「マイペースに編集の道をゆく」⑦

 ひと口に「編集者」といっても、週刊誌と月刊誌、雑誌や書籍、新聞などの制作するものによって仕事内容や作業は異なる。

 私は5日発売の月刊誌の編集部に在籍していたので、時間の余裕のある月末はOLの生活と変わりがなかった。月が替わるとカラーの入稿が始まり、10日までに取材を行い、15〜25日の間でライターやカメラマンに原稿や写真をもらい、ゲラを作り、校正をして版下へと完成させる。後半になるにつれて作業は遅れ、早朝に終わる日々。だけど、そんなドロドロの状況でも、当時の子ども番組「ウゴウゴルーガ」は編集部でよく見ていた。

「編集者はカッコいいと思われがちだが、実は80%が雑用で、地味でストレスのたまる仕事」と何かに書いてあったが本当にそうだと思う。コツコツとした地味な作業は多い。

 私の記憶に残っている地味な作業は、デビュー間もないある女優の「スタッフによる作品解説」。5本のドラマ・映画、14本のCM出演、その全制作スタッフからのコメントを、ある時は電話取材も行い、一人で必死に集めTA。あるミュージシャンの全32曲の解説・感想文WO、そうそうたる作家や漫画家、映画監督ら32名からいただいた時も、なかなか終わりが見えず、心が折れそうになった。

 地味な作業は中心の仕事だけど、完成した雑誌を手にした時には生みの苦しみなんて忘れていた。

 そして、濃厚な全32曲解説を「書籍並みだよ!」と絶賛された時には、次への意欲がわくばかりだった。



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