文化服装学院の授業① 服装造形

こんにちは。松本恵実です。
今回は文化服装学院での授業についてお話しします。

私が在籍している服飾研究科は、文化服装の学科編成の中でも服飾専門課程に含まれています。
「服づくりの基礎から応用までを学び、ファッション全体を総合的に理解する。」とあるように、服づくりの授業を中心としつつ、服作りの前知識としてのデザインや素材、さらにはファッションの歴史やビジネスについて学ぶための授業が組み合わされています。
実際、時間割は次のようになっています。

月:1~4 服装造形
火:1 ファッションビジネス概論、2 西洋服装史、
  3~4 服装造形/ファッションデザイン画
水:1~2 服装造形
木:1 服装造形、2 アパレル素材論、3~4 服装造形
金:1 服飾デザイン論、2~3 服装造形

※1 1コマ1.5時間。3限と4限の間に1時間の昼休みがあります。
※2 火曜日の3~4限は隔週で授業内容が変わります。
※3 水曜日は2限、金曜日は3限までで授業は終了しますが、居残って課題を進めたり、稀に特別授業が入ったりする場合があります。

週によるものの(※2)、全17コマ中11コマを占めているのが服装造形です。これは読んで字のごとく、服作りを学ぶ授業です。
今回はこの服装造形(略して服造)に焦点を当てたいと思います。

この1週間の具体的な授業内容を記すと次のようになっています。
授業内容
11:道具の説明、手縫い基礎、ミシン講習
12:タイトスカート(スカート原型)1/4作図
13:計測、手縫い基礎続き、実寸作図
14:ミシン基礎、タック
15:縫い代始末、パターンづくり

実寸作図
ミシン基礎、タック
パターン(型紙)

このように、4/11の授業開始から1週間が経とうとしている4/17現在では、スカートのパターン(型紙)づくりまで進んでいます。
来週の月曜日ではタイトスカート(スカート原型)から、他の形のスカートへの作図展開の仕方を学び、スカート原型の縫製まで進む予定のようです。

課題も週の後半になるにつれて次第に増えていきました。
〆切日と課題(服造のみ)
~15 手縫い基礎
~18 ミシン基礎、タック、縫い代始末、パターンづくり
~20 市場調査、スカートデザイン画
~25 ミシン自由図案

市場調査(お店でどのようなものが販売されているかを調査)
スカートデザイン画

授業内で終わらなかった分はもちろんのこと、授業内で説明されたことを家でやってくるというような課題に加えて、市場調査やこれから作るスカートのデザイン画などの課題も出されます。
昨日16日土曜日は、それらをこなすので1日が終わってしまいました。
とはいえ、この程度はまだまだ序の口なのでしょう。

私たちのクラスの副担任で服飾研究科出身の先生曰く、
「その日に出た課題はその日中にやらないと終わらない。先生と同じスピードでできた人が終わる。」とのこと。
確かに、その日中に終わらせないと、何が何時までに提出なのか混乱してしまいそうです。

この1週間を通して、特に大切だと感じたことが3つあります。
一つ目は、課題の把握や道具・資料整理などを含めた自己管理。
二つ目は、正確性を重視して物事を進めていくこと。
三つ目は、何らかの楽しみを見つけることや楽しむための工夫をすることです。

一つ目に関して、自己管理が出来ていないとどんどん遅れてしまいます。
やっておくべき課題が終わっていないために、次の段階に進めない。
資料や道具をなくしたり、忘れたりしたためにその日の作業が出来ない。
そのように自分自身が苦しくなってしまう上に、周りの方にご迷惑をおかけしてしまうかもしれないのです。
例えば、学校では二人で一つのミシンを使いますが、やっていなかった課題をする間、ペアの方を待たせてしまうことのないようにしなければなりません。
自分のためにも、周りの方のためにも、自己管理はとても大切です。

二つ目の、物事を進める正確性が大切な理由は、やり直しに最も時間がかかるからです。
いくら作業が早く進んだとしても、間違っていたらやり直しです。
作図の線を消したり、糸をほどいたりするのは相当な手間ですし、もし裁断までしてしまっていたら取り返しがつきません。
そうならないように、先生が作図の点検やパターンの点検などをしてくださいますが、クラスに40名ほどがいるため、提出してすぐに点検してもらえるわけではありません。
言うまでもなく、再点検となるとさらに時間がかかってしまうのです。

三つ目の、何らかの楽しみを見つけることや楽しむための工夫を自ら行うことは、特に自分のために大切なことだと感じます。
例えば、課題のなかに「ミシン自由図案」というものがありました。
単なる記号などでもよかったのですが、それではつまらないので、私は敬愛する太宰さんのお顔にしました(笑)。

ミシン自由図案

人の顔というのは面白いもので、線が少しずれると全然違う表情になってしまいます。そのため、正確性を特に意識しながら縫う必要がありました。
いくつか縫い直す箇所もありましたが、それを含めて楽しんで取り組むことが出来ました。

服づくりは地味な作業も多く、服が完成するまでは辛抱強く取り組む必要があるものですが、それでも、実寸のパターンが出来上がったり、実際に使用する布を手にしたり、段々とイメージしていたものが具現化していく過程はやはり楽しいと思えます。
この気持ちを頼りにこれからも頑張りたいと思います。

以上、今回は文化服装学院の服装造形という授業についてお話しました。
次の投稿では、他の授業の内容についてもお話できたらと思います。

ご覧頂きありがとうございました。


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