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モラハラ男と自己価値低め女

相変わらずモラハラな態度を取り続けるユウヤ。自己価値が低かった当時の私は、相手が上から来れば来るほど自分を下げていき、なんだか暴君と奴隷のような関係になっていきます。

他の女の影を匂わせるユウヤ
それにつっこめない私

その日、私とユウヤはまたホテルに行き、そのあと食事にでかけました。この頃になるとユウヤは頻繁に(わざと)財布を忘れるようになり、なぜか私がホテル代も食事代も支払うようになっていました。

どうして自分がこんなにも彼の下に入ってしまったのか、いまでも不思議でなりません。なぜかそういう役割分担にハマってしまったのでしょう。たぶん、私のオンナとしての自己価値が、異様に低かったからだと思います。

そして、2人で焼肉を食べていたときのこと。ユウヤは、数日前、焼肉にいったときの話を始めました。どうやら相手は女性のようです。普通に考えればここで「その人誰なの!!?」とつっこめばいい話なのですが、私にはやっぱりそれができませんでした。

肉を焼いてくれただの、カルビが好きだっただの、こちらが聞いてもいないことを、楽しそうに話しています。

私はそれを聞いているのがつらくて、しんどくて、いたたまれませんでした。そんな私を見て、彼はこんなことを言い出したのです。

「ねぇ、今俺が好きな人、誰だかわかる? 名前教えてあげようか」。

その名前が私でないことが、彼の言い方から何となくわかりました。

私はなぜこんな思いをしてまで彼と一緒にいるんだろう……。ダメだ。もう帰ろう。

私は耐えきれずに立ち上がり、無言でお店を後にしました。でも、今度はユウヤは追いかけてきません。たぶん、私がもう彼の元を去らないと確信していたのでしょう。


突然途絶えたLINE。
そこから始まった「音信不通」

こんな扱いを受けてもまだ、私の心はユウヤにくっついたまま、離れられずにいました。一緒にいてもしんどいだけなのに、剥がそうとしても剥がせないのは、本当に地獄です。

そしてある日、突然ユウヤからのLINEが途絶えました。こちらから連絡しても、既読スルー。そして、そこから一切連絡が取れなくなりました。

私はすでに絵画教室をやめていましたし、彼の住所も家も知りません。LINEや携帯がつながらなければ、一切連絡が取れない状況です(今考えればこの遠い距離感がそもそもおかしいのですが……)。

何か嫌われるようなことをしたのだろうか。
他の誰かと付き合うことになり、私は捨てられたのだろうか。

そんな考えが、とりとめなく頭をめぐります。そこからしばらくの間、自分がどう過ごしていたのか、記憶があまりありません。おそらく、死んだように、何とか生きていたのでしょう。

たまにユウヤにLINEを打ってみては、来ない返信を待つ日々。そしてしばらくすると、私は彼と連絡を取ることを諦め、ただ漫然と毎日のルーティーンをこなすようになりました。そう。私はまた、自分の心に蓋をしたのです。それが、彼がいない痛みに耐える、唯一の方法でした。

そして、ユウヤから連絡が来たのは、それから半年たった頃のことです。


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