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尾原和啓さん 「モチベーション革命」 価値=違い×理解

尾原和啓さん「モチベーション革命  稼ぐために働きたくない世代の解体書」

尾原さんは「ゆとり世代」「さとり世代」の若者にかつて失望していたと言う。それを救った箕輪厚介さんの「今の若者は乾けない世代」という言葉。それをキーワードにして、若者の考え方・生き方に理解の幅を広げていき、改めて若者の価値と可能性を問い直した本。

乾けない世代

今の若い人は上の世代と違い、生まれた頃から何もかも揃っていたので「何かが欲しい」と乾けない。渇望することができない。金や物、地位などがモチベーションにならない。

日々自分なりに頑張ってはいるけれど、いまいち頑張る意味が見えてこない。そんな「モチベーション迷子」になっている人が多いのではないでしょうか?

モチベーションの正体を客観的に理解することで若者に人生を迷いなく生きて欲しいというメッセージがこの本には込められている。

モチベーションになる幸せの5つの軸

心理学者マーティン・セリグマンによると人間の欲望は「達成・快楽・意味合い・良好な人間関係・没頭」の5つからなる。

団塊世代以前の人は「達成」と「快楽」を追求する人が多い世代。
一方乾けない世代は「意味合い」「良好な人間関係」を重視することが非常に多いのが特徴。

モチベーションを見失っている乾けない世代の多くは、自分の幸せが「意味合い」「没頭」なのに今の仕事の中にそれが見出せない状態なのかもしれない。

乾けない世代が持つ変化したモチベーションの正体を正しく理解し扱うことこそがこの世を動かす最大の武器

世の中を良い方向に変えていくために上の世代と乾けない世代といかにコラボレーションし、時代に合った強い組織を作っていくかが重要になっていくと尾原さんは見ている。

これからの仕事

すでに世の中には必要最低限のものは溢れている。今は「どう遊ぶか」まで提案しないといけない。
相手の潜在的な欲求を見つけ出して、体験をプロデュースしていくのがこれからの仕事。
より新しい切り口、物の見方を変えること、つまり「インサイト(新しい視点)」をすくいあげる時代になっている。

シリコンバレーでは残業ゼロ週休3日の会社も珍しくありません。
社員にしっかり休暇を取らせるという会社の目的には「休んでいる間に街でユーザーをしっかり観察してきてね」と言う意図が込められているのです。
休んでいる間にインサイトを発見してくるという仕事が課せられているということです。

インサイトが重要視される今は仕事と遊びの境目があやふやになる。

ワークの中のライフワーク(好きでたまらない生きがい)における部分をいかに広げていくかが大事になっていく。

もはや終わらない仕事に忙殺されオフィスデスクで残業していたのでは新しい価値を見出せなくなってきている。

時間をかけて課題を解決することよりも、課題自体を発見したり新しく課題を設定することに投資するべき時代なのです。

自分にしかできないことを突き詰め、楽しみをお金に変えていける乾けない世代は強い。

ただし、これは「自分の好きなことさえ磨き続ければ、どこでも生きていける」ということではない。
地味な仕事、人が嫌がる仕事をまずする。
そこから信頼を得て、自分が得意なことに専念する状況を作るスタートラインに立つことができるということは忘れてはいけない。

‥と、少し長くなってしまったので、ここで一度ストップします。
本書の引用まとめをさせていただきましたが、この本のテーマを少しでも伝えることが出来ていれば嬉しいです。

最初、「モチベーション革命」って何なんだろうと思っていたのですが、それは世代によって「モチベーション」が大きく変化したという理解に基づいて、それを正しく扱うことで、これからの世の中を変革していくという意味なのだと感じました。

価値=違い×理解

人との違いも相手や周囲に認められなければ価値を発揮しない。
きちんと理解できるようになれば途端にその違いが価値に変わってくる。

「モチベーション革命」はこの哲学に満ちています。

まだまだ語り尽くすことはできないので、続きはまた改めて‥。

お読みいただきありがとうございました。










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