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私が私になるまでの物語〜高校編〜鉄砲玉のようなわたしの高校時代


高校生になったわたしは新しい友達やファッションと出会い中学とはまた違うたくさんの経験をした。

高校編①はコチラ


わたしはあまり学生時代の青春めいた思い出を持ち合わせていない女だ。

時々ドラマで泣きながら円陣組むみたいなシーンを見たりするとあぁこんな青春は私には無かったな…と少し損した気持ちになる。

高校時代は完全なる帰宅部だった。
入学してすぐにハナとパン屋でアルバイトを始め3年間みっちりと働いた。

朝、パン屋で品出しをして放課後またパン屋に帰っていくような生活だ(別にお金に困っていた訳ではない)

廃棄になった大量のパンがぎっしりと詰まったビニール袋を抱えて高校に行き友達に配っていた若き日の私。

パンを食べすぎて暫くパン嫌いになるほどにパン屋女子だった。

阪神淡路大震災が起きた時、わたしは高校生だった。

わたしの家は被害はさほど大きくなく、何故か当時家にあったスロットマシーンが倒れてコインが散らばる音が凄かった事と、倒れたものを起こそうとすると父が「起こしてもまた地震が来るかもしれないからそのままにしてもう一回寝よう」と言って暫くコタツで眠った事を覚えている(父の危機感の薄さ半端ない)

その日学校に行く前にパン屋の前を通ったら
「震災の影響で多分パンがたくさん売れるから学校が終わったら来てほしい」
と店長に言われた。

地震で水道管が破裂したということで早々に学校は終わり、パン屋に行くと見たこともない人数の人が押し寄せていてあっという間に全ての商品が売り切れた。

ジャムをこんなに買ってどうするのだ?というような人もいた。
クリスマスから売れ残っていたシュトーレンも全部一瞬で消えた。

生きる為に食糧は大切で、それを奪い合うようにして買っていく人たちはちょっと恐ろしく、地震直後に大量にパンを焼いて物凄い売上を叩き出した店長のガツガツした姿もちょっぴり恐ろしかった。

後に大人になった私は震災の跡地に住んだ。
そこには古い建物なんて一つも無く、全てが震災後に建てられた家や店だった。

その事実を知った時、わたしがパン屋で過ごしていたあの時間に沢山の命が奪われたのだと思い暫く呆然とした。

夏休みや冬休みにはフルタイムで働きまくっていたので、わたしは高校生にしてはお金をたくさん持っていた。

学校の友達よりもバイト先の社員さんと過ごすことが多かったので、多分わたしはピチピチすることの無いちょっぴり冷めた学生だった。

ショッピングに外食にカラオケ。
当時のわたしの手帳にはギッシリと遊びの予定が詰まっている。

オールナイトでカラオケに行ったり友達の家に泊まったりと家に帰らない事も多かった。
ちなみに当時よく歌っていたのは
My Little Loverの アリス 
JUDY AND MARYのOver Drive

ある日姉とショッピングに出かけた帰り道に姉の元に母から連絡が入った。

時刻はまだ20時にもなっていなかったはずだが、母は帰りの遅い姉を心配して電話をして来たらしい。

「え?お母さんそんな電話かけてくるの?」

わたしは驚いた。
わたしにはそんな電話をかけてきた事は無かったからだ。

後に聞いた話だが、母は私のことを鉄砲玉のようだと思っていたらしく結婚する前の両親の顔合わせで「この子は出て行ったら帰ってこない鉄砲玉のような子です。だからどうぞ差し上げます」と謎の発言をして私をヒヤヒヤさせた。

自由気ままに伸び伸びと過ごした高校時代。
先日その当時の手帳を発見し日記をみると

「靴下が両足柄が違っていたので今日は学校を休んだ」そんなことが書かれていた。

そのほかも全く勉学にやる気のないエピソードがたくさん。
あれは娘に見られる前に焼き捨てなければいけない。

決して私は不良のような派手な人間では無かったのだけれど、一度だけ警察に補導されたことがある。

通学中にハナが「そうだ!嵐山に行こう」とCMのような事を言い出した。

「嵐山なら修学旅行生と間違えられるから大丈夫だね」そんな事を言っていたのに、乗り換えの途中で警察に声をかけられた。

母親は学校に呼び出されるわ、反省文は書かされるわ、すぐにクラスメイト噂は広がるわ…

地味な女に似合わない行動が、何だかとても恥ずかしかった。

後にも先にも警察に声をかけられたのはこの1回だけ?いやまだあった。

初めて原付に乗った日に警察に声をかけられた。「免許を見せなさい」と言われ提示すると
「持ってるのか…気をつけて運転しなさい」
と言われた。
よほど危なっかしかったのだろうか?

初の運転があまりに怖すぎて半泣きで友達に電話をして、迎えにきてもらい原付で家まで先導してもらった懐かしい思い出。

ホンダのジョルノだったかな?
黄色くてポテっとした丸いフォルムの原付が私の愛車だった。

あとは海外のビーチで警察に…この話はいつかできるかな?

地味な女は少しずつ大人になり、人生初のデートや人間関係の挫折を味わったりもしたのだが、それはまた次回。

雨音

#創作大賞2023

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