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私が私になるまでの物語〜高校編〜ファッションとの出会い


素朴な少女だった私はいよいよ高校生になった。


素朴な幼少期はコチラ



私が入学した高校の学歴は中の下といったところだろうか。

公立に行ければそれでいいと思っていた私は友達から定員割れという言葉を聞いてそれに食いついた。

受験人数が少ない分、合格率の高い高校があるというのだ。

私はその甘い誘惑に吸い寄せられるようにしてその学校を受験した。

私にその情報を教えてくれたその子は当時殆ど話すことは無かったのだが、志望校が同じ数少ない女子としてそこから仲良くなった。

その子は受験勉強もそっちのけで、お守りとして持っていたトロール人形の髪を撫でる事に夢中な変わった子だった。

受験の日にその友達が廊下でとても可愛らしい女の子と立ち話をしていて、私にその子を紹介してくれた。

これまでに見たことのないような女優みたいな女の子で、その子と過ごす学生生活を想像してはニヤニヤしながら受けた入学試験。
あんなに可愛い女の子と過ごす未来…

私はつい空想の世界に入ってしまい、気づいたら終了時刻が迫っていてもの凄く慌てた事を覚えている。
見直しする時間も無くて、本当落ちたと思ったよ…定員割れ万歳だよ。

小さな頃から私はすぐに空想の世界に入ってしまう女の子だった。

この妄想力は後に私の人生にはなくてはならない特殊能力になった。

妄想力は最高の武器だ(知らんけど)

無事にその学校に入学した私。

トロール人形の髪を撫でていた同級生と同じクラスになりそこから彼女とますます仲良くなった。

ここからは度々その子の話が出てくるが本名は晒せないので、彼女のことを「ハナ」と名づけることにしよう。

高校生になって初めての遠足は私服での参加だった。

遠足の帰り道、ハナに「柄物と柄物を合わせるのって普通は変だけどその組み合わせは良いね」と言われた。

チェックと花柄を組み合わせていた私。

服を着るのにそんなルールがあったなんて!
驚愕の事実だった。

周りの人は「あの人柄と柄を合わせてる」
なんて後ろ指を指していたのではなかろうか…

柄と柄を合わせちゃダメなんて…

お母さんお姉ちゃん、なぜ教えてくれなかったんだ。

それが私とファッションとの出会いである。

その後わたしはファッション誌というものを初めて購入した。

ハナは『Seventeen』
わたしは『ピチ レモン』
学校に行く前にまだ開く前の本屋に駆け込み誰よりも早くその雑誌をもって学校で読んでいたあの頃。

私のファッションへの興味のピークは高校時代と言っても過言ではない。

ヘソを出したり驚くほどに短いホットパンツを履いてみたり、フェイクレザーのスカートとかね…

後に「服選ぶの面倒臭い、許されるなら裸で歩きたい」が口癖の大人になるとは、あの頃の私はまだ気づいていない。


オシャレを諦めた私の話はコチラ



毎度おなじみの髪型の話をしよう。

高校時代を境に私はあんなにもおばあちゃんに止められていたショートカットになった。

高2ぐらいまでは長めのロングヘアーだった私。

当時シャギーカットが流行っており、私も流行りに乗っかった。

美容院でウトウトと眠り、目覚めたらなかなかの斬新なヘアーになっていたのだ。

重すぎるパッツン前髪に耳ぐらいの所で不自然に段が入っている。
ファンキーなかぐや姫のような髪型だった。

わたしはそれが嫌で嫌でたまらなくて駆け込むように翌日別の美容院に行った。

「この段をどうにかしてください」
そう言うとショートカットにするしかないと言われ進められるがままにその提案を受け入れた。

ウトウトして目が覚めるとベリーショートになっていた。

ドヤ顔で合わせ鏡を見せてくる美容師さんに苦笑いをして足速にその店を出た。

髪型が変わった事でそれまで愛用していたキティちゃんのトートバッグが全く似合わなくなってしまい、その足でL.L.Beanのリュックを買った事を鮮明に覚えている。

翌日学校に行くと色んな人に囲まれた。
みんな口を揃えて心配そうに「失恋したの?」と聞いてきた。

別のクラスの人が数名見に来るほどにロングからのベリーショートは衝撃だったようだ。

失恋ではない事を伝えると皆んなが似合っていると褒めてくれた。

あんなにも沢山の人に褒められた事は無かったのできっと調子に乗ったのだろう。
そこから私は今に至るまで殆どの時間をショートカットで過ごす事となったのだ。

それもこれもかぐや姫へやーにしてくれたあの人のおかげ。
美容師さんよありがとう。

自分の顔に多少のコンプレックスを抱いたのはこの頃だった。

母が可愛い可愛いと育ててくれたお陰でそれまでは気づいていなかったのだが、ファッション誌を読んでいた私はある日気づいた。

二重にする為のメイクレッスン!
鼻を高く見せるコツ!

どの雑誌にもこんな特集が組まれている。

私は美人薄命という言葉に恐れた事は無い。

イメージしやすくいえば、平安時代ならモテただろうな…そんな顔だ(知らんけど)

ハナはとても可愛い子だった。
当時人気だった女優さんによく似ていて「○○さんですよね…あっ全然違う」なんていう場面にも何度か遭遇した。

たしかに彼女はパッチリ二重で鼻がすごく高かった。

あら?
私って?

その時の衝撃を当時宿題に出た作文に書き連ねた事をぼんやりと覚えている。

なぜ目は大きくなくてはいけないのか!みたいな内容だったような…

そこから私はハナに習って化粧を学んだ。

基礎化粧品やメイク道具も高校時代が1番お金をかけていたかもしれない。

アイプチにまで手を出したのだ。

しかしながら、いくら糊を貼っても私の目蓋は形状記憶のように何事も無かったように一重に戻っていくし、汗や水に怯えるのも嫌になって結果、やめてしまった。

(一重の皆さん鼻低めの皆さんごめんなさい。
今は自分の顔が嫌だなんてこれっぽっちも思っていません。
虫が目に入る確率も睫毛が目に入る確率も低いし、事故で顔を強打した時も鼻は無傷だったし、あっさり顔好きです。可愛い人もたくさんいるし、あと私は誰も気づいてくれないけれど一応実は奥二重です)

オシャレに化粧。

こんな事を書いていると、さぞかし派手でイケている高校時代のように見えるが、素朴で純情なわたしの事なのでご安心を。

誰にも持て囃される事もなく、かと言って呼び出される事もなく、ただひっそりと陰日向に咲いていた。

時々変な方向に花粉を飛ばして謎の花を咲かしていただけだ。

私が高校時代、どんな花を咲かせたのか…
まだまだ書けることが沢山ありそうだ。

はじめての喧嘩?
はじめてのデート?
警察に捕まった?

私が私になるまでの物語は長期戦になる予感。

続きはまたすぐにでも。


雨音

#創作大賞2023

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