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ポンコツなりに生きていたら昇進の話をいただいた女の話。

昇進の話をいただいた。
なかなかのポジションだ。

そんな事を書くとさぞかし仕事の出来そうな人に見えるがそうではない。

今回このお話をいただいた理由はおそらくその逆だ。

これはポンコツな女がポンコツとして生きていたらなんだかいい方に転がった私の体験談。

私は会社員として働いている。
勤続13年のいわゆるお局だ。

随分と前から管理職という立場でメンバーの管理をしながら少しずつキャリアアップして今に至る。

さて昇進の話だが、実は前回のキャリアアップを私は少し後悔している。

2年前に泣き落としされ、しぶしぶついた今のポジション。

例えていうならば、役者として生きていきたかったのに助監督になっていた。
みたいな…
畑違いのようなそんな立場だ。

同じ時期に一緒にキャリアアップした同僚は人柄もよくて仕事もできるかなり優良な人で、期待以上の仕事をする人間。

いっぽうわたしは“女は愛嬌“という親の教えを胸になんとか生きてきた根はポンコツな人間。

立場だけは上がったけれど、重要な仕事は私にはさほど回ってこず、とりあえずその辺にある仕事をこなしながら生きてきた。

助監督になったのにエキストラとして生きているような感じだった。

数ヶ月経ち同僚の妊娠が発覚。
そのまた数ヶ月後に私は1人になった。

あんなにも出来る人の代わりが私に出来るだろうか。

残された部下達が不憫で仕方がなかった。

もちろん上司もいるし同じポジションの人も近くにいたので完全に1人というわけでは無いけれど、2人で分担していたものが一気に自分に押し寄せてくる現実。

これまで私には相談が来ることのなかったなんかよく分からない数字の話や数式の話なんかも舞い込んで来るのだ。

あれから約一年。
一体どうなったのかというと。

周りがめちゃくちゃ優秀になりました。

今では各々が考え阿吽の呼吸で手分けしてサクサクと仕事を終わらせてくれる。

みんな今まで出来なかったこと、手を出せなかった事がどんどん出来るようになっていった。

この子こんな事も出来るんだ!とビックリする日々である。

完璧な人の側だと遠慮して手が出せない。
自分より上手く早く出来る人がいるからその人がやったほうがいいなんて思ってしまう。

完璧ではない人の側だとやるしか無くなる。
結果スキルアップする。

まさにこんな感じ。

これって子育てにも通ずる事があるよね。
先回りするよりも自分でやってぶつかって分かることってある。

これはひとえに私が優秀すぎる人材では無かったからこその副産物だと思う。

もちろんわたしだってボーッと生きて来たわけではない。

よくわからない数式の意味も少しは分かるようになったし、先日ハイパーリンクを習得しなんだか格好いい資料を作れるようにもなった。

ここからは頑張れた事、頑張ろうとしている事をその理由と共に綴っていく。
当たり前にみんなしている事かもしれないけれど綴らせていただく。

①自分のキャパを知っているからキャパを超えそうになる手前で人に頼ることが出来た。

私の上司はすごく優しくて仕事もできる人だが、気を遣って仕事を自分で抱えるところがある。
だけど結局追いつかなくてギリギリに仕事を投げてくる事も多分あり。
焦っているので依頼の仕方が雑になり、結局意図が伝わらず作り上げたものをやり直しする羽目になったりする。
仕事のゴールを伝えずにアレやって!だけ伝える事ってほんとに無駄が生じる。
「フワフワのパンケーキを作りたいから粉と卵を買ってきて」といえば良いものを「とりあえず粉と卵12時までに買ってきて」とか依頼しちゃうからお好み粉とか買ってきちゃうのよ!
キャパオーバーになっている自分よりも優秀な部下たちが揃えた素材を料理するほうがいい事ってかなりある。
だからキャパ超える前に見切りをつけて人に頼るほうがいい。

②依頼しっぱなしではなくちゃんと手帳にメモをして途中経過を確認した 

依頼したまま放置していたら納期を過ぎていた。
部下が作ったものが思っていたのと全く違っていた。
そんな事ってよくある。
私は依頼した時、手帳に“途中確認の日“も書き添えておいてその日に声掛けするようにしている。

③部下が頑張ってくれた仕事をちゃんとみて声をかけた


これよ!これ!
うちの上司はめっちゃ良い人でよく褒めてくれるんだけど、何せもの凄い仕事を抱えているから提出した資料をよく見ずにそのまま依頼のあったところに提出してたりして…数日後に「こういう資料が欲しいんだよね」なんて言ってくる事がある「ねえ!この間作りましたよね!めっちゃ頑張って作りましたよね!わたし!」
これめっちゃ気分落ちるからね…
一言褒めるとか感想言うとかやってくれよー。
私もなんども部下にやっちゃったけど、今は気をつけている。

④仕事の結果をみんなに伝えた

これも③と似てるんだけど、作った資料を提出した後それが何に使われてどんな反応だったのか分からないと全く達成感がない…
だから作ってくれたものがこんな風に活用されてこんな反応あったよって伝えた方がいいと思う。

⑤困っている事やよく分からないことは正直にメールなどに書いて全員宛に相談した

仕事に行き詰まった時、答えが出ない時。
悩み続けて時間を溶かすより誰かの意見を聞くと道が開ける事がある。
コレをこうしてここまでやったけど壁にぶち当たりました。助けてください。なんてメールをしてみるとなかなか斬新な答えが返ってきたりする。
メールで相談する事で、答えを出せなかった傍観者達も、迷った人の苦悩と斬新な意見を目にする事で失敗例と成功例を同時に知ることが出来る。
その結果出来た仕事や資料を見るといつの日か同じような壁にぶち当たった時に思い出せるかもしれない。

⑥迷った時は人として正しいか間違っているかで判断した

時折、大きな決断やトラブルへの対処をする事がある。
大抵は上司や近くの同僚にも意見を聞くのだが1人の時はそうも行かない。
そんな時はいつも人として正しいか。
もっと分かりやすく言うなら怒られないか。
を起点に考える。
クレーム対応なども同じでマニュアル通りや形式ばった対応をするよりも人として相手の立場に立ちつつ普通の言葉で伝える方が良かったりもする。

⑦上司にもちゃんと意見を伝えた

上が色々と間違えると結局被害を被るのは部下だったりする。
悶々としたまま仕事するのはなかなかのストレスだからサクッと伝えてサクッと切り替えて仕事する方がいい。


模索しながらポンコツなりにやってきた結果、何だかいい感じに進みなんか表彰とかされたりして結果昇進の話が舞い込んできた次第だ。

しかし今回の昇進はお断りする事にした。
年齢的なこともあり介護やらも気になって、そろそろ地元に戻ろうかと言う話もでているし。

どうしてもそのポジションのやる業務に興味が持てない。

お局の私に出来る事は優秀な部下を育てて私の上司にする事だ。 

これからはそんなミッションを胸に働くことに決めた。

自分でやった方が楽なことを人に教えるのはなかなか面倒だったりするけれど、相談されてもやり方を教えるスキルがなくて結局全部潰して自分でやっちゃって、あぁ〜、部下の頑張りを全て壊しちゃったな…なんて凹む事も多いけれど。

子供の頃からお節介タイプの私には結構合っているのかもしれない。

まもなくあの優秀な同僚が育休あけで戻ってくる。

優しい彼女はハイパーリンクをマスターした私をきっと褒めてくれるだろう。

ハイパーな相棒にすぐに色んな仕事を奪われていく心配も無くはないけれど、安堵の気持ちの方が大きい。

こうして振り返る事でなんか自分も頑張ったな…なんて思ったりしている。
書くことっていいよね。

ポンコツだからと腐るより、ポンコツだけどと時に自分を褒めながら地味だけど個性的な花を咲かせられたらなと思っている。

そんな年度初め。
そんなポンコツの通信簿。

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