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第二十八回「戦い、日々負けて。」

隔週のこのコラムはもう自分の生活の中に馴染んでいて
これを書き始めた最初のころなんかは忘れないように
カレンダーに書く日付を記していたのだけれど、今となっちゃ何もしなくても身体が覚えていて今日もこうしてここに何かを書いている。

まだ年が明けて二ヶ月とちょっとの間に起こった自分の中での
さまざまな出来事を処理して吸収して飲んで吐いてという行為をしていると
いつの間にかその違和感とか胸にあった引っかかりなんかがポン!ととれたような感じになってきている。

病み期とかそんな類の言葉じゃ表現しきれないやつと戦って俺は日々、歳を取るのだ。

夜眠れなくなりひとしきり音楽を聴いて泣いたり、
漫画を読んで泣いたり、直近だと高倉健さん主演の名作映画「鉄道員」を観て泣いたりして涙活状態に近い感じになっていた。

病んでるわけでもないのに。

そんな中でバンドは新曲のレコーディングをした。
今回のメンバーや曲のタイトルなんかはまた後日正式に発表になるので
ここには何も書けないが自分の気持ちくらいはここに書いてもいいと思ったので書くことにする。

さて。
今回のレコーディングは気の知れた友達が引き受けてくれて
スタジオ兼自宅の彼の家で行われた。
一般的な自宅とはまるで違うその空間に俺は心が躍り曲に言葉を吹き込む行動をした。
要は歌を録音したのだ。

いろんなことがたった二ヶ月であった2022年の始まりに
大袈裟ながら俺は32年分の気持ちを込めたつもりだ。

まるで自分自身に歌っているような感覚に陥って
自分で自分を応援しているような、応援されているような。
そんなことを思ったりもした。

今、こうして友達が居るって凄く素敵な事で
極楽とんぼの加藤さんじゃないけど「当たり前じゃない」のだ。
この状況。

こうして力を貸してくれる友達が居るからこそ
俺は歌を歌えてそれをみなさまにお届けできるのだ。

だから、俺は今いる友達が超大事だ。
このバンドに関わってる関わってない関係なく。

そんな今回のアルマのメンバーはまた後日。ゆっくり紹介していこうと思う。

この曲を通して思ったのが
「今までもしかしたら俺は誰かの人生をしていたのかもしれない」ということ。
自分の人生ではなく浮き足でそれっぽく誰かの人生だとバレないようにしてたのでは?と思ったのだ。

自分で書いた曲にそんなことを気付かされることが本当に多々ある。
失敗や失望されることを繰り返した俺はそれでもこうして歌を作っているわけだけれど
そもそも音楽をやめてたらみなさまにも出会ってなかったので
俺はまた曲に気付かされて「よっしゃ」と思いながら歌を歌うのだと思う。

怖いこともいっぱいあったし、逃げたいことも超あったけど
それでもこうしてどんなにボロボロでも「やめない」という選択肢を選び続けている点は俺の人生の唯一の自慢なのかもしれない。

あなたに寄り添える歌とか
民衆に期待される歌とか
まじでわかんないけど、俺は俺が作る歌が超好きなのでそれを出来るだけ精一杯届けたいと思う。

それが俺にできることなのだと。思う。

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