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微積分の難しさは曖昧過ぎる点にある

微積分を難しくする要因に焦点を当てたいと思います。

前書き

調査に時間が掛かり過ぎて更新があまりできていなかった最中、サポートやフォローを下さった方、ありがとうございました。そして、お待たせしました。

本当は心理学関係の記事も(つぶやきからブログリンクを張る形で)出したいのですが、心理学関係の記事はもう少し時間が掛かりそうです。なので今回は数学関係の記事を出そうと考えました。

概要

今回は(タイトル画像を除き)数式を用いません。今回は微積分の難しさの原因に焦点を当てていきたいと思いますが、これは計算する側が対処できる問題ではないので、微積分にはそういったデメリットがあるのだなと言う程度で問題ありません。

要因1:極限の概念の曖昧さ

微分とは導関数という式から導出しますが、導関数には極限値が用いられる。その極限値の導出方法はと言うと、一言でいうと無視できるほど小さな変数の省略です。

数学は(特に公式を証明する場合は)厳密さや一貫性が命です。数学に厳密さや一貫性があるからこそ、たとえ式が長くて計算量が多くても、一つ一つ計算していけば答えが導き出せるという結果につながるからです。

しかし微積分の導出過程は変数の省略という厳密さや一貫性に反する手法によって計算が追いにくくなり、その結果変な方向に頭をひねる必要がある場合が生じて難しく感じるものと思われます。

道路でも寸断すれば行き止まりになるのと同じように、変数を寸断(省略)することは計算を寸断されるのとほぼ同じなので、その後の計算が行き止まりに面して、結局泳いで渡るかのように変な方向に頭をひねらざるを得なくなるので難しくなるのです。微積分の難しさは、複雑だから難しいのではなく、曖昧過ぎるから難しいのです。

当然省略という曖昧な行為が関わってくるため、コンピュータでの導出も困難です。コンピュータで処理するためには変数を省略すべきタイミングもプログラムする必要があるためです。そのためWalframやCADソフトのような大規模なシステムでもない限り、手計算で済ませられる範囲の式に限定されてしまいます。

要因2:微積分の限界と用途の不釣り合い

では変数の省略という曖昧な要素が関与する微積分は、実際に手計算で済ませられる用途で用いられるのでしょうか?

趣味で用いる程度であれば問題ないかもしれませんが、殆どの場合はCADなど複雑な形状の物体の体積を測りたいとか、観察対象の物体や生物の速度変化を調べたいだとか、電気の関連の公式に用いたりなど、コンピュータで行った方が望ましかったり、コンピュータを使わないと苦しい用途の場合が殆どかもしれません。

そうなると、コンピュータに不向きな処理法でコンピュータ処理を行うという矛盾を抱えることになるので、微積分を業務で扱う現場の人たちはかなり苦労していると考えられる。とはいえ、受験生や趣味で行う程度でそのような徒労を経験することは殆どないようにも思われます。私も経験したことはありません。

代替策

微積分が必要なら我慢するしかない

仕事で微積分が求められる場合だったり、微積分でしか表現できない精度が必要な場合などはそれを使うしかありません。そしてこれらの問題は微積分の性質の問題なので計算する側が対処できる問題ではありませんので、我慢するしかありません。

代替策:和分差分法

趣味で行うなど微積分を用いることが必須ではなく、かつ微積分で求める精度が要求されていないのであれば、微分積分法の離散版である和分差分法という選択肢もありかもしれない。

和分差分法の最大の強みは何といっても計算方法の論理的一貫性です。差分であれば引き算、和分であれば総和、といったように計算手法が一貫しており、どこで変数を省略するかを考える必要がありません。そして変数が省略されていないので、計算を追いやすくなります。

とはいえ微分積分法と比べると計算手数が多くなり、計算結果の式が長く複雑にはなりますので、その点は覚悟する必要はありますが、それでも微積分と違って時間をかけて計算手順を追っていけば導き出せます。

また、和分差分法は有限の細かさでしか扱えないですが、(1g単位を1μg単位にするなど)最小単位を小さくすることで、ある程度精度を高くすることはできるでしょう。

まとめ

  • 微積分の難しさは変数の省略という曖昧さが計算を追いにくくすることから生じる。

    • 省略が関与するので、コンピュータ処理に向かず、手計算にほぼ限定される。

  • コンピュータ処理に不向きな微積分で、コンピュータ処理を行うという矛盾

    • 本当にそれを行う現場では苦労しているものと思われる。

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