息子は住宅リフォーム関係の仕事についていますが、学生時代はよく土木業のアルバイトをしていました。いわゆる土方です。
勉強のノートはろくにとらないのにセメントの配合などは事細かにメモしていました。
学校は起こさないと起きないのに朝早いバイトは自分で起きていました。
まったく〜と思いましたがとりあえず責任感もって仕事はできるんだと思うしかありませんでした。

 そんなバイトをしていたせいで、東日本大震災の時、妹の住む地域が液状化して近所の分まで土嚢をたくさん作ってくれたことは助かりました。
素人だと土嚢に土を詰めすぎると持てなくなりなかなか捗らないのですが、その頃やり慣れていたのか土嚢を二つくらいは平気で持ち上げて積み上げていたのでびっくりしました。

 土方の格好と言えばタオルでハチマキ、ペンキや泥やオイルのついたダボダボのニッカポッカ。
おまけに真っ黒に日焼けして筋肉隆々⁉︎
そんな格好でコンビニに入って行くとちょっと怖くて避けてしまわれそうですが、ある時近所の方に言われたことがありました。

 コンビニの入口でその方と息子が鉢合わせしたそうなのですが、案の定その方は少し避けるようによけたら、息子がドアを押さえたままその方が通れるように待っていてあげたそうなのです。
「一見格好見て怖いと思ってしまったけれどよくよく顔を見たら息子さんだったのよ。優しいのね」と言ってくださいました。
愛想のない息子ですが、とりあえず近所のおじいちゃんおばあちゃんには挨拶しているようで、「お宅の息子さんはこんな年寄りにちゃんと挨拶してくれるのよ」とよく言われました。

 挨拶をしなさいと教えた覚えはないのですが、親が一緒に行動している小さい時に、親が挨拶する姿を見せていたら自然とそうなるのかもしれないと思いました。
そう言えば一緒に行っていた犬の散歩で毎日多くの人に会っていたかもしれません。

 親の知らないところでどんな行動をしていたか知らせてくれたのは、とても有難いことで心晴れやかになったことを思い出しました。

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