拝啓
　日ごと夜ごとに春めいてまいりまして、花の蕾が見るたびに膨らんでゆくのが楽しみな今日このごろです。
　貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

　さて昨日ですが、貴社の店舗のうちのひとつに伺う機会がございまして、話題の期間限定デザート「メリンガータ」をついにいただくことができました。
　私はそもそも甘党ではありませんので、普段こういったお菓子とは無縁の、どちらかというとお酒と仲良しの嗜好の方でして、このお菓子もイタリアの伝統菓子とのことですがまったく初めて目と口にいたしました。

　これが驚きのうまさでして！　感動のあまり、こうして一筆したためておるのであります。
　メリンガータの名前から推察される通りメレンゲがテーマの白くてかわいらしいルックスに潔い砂糖の甘さ、それよりは淡いミルクのアイスクリーム、中にほろほろと崩れゆくカルメの食感が楽しく、アクセントに入ってくるチョコチップの固さが全体をぎゅっと引き締めます。

　この小さなケーキの中になんと精密に計算されたことか！　あるいはひょっとして、これは天使に集めてもらったミルキィウェイの霜柱なのでは？
　とてもとても、人間の仕事とは思えないひんやりとろける奇跡です！

　これを温かいカプチーノと一緒にいただくこの幸せよ。
　人間の幸福というものは、こういったところにあるのでしょうね。

　そしてなによりも……この価格設定には驚きました。商品開発の方はどれほど工夫をなされたでしょうか。お値段以上どころの騒ぎではありません！
　これだけのよく出来たお菓子をこの価格で出されたら、ケーキ屋どころかほとんどのコンビニも泣くことしかできないでしょう。

　開発の皆様は常日ごろ、お菓子に対してまた様々の食品に関してそうとうのこだわりを持ってお勉強をなさっているのだろうと感じました。
　お陰様でまたひとつ、私は新しいお菓子の存在を知ることができました。ほんとうにありがとうございます。

　このメリンガータが冬の季語として認知されるまで、私は毎年でもこれをいただきたいと思います。そしてまた、新しい味のお菓子との出会いも楽しみにしております。

　末筆ながら、貴社とその関連事業のさらなる発展とご隆昌を心よりお祈り申し上げます。

　敬具　あまおう　まあお

追伸。これをご覧になった皆々様。もしまだお召し上がりでなければ、至急この期間限定お菓子をお試しになることをおすすめいたします！
　サイゼのメリンガータですよ！　名前だけでも、覚えてね。
　いやほんと、マジでうめえから！　私、嘘つかないから！！　もうすぐ販売終了らしいよ、急げ～> <