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転職しまくりなわたしが唯一、8年勤めた職場と続けられた理由

2023年1月─​─。
わたしは、挙式場でトランペットを演奏する仕事を辞めました。

2014年9月から何年めかで、半年ほど休養した時期もあります。それでもおよそ8年にわたり、「結婚行進曲(メンデルスゾーン作曲)」だけを吹いてきました。

とはいえ、挙式場の音楽隊になるまで、そう簡単な道のりではなかったです……。

新聞に小さく掲載された求人広告

転職を繰り返してきたわたしが、8年も勤められた唯一の仕事。実はこの仕事を知ったきっかけは、母親が見つけた求人広告でした。

「あんた、トランペットで応募してみたら?」

母親が見つけた求人広告は、トランペット奏者のほかにフルート・オルガン奏者、聖歌を歌う音楽経験者を募集していました。

音楽大学や専門学校を卒業された方、またはそれと同等の技術のある方

たしか、このような条件が提示されていました。

わたしは高専卒業の、しがないアマチュアトランペット奏者でしたので、はじめは音楽隊の求人に興味を示しませんでした。

わたしなんか無理無理、と思っていたのです。

でも、ふと小学生のときに作成した個人新聞のことが、頭をよぎります。これは自分のニュースや夢を記事にした、オリジナルの新聞です。

わたしはその新聞にはっきりと、「大人になったら音楽を仕事にしたい」と書いていました。


──話は、挙式場の音楽隊の募集に戻ります。はじめこそ自信がなかったわたしですが、小学生のころの自分が後押ししてくれた気がしました。

結局、履歴書を準備して応募することに。しかし実技オーディションで、玉砕……。

「あまりにも緊張される方はちょっとね」

面接を兼ねたオーディションの場で、即不採用となりました。全身震えながら、涙目で演奏したのですから当然でしょう。

わたしを後押ししてくれた過去の自分に、(世の中そんなに上手くいかないみたい)と、心の中で伝えました。

音楽仲間の推薦


オーディションに落ちてから、一年半ほどたったころです。知らない電話番号から着信がありました。声の主は、挙式場でトランペット奏者として活動している方。

話を聞けば、近々トランペット奏者が二人も抜けてしまうため、新たに演奏できる人を探しているとのこと。

わたしが過去にオーディションに落ちたことを伝えましたが、電話してきた人とは別のメンバーがわたしを推薦してくれたようでした。

「あまねさんなら大丈夫ですよ!」

このひと声で、オーディションなしで採用されることに。

そうして2014年の秋から、わたしは挙式場の音楽隊になったわけです。とはいえ当時は、本当にわたしでいいのか半信半疑でした。

何度も何度も本番をこなしますが、チャペルで牧師の脇で演奏し終えると、手の震えはしばらく続きます。

口はパサパサに乾き、緊張で手が冷えていることが多かったです。それでも8年勤められたのは、誰にでもできる仕事ではないからだと自覚していたから。

しあわせな空間での仕事

わたしは音楽隊の仕事とは、間違えずに演奏することが使命だと思っていました。たしかにミスしないことも大切です。

しかしもっと大切なことは、しあわせいっぱいの新郎新婦を祝福すること!愛で溢れた空間でトランペットを演奏できるなんて、自分はどれだけ貴重な体験をしているのだろうと思いました。

音楽で祝福の場を盛り上げる、音楽隊は大事な役割を務めます。そのやりがいを感じながら精一杯、わたしは音でお祝いすることができました。

音楽仲間にも支えられっぱなしでしたし、祝福ムードでいっぱいのはなやかな職場はそうありません。今年1月の最後の演奏も、楽しくやり遂げられました!

8年も続けられたのは同僚の存在、そして挙式場という特別な場所で働けたからです。挙式場でトランペットを演奏する仕事は、わたしにとって自慢の職歴になりました。

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