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『本好きの下剋上33巻』完結巻 ネタバレ感想2

(トップ画像は雑ですが自作です;)
『本好きの下剋上33巻』完結巻発行
下記、ネタバレ感想 追記になります。
(ふぁんぶっく8,完結巻、ドラマCD10、特典SSすべて含みます)
未読の方は読まないようにお気をつけください。

推測していた部分との答え合わせ続きです。

■ローゼマインの魔力感知発現の謎■

ジェルヴァージオがメスティオノーラの書を(欠損ありながらも)得て戻ってきた際に、ローゼマインが魔力を感知してざわざわしました。
魔力感知の発現だなと思いました。でも魔力量的にはジェルヴァージオがフェルディナンドもローゼマインも感知しているので、この3人はお互いに感知内のハズ。なのにジェルヴァージオで感知してそれまで近くにいるフェルディナンドを感知しないのはなぜ?
これはメスティオノーラの魔力にローゼマインが染められた後に、虹色レッサー君(巨大)の中でフェルディナンドの魔力を感知しているので、二人の魔力が近すぎて感知していなかったということではないか?と推測しておりました。
親子は魔力の色が似ているというのがあるので、近親相姦避け的に魔力の色が似ていると感知しないのでは?とこれもまたよくやりとりするM様とやりとりして頷き合っていました。(現世でも特に思春期の娘が父親を臭いと感じるようになるのも近親相姦避けと言われています。)
近親相姦避け的というのは明言はされていませんが、魔力の色が同質すぎると感知しないというのは正解だったようです。

さらにふぁんぶっく8で出てきたのが、「身食いは他の魔力に染まりやすい」ということの大きな意味について。
現世で貴族や王族といったところが血縁が近いところで婚姻を繰り返すことで遺伝子異常を起こすように、ユルゲンでもどうしても血縁に近い結婚を繰り返してきたため、魔力が硬直化し属性を得にくくなっているなどの現象があるとのこと。
(身食いはそれを緩和できる存在なのではないか。薄い全属性)
身食いは平民だけでなく貴族にもあり、ただ、貴族の家で生まれると下働きなどに落とされるためその存在が知られにくいらしい。
ローゼマインは身食いであるだけでなく、繰り返し死にかけた為魔力の塊があり(エーヴィリーベの印の子)、その為フェルディナンドの魔力に魔力器官から染められていたが為にエアヴェルミーンには同一人物とさえ認識されるほど色が近かったのです。
ただ、ツェントレースの前にメスティオノーラの魔力に染められたことを感じたフェルディナンドが「慕わしかった魔力が女神に染められていて忌々しい」というモノローグがあったので、(あれ?フェルディナンドはその前にロゼマの魔力を感知してたの?魔力感知というのは相見互いのハズなのに?)と混乱していたのですが、これについては魔力を流そうとして弾かれた為だったことが今回の加筆で分かりました。
なかなかややこしいw
枯渇させて染め変えたけども、器官については女神の魔力を超えることがない為一部染めきれてない為、二人は前のようにまったく同質になるということがなくなり、魔力感知内にあるとなりました。
魔力感知=子が成せる、ということらしいので良かったです。元に戻ったらここはどうなるんだろう?とも思っていたのですっきりです。

■フェルディナンドは先代エーレンアウブの実子である■

アダルジーザの離宮というのは、王族が秘密裏に運営するランツェナーヴェに王や魔石を送るための高級娼館です。
そこで生まれ、魔石にされる運命から逃れたフェルディナンド。出自からいくと父親は不特定のイメージがありました。
イメージがあるだけで実際の父親は一人です。魔力の属性のバランスをよくするようにされていたといったイメージの誘導もありましたが、一方で「メダル登録で亡き母親とのつながりが分かる」(フィリーネの洗礼式についてのふぁんぶQA)や、
「アダ離宮の子供はランツェナーヴェに送る時の管理のためにツェントが魔力のつながりを確認してメダルを登録し管理している」(ふぁんぶQA)
「時の女神のお導きといった言葉だけで子供が引き取られることはない」(はみでたQA)
「先代ツェントはエーレンにフェルディナンドの引き取りを命じた」(ドラマCDアフレコレポ)
などのヒントをつなぎ合わせて考えた時に、メダル登録というのはDNA鑑定並で魔力の登録から親子鑑定が出来ていたのではないか、エーレンアウブは実子であるという確認をされた上で引き取られているのではないか?という推測をTwitterで垂れ流していました。
私が拘っていたのは、情が深いジルヴェスターに似ている先代が実子と分かっているのに「時の女神のお導き」と言ってることについての謎でした。
確かに王の命令だかなんらかの褒賞だかで離宮で花を抱いたとして、お前の子だから引き取れも命令だったとして、そんなに情がないはずがない。
でもよく考えたら、ヴェローニカは第二夫人も許さず、他の領地以上に引き取りには騒ぐでしょう。
離宮のことは夫人には知られてないなんて表面的なことで、不義の証である子供の引き取り。
他の貴族はどこか後ろ盾の弱い貴族女性の子をアウブが引き取ったなど考えたかもだけども。
他の領地でも引き取ると問題にしかならないので離宮の実が引き取られたのは後にも先にもフェルディナンドのみ。
ヴェローニカの憎しみはすべてフェルディナンドに向かいました。
でもアウブにしてみれば、異母妹を第二夫人にして母親にしようとしたら恐らくは謀殺されたと分かり、自分が庇うほどにさらに危険が増すとすれば、領地の為だとユルゲンの為だと言うしかなかった。そんな中でも領地対抗戦の年に一度の親子の触れ合いでは「お前は私の誇りだ」と抱き寄せ、ヴェローニカへの名捧げを阻み、臨終前には石を返し、ジルヴェスターを支えてやってくれとフェルディナンドに生きるための支えの言葉を渡しました。今回の完結巻では、アウブもフェルディナンドに居場所を与えるために考えていたのだろうという記載もありました。
実子としての情は彼なりにあったと思うことにしました。ただ、それはフェルディナンドの渇望に届くことはないものだったけども。

私がもしや実子だとはっきりしているのでは?と思うに至ったのは、実母の記載がアダ離宮の話が出るまで読者に対してイメージの誘導があったからです。カルステッド視点で「実母に庇われることがない」という表現(嘘ではないけど、この表現だとなんとなくどこかに生きているイメージ)だったのにいきなり離宮とか出てきて亡くなってる!?と分かった時に(あれれ?なんでどこかに生きてるって思ってたんだっけ?)
と振り返って読んで、(うわーイメージ誘導されてる!)と気づいたので。
それからはちょっと注意深く読んだのでした。
メダル登録はDNA鑑定並、アウブの実子説を垂れ流していたので、両方がはっきりした時は本当にほっとしましたw

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