あろえ

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あろえ

フロントエンド開発、エンジニアリングマネジメント、スクラムマスターなどをしています。ヘビーゲーマーです。ふりかえりが得意で、書くことが好きです。仕事やゲームでのふりかえりを中心に書き溜めています。

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  • ナナメガキ

    まっすぐ向き合ってナナメに書き捨てる、エンジニアリングマネージャーの思いのたけ。ナナメ読みするくらいがちょうどいい。

  • 猫の声

    エンジニアリングマネージャーの本音。万人にとって良い話ではないし、自分の胸の内を大勢には見せたくないので、有料制にしています。

最近の記事

0でも100でもない、その間から人間味を理解した日

愚かなことに、僕は人間の行動原理を0か100かの両極端に考えがちだ。 最近それに気付かされる出来事があった。 * * * 頼れる友人に僕の大嫌いな(大好きな)目標設定について話していたときのこと。僕はそれまで『人は自分で目標を立てるとがんばりやすい。だから仕事する際にも各々が個人目標を立てるべきだ』という考え方をまったく理解できずにいた。 やる気がみなぎっているときは目標などなくとも頑張れると思っていたし、はたまた溢れる情熱を「何がなんでも〇〇を実現したい」と言語化したと

    • がんばりたい目標とがんばらなきゃいけない目標と、どこかおかしい僕の目標

      今日同僚とこんな話をした。 僕「目標を立てるとモチベーションになるの?」 彼「なる場合もあるんじゃないかな。会社から求められることと、自分がやりたいことのギャップがハッキリして気づきがあるかもしれないし。それを明らかにするプロセスこそが大事なんだろうけど、その結果モチベーションにつながることもあると思うよ」 僕「僕にとって目標とは、自然と湧き出る情熱やエネルギーを言葉に変換しただけで、目標があるからモチベーションになるわけじゃないんだよ。順番が逆」 彼「それはずいぶんとエ

      • 僕が心理的安全性に代わって引き出したいもの

        一時期から心理的安全性というものに懐疑的でいろいろ学んだり実践したりしてきたものの、やっぱりどこか腑に落ちない……。 そう思いながら長年過ごしてきたのだけれど、最近は自然と悩まなくなりました。僕にとってチームの心理的安全性とは結果として現れるものであって意図的につくるものではなくなったからです。代わりに僕がマネージャーとしてチームから引き出そうとしているものは自律性です。 チームメンバー一人ひとりが、チームとして高い成果を出し続けるために自発的に自身の活動をふりかえりアップ

        • 仕事を "丸投げ" しないように気をつけていること

          マネジメント業に就いて間もなくして、チームが自律することにこだわるようになった。マネージャーである自分が業務プロセスのボトルネックになるのは嫌だったし、高いスキルを持つチームメンバーが自律的に活動し続ければ僕には想像もつかない素晴らしい未来に到達するのではと思えたからだ(本気だ)。 チームの自律度合いを高めるために僕にできることの1つは仕事を任せることだ。ただし丸投げではない。 これらは僕が思う丸投げの例だ。仕事を任せるときにはもういくつかの要素を付け足したい。 任され

        0でも100でもない、その間から人間味を理解した日

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          1on1の第3の難しさ

          マネージャーになり1on1を”する側”になってすぐに、第1の壁にぶつかることになる。何を話していいか分からないというやつだ。 マネジメント業をデビューした直後はとりあえず1on1をしなきゃと無計画なまま予定だけおさえ会話がうまくできず後悔したり、「最近どう?」から始まり「特に何も」と返されどうにも盛り上がらない事態に危機感を覚えたりした。 ここで1on1のやり方が書かれた本を数冊読んで、『相互理解』『傾聴』『承認』『フィードバック』に始まり数々の技やフォーマットを知り、それ

          1on1の第3の難しさ

          "やらされる目標設定"との付き合い方、そして目標設定の真の意味

          やれと言われてやる目標設定にモチベーションとしての価値はないし、個人目標の達成度合いで人事評価をするのはアンチパターンだと思うけれど、それでもやれと言われればサラリーマンの僕は目標を設定するしかないし、マネージャーの僕はチームメンバーが正しく評価されるよう目標設定のサポートをしたい。 そんなことを考えながら1ヶ月近く自分と身の回りの人の目標設定に向き合っていたら、ようやく「やらされる目標設定」との付き合い方が少しだけ上手くなった。少しだけ腑に落ちる答えを見つけた。ので書く。

          "やらされる目標設定"との付き合い方、そして目標設定の真の意味

          野心に似たなにかと劣等感。それらが仕事に及ぼしたこと

          自分語りその1。 かつての僕は仕事で人一倍成果を出したかった。認められて褒められたかった。テンポよく昇給したくて30歳くらいで達成したい年収目標があった。 あと強いて言うなら負けず嫌いで、根性と意地があった。 自分語りその2。 子供の頃から「家族ができたら家を買って、家族を経済的に支えて、一般的な水準で快適な暮らしをして、ときどき贅沢をして、家族が習い事や部活や趣味など没頭したいものを見つけたときに遠慮せず取り組めるくらいの金銭的余裕を持っている大人になりたい」と思っていた

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          野心に似たなにかと劣等感。それらが仕事に及ぼしたこと

          スクラムマスターの壁 - 回復志向からの脱却

          スクラムを始めたばかりのチームでのスクラムマスター業は"うまくいかない現状"との戦いだ。 それもそのはず。チーム内外問わず関わる人達のスクラムに対する理解度もモチベーションもまちまちだし、スクラムであろうがなかろうが従来のやり方からの変化には戸惑うのが当たり前なのだ。そういった精神状態のチームメンバーやステークホルダーと共に、プロダクト開発を進行しつつ(成果を継続的に出しつつ)、スクラムを確立させていくためのあらゆる支援をするのがスクラムマスターなのだ。うまくいかない状態をど

          スクラムマスターの壁 - 回復志向からの脱却

          2022年6月のあたまのなか | マネージャーとメンバーの距離感 | マネジメントの資質とスキル

          今月も答えのない悩みが悶々しているので書き出しておく。 マネージャーとメンバーの距離感、メンバー同士の距離感 僕の職場ではwevoxやストレス診断などのコンディションチェックを定期的にしているのだけれど、その結果を眺めていて、昔気になっていたことを思い出した。wevoxの表現を借りるなら『上司との関係』と『チームメンバーとの関係』の数値だ。この2つの数値のうち前者、つまり『僕とチームメンバーとの関係』が後者より高得点になることが多くてモヤってた時期があったので、掘り起こし

          2022年6月のあたまのなか | マネージャーとメンバーの距離感 | マネジメントの資質とスキル

          初めてスクラムマスター業をしたときにだけ味わう苦悩

          初めてスクラムマスター業をやったとき、何からしていいか本当に分からなかった。あれこれ試して失敗した時期があれば、チームメンバーを失敗で振り回すのが怖くて何も試せない時期もあった。 本や有識者の記事を読み漁って、今の状況にちゃんと照らし合わせながら取捨選択して施策を打ったりもした。だけれど手応えがいまひとつで「なんだ机上の空論か」と愚痴ることもあった。 例えばチームビルディング的なアクティビティをしてみたり、レトロスペクティブにてもやもやを言語化してみたりすると、その時は盛

          初めてスクラムマスター業をしたときにだけ味わう苦悩

          「あなたには向いていない」と伝える勇気

          チームづくりをする上での僕の主なスタンスは『背中を押す』だ。具体的には、チームメンバーが何か行動を起こしたとき一番最初にフォロワーとなって、その行動が成功するように付き添う……といった具合だ。場合によっては軌道修正したり別の方向性を示したりするときもあるけれど、基本的には肯定して伴走することが多い。 僕が『背中押すおじさん』になりきれているのは、つまりそのスタイルでチームがちゃんと前進しているのは、チームメンバーが優秀だからなのは間違いない。伴走で事足りるなんて恵まれている

          「あなたには向いていない」と伝える勇気

          2022年3月のあたまのなか | "書く"キャパ | 役割名の良し悪し

          今月も書きます。挫折するにしてもせめて3回くらいは続けないと……と言いたいところでしたが、2月分を書き損ねているのですでに半挫折です。 "書く"ということのキャパ実を言うと、書くことがあまりありません。 評価期間だったので、ほぼ毎日チームメンバーの活動や期待やこれからについてだけを考えていました。ですのでブログ的にはネタ不足です。 ついでに言い訳をすると、評価業務はおそらく一番頭が疲れる業務で、悩む量的にも、書く量的にも、「1人分の評価作業 = ブログ記事1本くらい」の負

          2022年3月のあたまのなか | "書く"キャパ | 役割名の良し悪し

          2022年1月のあたまのなか | オンボーディング | エンジニアの刺激

          マネジメントをするようになって、コードのような目に見えやすい成果が減り、あとから振り返ると何もせずにただただ時間だけが過ぎてしまった無能感に駆られることが増えました。 だからnoteに考えを纏めるようになったけれど、纏まらない考えはいつの間にか雲散霧消してしまいがち。かと言って日記をつけるほどマメでも真面目でもないので、せめて月1回くらいは頭の中の棚卸しをしてみようと思います。エアー壁打ちのようなものです。 過不足ないオンボーディングとは何か去年僕たちのチームはオンボーデ

          2022年1月のあたまのなか | オンボーディング | エンジニアの刺激

          失敗のコスパ、挑戦の計画性

          喜ばしいことに、僕たちのチームでは、新しいことに挑戦しその経験を振り返って学びを得ることを、息を吸って吐くように実践している(やや盛った)。 「試しに〇〇してみていいですか?」「△△をやってみたので、興味ある人フィードバックくれませんか?」といった具合に、気軽に試してみる習慣と、それにフィードバックし合う習慣があるおかげだと思う。 * * * それはそうとして、挑戦には失敗がつきものだ。失敗と言うと大げさだけれど、100点満点の結果にならないことはよくある。それが学びの余

          失敗のコスパ、挑戦の計画性

          100点を目指すより、所与の条件を変えることを目指したい

          僕は決められた条件・環境下で最大限の結果を目指すことが比較的得意だ。というのは嘘で、真実は、「何が条件で何が自分の手の及ぶ範囲か」を無意識のうちに判断して手の及ぶ部分だけを最大化しようとする思考の癖がある。 * * * 例えばマネジメント業務で言えば、今ここに集まったチームメンバーで、今使えるリソースを使って、どれだけいいプロダクト開発ができるかを考えようとする。「もっと時間があれば、もっと人がいれば」とは、思い返すとあまり考えたことがない。 それよりもここに集まったチ

          100点を目指すより、所与の条件を変えることを目指したい

          嬉しかったことを、ちゃんと嬉しかったと伝えたい

          先日、我が家の定期点検がありまして。担当の方には懇切丁寧に隅々まで見てもらって、ちょっとした汚れは掃除までしてもらって、すごく助かりました。都度感謝は伝えられたのですが、具体的に僕がどれほど助かったかは伝えられていません。 似たような例をもう一つ。インフルエンザワクチンを打ちに近所の医院に行ったとき、混んでいて忙しない雰囲気だったにも関わらず、終始笑顔で丁寧な対応をしてくれた受付の方。この方にも、僕がどれだけ居心地良く過ごせて満足しているかを伝えられていません。 会計時に「

          嬉しかったことを、ちゃんと嬉しかったと伝えたい