することから、
通称で「内摘(ないてき)」と呼んだりします。

今は、手術(オペ)をしないトランスジェンダーも多くいます。


▷性同一性障害の法的手続き

性同一性障害の法的手続きは主に2つあります。

1.改名
2.戸籍訂正

1は、戸籍上の名前を変えることです。
2は、戸籍上の性別を訂正することです。


長くなりましたが随時修正・追記していきます。

以上です。


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