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【旅行記】ハンガリーの世界遺産、アッグテレク鍾乳洞(10年以上前のこと)

昔のネット日記から転載シリーズ。
ハンガリーの長期一人旅をしていたある日、ユネスコ世界遺産に登録されているアッグテレク鍾乳洞を訪れた。
スロヴァキアとの国境にかけて広がる700以上もの洞窟群で、私が行ったのはその中でも代表的なバラドラ洞窟の1時間ツアーだ。
公共交通機関だとアクセスが大変だが、苦労したぶん思い入れも強くなる。
実はけっこう洞窟好きで、このとき以外に、ポーランドやスロヴェニアなどの洞窟も訪れている。(以下転載)

アッグテレク鍾乳洞への長い道のり

このところ、ハンガリーの地方の町をめぐっている。
毎日鉄道で移動。
知らない町を歩き回るのは、オリエンテーリングみたいで楽しい♪

今日は、世界遺産であるアッグテレク鍾乳洞に行ってきた。

拠点はミシュコルツという町なのだが、週末にかかっていたのでツーリストインフォメーションが閉まっていて、詳しい情報が得られなかった。
どこかで手に入れたハンガリー語のパンフレットを見ていたら、どうやら鉄道でも行けるらしい?
日本のガイドブックには、鉄道での行き方は書いてないが…。
直通バスは本数が少なくて不便そうなので、ひとまず午後イチの列車に乗ってみることにした。

列車の中では、思わず眠ってしまった…。
午前中にたくさん歩き回ってちょっと疲れていたのと、車内が暖かかったので…。
ハッと気づいて時計を見たら、到着予定時刻を3分くらい、過ぎてる!
の、の、乗り過ごしたぁ~!
どうしよう、便数少ないのに…と激しく焦っていたら、数分後に停車して、車掌さんが「アッグテレク」とわざわざ教えに来てくれる。
遅れていたのか…ほっとした。

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小さな駅に降り立った。
周囲には、平原が広がり、道路が1本走っているだけ…。
表示も、案内も、何もない。
本当にびっくりするくらい、何もない!
降りたのも私だけだった。
不安になりつつ、そこらへんにいたおじさんに「鍾乳洞はどっち?」と訊いてみたものの、おじさんは「ブス」と言って、肩をすくめるだけ。
(ブスとは、バスのことです)
バスは停まっているけど、運転手がいないし…。
途方にくれて意味もなくウロウロし、犬に吠えられ、しょうがないので駅の中に入ってみようかとドアを開けたら、小部屋に3人くらいの人がくつろいでいた。
人んちかぁ~!?
その中にさっきのおじさんもいて、ハンガリー語で何か話しかけてきて、理解できないでいると、紙に時刻を書いてくれた。
あと30分くらい待てば、バスが出るということか…。
反対側の扉からは、ちゃんと駅の待合室に入れたので、30分、ぼけーっと待つ。

運転手はきちんと時刻通りに現れ、バスは村の中を走って、鍾乳洞に連れて行ってくれた。
このときの景色が、ハンガリーの本当の田舎って感じで、なかなか良かった。
そして、その日最終の鍾乳洞ツアーに、ぎりぎり間に合った。

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鍾乳洞のツアーは、すごかったよ!
入れて良かった!!
不思議な色や形の岩が林立して、岩壁には血管のような線が走り、どこもかしこもぬめぬめしていて、なんだか大きな動物の体内に入り込んだみたいだ…。
また、かなり寒く湿っているので、地底人は大変だなと思った。
天井からはつららのような鍾乳石が無数に突き出していて、寝ているときに落ちてきて突き刺さったらどうしよう…と心配(地底人の気持ち)。
コンサートホールと名付けられた広い場所では、音楽をかけてくれて、その反響と、リズムに合わせて奇岩を照らすライトが、すごいスペクタクルだった。
年に何回か、本当のコンサートも開かれるそう。

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帰りは、同様にバスに乗って、鉄道駅へ。
ここで、また30分の待ち時間をぼけーっと過ごし、ミシュコルツの宿にたどり着いたのは夜10時頃。
遠かった…。
英語のパンフレットをもらってよく読んだところ、結果的に、私の動き方はほぼ間違っていなかったようだ。

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