見出し画像

鬼太郎のお守り

小学生の頃、オカルトブームの影響でこっくりさんが流行っていました。
何とかしてやめさせようとした担任の先生が、学級文庫として恐怖シリーズの本を教室の棚に何冊か置かれたのですが、その本たちがとてもとても怖かったのです。
こっくりさんで遊んでいる子ども達の背後に動物の悪霊が怖い顔で見つめている絵とか、猫に取り憑かれた少年のマンガとか...トラウマレベルの本のセレクションでした。


多感な少女時代。。。
土曜の午後、私はエレクトーン教室に一人で通っていました。
でも、ある時期から帰り道にうっすら暗くなる感じに怖さを感じ始めました。学級文庫にあった猫に取り憑かれた少年のマンガで、夕方少年が歩いている姿をじーっと見つめる猫の場面が効いていたと思います。

心細かったので、部屋に置いていた鬼太郎の人形をカバンに入れてお守り代わりにすることにしました。なぜかとても心強かった記憶があります。
鬼太郎は背の高さが20センチくらいで、ゲタが脱げやすく、カバンの中でゲタが行方不明になることが多かったです。

「もう大丈夫。怖くない。」
いつもカバンを上からチラッとのぞいたら鬼太郎の顔が見えるように、立った状態になるように楽譜や小物で固定して入れていました。
家族に鬼太郎を連れて行くのをクスクス笑われていたので、他人(特に大人)には見つからないように注意を払っていました。

しかし、当時一つだけ困ったことがありました。
手芸好きの母の凝りに凝った手作りカバンを提げていたので、待合席で他のお母さん達にカバンを褒められ、手にとって見られることがよくあったのです。道でバッタリ出会う近所のおばさんにもです。
「鬼太郎が見えたらどうしよう。」
毎回ヒヤヒヤしながらおばさん達の手に渡った
カバンを見守っていました。
幸い、母の腕の見せどころだったカバン前面のリボンやポケットのふちどりに注目が集中したため、鬼太郎は誰にも見つからずに済みました。



今でも鬼太郎を見ると、昔「守ってくれた!」と勝手に思っている自分がいて、理想の王子様像の構成要素の一部になっているような気がします。
鬼太郎はアニメのシリーズ毎に少しずつ現代風に変わっていきましたが、どのシリーズでも
その時の声優さんの鬼太郎ボイスにキュンとなる自分がいます。

いつだったか(10年以上前?)深夜にテレビで
『墓場鬼太郎』が放送されていました。
テレビをつけたままソファーで寝落ちし かけていて、ふと目を覚ますと、古いタッチの鬼太郎の映像が目に飛び込んできました。放送されるのを知らなかったので、驚いて覚醒してしまった記憶があります。画面から聞こえるホッとするような鬼太郎の声は野沢雅子さんでした。
初期の鬼太郎シリーズの声は野沢雅子さん。
やはり一番好きかもしれません。
あっ!だから悟空にもキュンとなるのかもしれません。


墓場の鬼太郎オープニングテーマ
電気グルーブ「モノノケダンス」もよかったなーー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?