2019年の緑地帯4

 編集部にいたころの一日のスケジュールはだいたい11時頃に出社。そこでお昼をすませて午後から取材や打ち合わせ。それが終わって編集部に帰ると夕方から原稿受け取りや入稿作業。そして、深夜まで校正などの作業をして終電に間に合わない場合はタクシーチケットをもらってタクシーで帰宅する、という感じだった。

 もっとも本が発売日に書店に並ぶ頃には11時に出社、19時に退社という普通のOLのような勤務体制も月の3分の1くらいはあった。

 19時には退社できるときや夕方編集部で校正などの作業があるときなども、コンサートが始まる18〜20時くらいは校正者の方にゲラチャックをしてもらっている時間帯なので、待ち時間があり、よくコンサートに足を運んでいた。

 もともとミュージシャンを取材することも多かったので、彼らのライブを観ることも仕事のひとつ。創作したときの気持ちや想いを聞きながらライブを観ないなんて失礼にもあたる。私は学生のころから音楽が好きで、ライブ鑑賞も好きだったので、それが仕事になり、うれしいばかりだった。

 私が仕事を始めたのは90年代に入ったばかりのころ。そのころにデビューしたのがスピッツやミスターチルドレン。ライブに通い、それぞれのボーカルの連載エッセイの担当にもなった。90年代。もっともCDが売れた時代にもっともCDを売っていたふたつのバンドを担当していたことは、今思い返してもニヤニヤしてしまう。







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