Night Walker(短歌8首)

「かばん2018年12月号」に掲載の8首を転載する(もともとそれまでに発表した歌の中から抜粋して再校正したものになる)。

Night Walker あまね そう

自らの体の形を感じおりぬるき豪雨に打たれ続けて
   ※体=たい

生ぬるき夜の湿り気 信号は音も立てずに青へと変わる

街灯の多き街なり我の影幾重に伸びて雨に濡れおり

県道の警官模型の黒目から飛び出すカール・オルフの音符

川沿いのマンション群はひっそりと縦を揃えて光を放つ

浄化するための暗闇 冷蔵庫のボトルウォーター取り出して飲む

音もなく光もなくて感覚は僕を感じるためだけに 息

(ありがとう)僕に道を譲ったため追突されたプリウスの人

【出典】
・「かばん2018年12月号」にて、それまでの作品から抜粋して掲載

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