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旅路と雑記(5月下~6月上)

さいきんは、福岡に行ったと思ったら大阪に行き、束の間の茨城訪問かと思ったら気づいたころには沖縄にギュイーんと飛んでいて、家らしきところに帰ってきたはいいものの本当のところわたしの家はどこなんだろうかと思っているうちに今度は仙台へ発つなどして、水槽とクレマチスというアイドルグループに身を置きながら、みんなといっしょに旅やライブをすすめている。
今週は北海道に行く。


この一連の旅のすごいところは、こんなにもわくわくする目まぐるしさがあっていいものなのかということと、楽しかったなと思ったときは楽しかったと言うし楽しかったなとあまり思わなかったときは楽しかったとは言えない自分がハッキリと楽しかったと言い続けられているということだと思う。
本当にすごい。
体育祭も文化祭もクラス内のレクリエーションも遠足も、とにかく、4人や5人以上で行うあれこれがことごとく憂鬱だったわたしにとっては嘘みたいな感情で、何かこのあと特大に良くないことが起こるんじゃないかと少しおびえている。


旅先から東京に戻ってきて(東京に帰るというのはまだ不慣れすぎるから戻るって言っちゃう…)、洗濯機にたいりょうの洗濯を落とし込むとき、ああもしかしたらここは自分の家かもしれないぞと前よりは少しだけ思えるようになった。
洗濯というのはあまりにも生活だし、生活をするには家がいちばん安全な気がするから。
自分の家というのはこうやってできあがっていくのかなあとか思う。でもやっぱり名古屋の家にはいつでも帰りたい・・・。


この数ヶ月のあいだに、わたしは行ったことのない場所へ次々と足を踏み入れていて、沖縄もそういう土地のひとつだった。
時間の流れが独特で、夜風がきもち良かった。
人や空のおおらかさが印象的だった。
ライブが楽しかった。
あとは、“沖縄の木”が沖縄には本当にたくさんあるんだ・・・というのがよくわかった。

何日目かの夜に、こじんまりとした古くて味のある沖縄料理のお店に入った。
メニュー表がなくて、大きなジュークボックスがあるごはん屋さんだった。
お客はわたしたちだけだった。
店主のおじいちゃんがいろんな話をしてくれた。
慣れ親しんだ地元を離れ東京という恐ろしい夢や欲のかたまりみたいな地に住んでいるわたしや、さらに今はその東京から全く知らない沖縄という場所に何かへ進んでいきたい意欲をもちながら訪れているわたしにとって、そのおじいちゃんのお話はひとりの人間の何気ない昔話でありながらも、とてもとても意味のあるもののように思えた。

たまたま会ったまったくの他人の人生や、そこに付随する他人の感情を、生の声を介してのぞくことで、あんなふうな愛おしくて切ないきもちになることが不思議だった。
泡盛をすこしずつ飲んでちょうどよくふんわりとした頭でそういうことをぐるりとかんがえた。そういうことをかんがえること自体、お酒のせいだったのかもしれないけれど。

帰り際、水槽とクレマチスの名前を伝えたとき、おじいちゃんが何度も口に出して復唱をしていてかわいかった。
でもその行動にはちゃんと意味があって、「紙にメモしたりするのはずっと引きずっちゃうから、ここ(頭)にだけ入れとく」ということだった。
店内のあたたかい静けさと、おいしいごはんと、角のほうに乱雑に置かれた雑誌やダンボールと、さっきかけてくれたレコードと、夜と、音と、匂いと、明日と、そういうものがぜんぶどっと来ながら、おじいちゃんのその言葉が何らかのトリガーになって心がジュワっとなり、なんだかわからないけど、とても泣きそうになった。泣きそうになっちゃったね、ってお店を出たあと、まのちゃんとも話した。
2人とも泡盛を飲んでたからかもしれない。

その足で、お土産屋さんに行って閉店時間ぎりぎりまでいっしょにミサンガを選んだりもした。
総合して、どう考えても良い夜だった。



仙台もはじめて行く場所だった。というか、この前行った茨城県よりも北の方の日本には行ったことがなかったから、はじめての東北地方でもあった。

緑が多くてすごくきもちよかった。
道に余裕があった。
のどかだった。
なんか街のすべてがちょうどよかった。
ライブが楽しかった・・・・・・・

誰かや何かに甘えた上でのみ確立されてる気がする状態の現状はこわくてこわくて仕方ないけど、一方ではその最中もどうしたって楽しい思いになってしまうのも紛れもない事実で、だから、頑張るしかないぜって、いつも言ってるし思ってる。
旅を重ねるたびにむくむくと心からそう思う。

それにしても(しつこいと思われても仕方ないけれど)、八木山ベニーランドの水鉄砲たのしかったな・・・。あのアトラクションスルーしてる人たちどうかしてるよ。
八木山ベニーランドの水鉄砲というのは、八木山ベニーランドという仙台の遊園地の中にある有料のアトラクションのことで、設置されてる水鉄砲から出る水の圧を使い、愉快な兵隊さんのおもちゃみたいなやつを回したり持ち上げたり動かしたりするやつです。
ああ水鉄砲またやりたいな。
観覧車も乗りたい。
ジェットコースターも別にまた乗ると思う。

あとは、瑞鳳殿行く途中の緑のトンネルみたいになってる道もすっごいよかった。
坂過ぎだったけど、よかった。
みんなが水クレグッズの旗持ってるのもかわいくてよかった。
ぜんぶよかった。

最初に行った福岡もその次の大阪ももちろんよかった。
色んな場所でライブをして、その場所でしか会えない人に会えたりすることもとても楽しい。
行く場所が増えるごとに曲が増えるのも楽しい。
「ここでやったこのライブ」というのは、二度となぞることができないのも面白くて楽しい。


面白くないことや楽しくないことやよくないことはこれからももちろん生きているかぎり起こるかもしれないけど、こうやってよかったこと楽しいことがいっぱいストックされていくと、少しお守りになる。

みんなといっしょに旅ができていて、会話ができていて、うれしい。
まだ旅が続けていけそうで、うれしい。

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