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今更ながらゲームオブスローンズにハマった話① ブラックウォーターの戦い編

こんばんは。
青井あるこです。

今更ながらGAME OF THRONESにハマり、挫折期間も含めて約一年かけてやっと見終わった!

去年か一昨年くらいのエミー賞でやたらと取り上げられていたし、海外の知人にお勧めのドラマを聞くと大抵GOTって答えるからその人気ぶりはなんとなく知っていたものの、もともとハイファンタジーが好きじゃないから興味は持てなかった。(ちなみにハリポタもアズカバンで挫折してる。)

だけど2019年にファイナルシーズンが放映されると、毎週TwitterやPodcastで盛り上がっているのを見て、そんなに面白いなら一回見てみようかなぁ…せっかくアマプラも入っていることだし…ということで見始めた。

そう。内容について一切知らない状態で見始めた私。ドラゴンに乗って魔法を使って戦うファンタジー系ドラマとしか認識していなかったから、もちろんあんなに暴力や性的なシーンが多いとは露知らず、実家のリビングで母と一緒に見ていた。それはもう気まずさの極み。

そういうシーンになるたびに早く終われ!!!と祈っていたので、前半はあまり集中できていなかったかも。(笑)

そのあと無事(?)に母は脱落し、私一人で見るようになり、サードシーズンの途中で挫折して数か月放置して、先日ようやく見終わるという長い道のりだった。

学生の頃から海外ドラマが好きでいくつか見てきたけれど、そのなかでも異色だったし一番ハマったかもしれない。

全8シーズンを通して、都市や家間の勢力や一人一人のキャラクターの人生の移ろいを見ることができる。

ファンタジーの要素はおまけというか、風味付けのようなもので(もちろんドラゴンの存在はストーリーの鍵ではあるのだが)、それぞれのキャラクターがどんな思惑で何を成し遂げようとしているのか、そしてその発言や行動がどんな結果に繋がり、またそこから何が生まれて誰に影響を与えるのか…という部分が面白かった。

ここから先はネタバレを多分に含むので、要注意です。

"ブラックウォーターの戦い (Black Water)"

ネッドは汚名を着せられて斬首されるし、サンサの婚約者ジョフリーは外道なサディストだし、いきなり主人公ポジションのスターク家が危機に瀕してひたすら「ツライ…」という感想しか出てこないファーストシーズンを乗り越え、GOTに本格的にのめり込むきっかけとなったのが、セカンドシーズンのエピソード9である「ブラックウォーターの戦い」だった。

前王ロバートと妃サーセイの長子とされていたジョフリーが、ロバートの子ではないのではないかという疑惑に端を発した、鉄の玉座を巡るロバートの弟スタニス・バラシオンとジョフリー(というよりラニスター家)の戦いのシーン。

ここまで散々ジョフリーが嫌なヤツ(という表現では済まないくらいに嫌なヤツ)ということを見せられてきたせいで、スタニス軍を応援しながら見ていた。呪術師メリサンドルにかどわかされている時点で気味が悪いしスタニスもあんまり好きじゃなかったけど、ジョフリーよりはマシという意味で。

スタニスは元密輸業者であり、以前の戦いで軍を飢餓から救った功績によって騎士の称号を与えられたダヴォス・シーワースを再び配下に於いて海賊を味方に付けたり多量の船舶などの戦力を手に入れる。

一方のジョフリーはまだ16歳とかそこらで、人を一方的に虐げることについては天賦の才があるけれどまともに戦ったり人を率いたりした経験はないことに加えて臆病。

これはスタニスに分があるのでは…と思っていたが、一筋縄ではいかないのがラニスター。

兵たちを鼓舞するために戦場で指揮を執ることを望まれても、安全な居室へと戻ってしまうという体たらくを晒したジョフリーに代わって、ティリオンが前線に立ち、予め用意しておいたワイルドファイアを炸裂させてスタニスの船団を撃破。泥の壁をよじ登ってきた敵とも勇敢に戦った。

一方でサーセイはキングスランディングがスタニスの手によって落とされることを予感し、王都が陥落したあとの自分や子供たちの処遇を思って、死ぬことを選ぼうとする。幼い息子のトメンを膝に抱いて鉄の玉座に座り、自らに準えたライオンのおとぎ話を聞かせ、トメンに毒を飲ませようとする。

好きポイント①
スタニスとティリオンがそれぞれ立ててきた戦略がこのエピソードでぶつかり合う。視聴者である私は、スタニスが海軍を集めて来た過程も知っている。ティリオンが背に腹は代えられないと忌まわしいワイルドファイアを使用すると決めたことも知っている。

その二つが衝突したとき、どうなるか。
それがこのブラックウォーターの戦いのエピソード。

結果的にティリオンの戦術のほうが優れていて、スタニスの海軍は壊滅状態に追い込まれる。真っ暗な海にエメラルドグリーンの火柱が上がり、船団が燃えていくシーンは迫力満点だった。

スタニス軍のほうが勝つ、もしくはキングスランディングの中まで攻め込むだろうと予想していたから、あっさりと船が焼かれてあっけなく多くの兵士やダヴォスの息子まで死んでいくのは、驚きというか、「ちょっとまって!」という感じで、そのあっけなさこそがリアルで面白かった。

せっかく整えてきた戦力もちょっとしたミスで崩されたら、もう元の威力は持たなくなる。

好きポイント②
なんと言ってもサーセイが良かった。ブラックウォーターで男たちが戦っている間、貴族の子女はレッド・キープ内の小部屋に隠れているのだけど、ワインをたくさん飲んだサーセイがサンサに、妃や女としての苦労を嫌味っぽく語る。もしもラニスター軍が負けて敵に捕らえられたらただ殺されるだけでは済まず、辱めを受けるということを分かっているサーセイがその恐怖をワインで誤魔化しながらも少し自棄になっているようにも見える。そして将来はジョフリーの妻となるサンサに、自分が味わったのと同じ妃としての苦しみを味わわせたい、そしてその苦しみから逃れるために自分がしてきた褒められないことを彼女にもさせたい、と思っているようだった。サンサを怯えさせることで安心しようとしているようにも。

けれど以外にもサンサは気丈で、絶対ジョフリーのことを恨んでいるはずなのに決して言葉にはしない。発言にしてしまえば自分の立場がより悪くなることをわかっているから。
最終回まで観たあとだと、この場面の時点で二人の妃の未来が示唆されているようにも感じる。

自軍の負けを悟ったサーセイは敵に殺される前に自害しようとトメンと心中しようとする。あの鉄の玉座のシーンが大好き。

サーセイはラニスターやバラシオンが敵を打倒してきた様を見ているし、ときには自分や家族を護るために他人を犠牲にしてきた。常に勝者が敗者にしてきた酷い仕打ちを見たり感じたりしてきたからこそ、彼女は幼い息子とともに死ぬことを選んだのだと思う。当然自分たちがこれまで酷いことをしてきた分、やり返されるだろうしね。

死ぬしかない、自分の手で何もわかっていない幼い息子を殺さなければいけないという母親としての苦悩と、敵の手には落ちるものかという王妃としての高潔さが混在していて、サーセイというキャラクターの”冷酷な女王”以外の側面を見ることができる。タイウィンが鉄の玉座の間に入場し勝利を宣言したときにはほっとした。

ネッドを殺したことでラニスター家を嫌ってはいたけれど、思えばジェイミーがブランを突き落としたときにも、ジョフリーがネッドの首を刎ねたときにも、サーセイは反対していた。そこにも彼女の母性と政治的な頭の良さを感じた。

そこから最期までサーセイはお気に入りのキャラクターだった。
お気に入りだからと言って積極的に応援はできなかったけれども。(笑)

このままだととても長くなりそうなので、一旦この辺りで終わりにします。
(勢いで書いてしまったので、そのうちこっそりと書き直すかも…。)

それでは。


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