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【読書記録】2024年2月

2月は意識的に陰鬱とした小説を読んだので、かなり精神が陰鬱としていました。3月はもう少し思想系の本を読んで、精神をニュートラルに戻したいです。

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2023年4月から現在までに読んだ本のジャンル別一覧はこちら↓

小説

『死にたい夜にかぎって』爪切男

ドラマを観て面白かったので原作小説も。どんなに衝撃的でつらい出来事も「まあ、いいか」、もしくは独特の行き過ぎたポジティブシンキングで切り抜ける爪切男さんを見ていると、めちゃくちゃ元気が出る。こういう小説を教材に認識論について考える下世話な哲学対話とかやったら楽しそう。

『復活の日』小松左京

ただの風邪のような症状のウイルスによって人類が滅亡の危機に瀕するというSF。確約された暗い未来にゆっくりと進んでいく臨場感が楽しかった。1964年に書かれたというから驚きだ。モヤモヤと内省してしまうタイプの人間は結局、多かれ少なかれ惑星の危機を思考実験として体験しており、その帰結として理知的にしかあることができない。多くの人が秩序の保たれた”世界”の中で死ねる世の中の方が健全な気すらする。

『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス/小尾芙佐 訳

理性や愛情、志に裏打ちされない知性は暴力である。その暴力性は他者を、また愛情に満ちた生活を遠ざける。主人公のように急激にIQが向上することはないだろうが、突如として何かの才能が認められたり社会的な地位を得たりすると、往々にして周囲の人間の態度の変化に面食らう。良いときも悪いときも変わらずにいられる関係を大切にし続けたい。

ビジネス

『忙しすぎるリーダーの9割が知らない チームを動かすすごい仕組み』山本真司

そろそろ会社で後輩ができるし、上司の気持ちもよくわかるようになりたいし、、、ということで。表紙が金色で一見めちゃくちゃ怪しいくだらない本なんだけど、中身は割にしっかりしているのでおすすめ。

エッセイ

『パリの砂漠、東京の蜃気楼』金原ひとみ

「日本のドキュメンタリーをうっかり見ると死にたくなる」というような文章があり、良いなと思った。感情の起伏が激しい人、少なくとも感情が著しく上下する期間をとった人でないとああいう小説って書けないよね、、、。

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