詩『もしも悲しみを取り外せるなら』

もしも悲しみを取り外せるなら
僕はそれをベランダの手すりに置く

野良猫が咥えるか
カラスが蹴り落とすか
それともいつまでも風に吹かれるか

悲しみを取り外した僕は
アパートを出
太陽の色に戸惑う

呪うかもしれない
笑うかもしれない
君の名を叫ぶかもしれない
涙を流すかもしれない

もしも取り外せるとしても僕は
悲しみを抱き続けるだろう
君を忘れないために

君の
あの美しい笑顔を
いつまでも忘れないために

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