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いちばんいわれたくないことば

ある日、会社の経理部から、某取引先に送った荷物の運賃料が300円上乗せになっていて、これはなんだとババ詰めされました。

二箱送ったので600円でした。

運送会社に確認すると、伝票が即配的な扱いになっていたため、300円×2箱の600円が上乗せされたとのことでした。

伝票を確認すると、確かにそれらしい箇所に丸印が打たれており、配送を担当した事務スタッフさんに確認すると、即配によって上乗せ金額が発生するとは知らなかったとのこと。

特に急ぎ配達が必要な物ではなかったので、以後注意しましょうと、スタッフさん対応を終え、経理には正直に経緯を説明しました。

そこからのババ詰めです。
「営業やったらお金の大切さわかってるやろ!」
「早く送る必要無かったのに無駄な金使って!経理としてこれはあげられん!」


うちの会社はジェネラリストをつくり上げる会社ではありません。

営業では入った人はずっと営業だし、経理では入った人はずっと経理(か、総務)畑で働きます。社内公募で仕事を変わることは出来ますが、通常の人事異動での職種変更はよっぽどの理由がない限りはありません。

メディア関係の会社なので、メインは記者やディレクターと呼ばれる人たちなのですが、先日ニュースで弊社の記者がタクシーを私的利用していたというニュースが取り上げられていました。

不祥事があり(無い時でも)、経理がピリピリしているのは分かる。経理が厳しくなるの当然だと思います。

なかでも、営業経費は数年前から特に抑制されているので、例えば会議が押して、営業先とのアポイントに遅れそうな時や、業務上必要として使った場合のタクシー代なども全て自腹を切ります。
営業部門にはタクシーを経費で払うという概念がありません。
接待費などももちろんないので、取引先との親睦会も、営業社員が負担をします。

「営業やったらお金の大切さわかってるやろ!」

そんなこと、痛いほどわかっているし、営業をやったことない人にそんなこと一番言われたくない。

「お金の大切さ」を意識してもらうため、研修として、他部署の人が数日営業を体験する時期があって、研修者にとっては数年に1度ですが営業は毎年代わる代わる他部署の人を同行して営業に行きます。

殆どの人は、こうやって集めてくれているお金で僕らも仕事ができている。

という意識、もしくは前向きな態度で研修に一生懸命取り組んでくれます。

でも、なかには、「よくこんな仕事できるね」って態度の人(そして実際にこの言葉を言ってきた人)もいます。

そして。後者の人ほど、薄っぺらい「いちばんいわれたくないことば」を突き立ててきます。

私は、能力がある人ほど、「その時」「その瞬間」に掛けることばの選択が秀逸だと思っています。

「ことば」って本当にむずかしい。

だからこそ、私は、時にはヒールになったとしても、的確な言葉をくれる人は尊敬しますし、私もそういう人になりたいと思うのです。

ムダlica

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