「マイペースに編集の道をゆく」⑧

 東京で約20年間編集者・ライターの経験をつみ、5年半前故郷広島に戻ってきた。そんな私は昨年6月からフリーペーパー「甘茶手帖」を作っている。

 一番身近な地元の呉市をテーマに、好奇心の向くまま、気になる人、お祭り、お店を取材して、姉と2人で制作している。

 1年間で6号まで制作し、思いや理想を持って活動したり、店舗経営している方々と出会い、街に住んでいる人の顔はよく見えてきた。1年間続け、手応えを感じ始めたころ出合ったのが「一箱古本市」の広島版。

「一箱古本市」はライターで編集者の南陀楼綾繁(なんだろう あやしげ)さんが発案し、4年前から東京・不忍通りで開催している。「1人、段ボール一つ分の古本を持ち寄り、販売する、即席の古本屋ごっこ」だ。

 5月に広島市内で初めて開催された時にはフリーペーパーを持参し、参加した。東京から参加された南陀楼さんをはじめ実行委員会の方など本好きの方々との出会いはフリーペーパーのこれからを考えるきっかけになった。

 思いだけで始めたフリーペーパーだけど、編集を一生モンと思っている私には、次へのステップを意識しないわけにはいかない。

 フリーペーパーの次と言えば話題のリトルプレスだろうか。個人やグループが制作、発行、販売まで手がけ、地元のよさを地元民の目線で伝える冊子は全国各地に存在し、東京の大手書店にコーナーがあるほどだ。

 これからも少しでも理想に近づけるよう、マイペースに編集の道を歩いてゆく。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?