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「私にはなにもない、空っぽだ」

私の大切な友達がそう言った。
私からすれば、彼女は私に出来ないことをたくさんやり遂げている。
かつて私もそういう思考に陥ったことがある。
私が挫けた看護師になる同級生たち。
次々に出産していく友人達。
仕事をバリバリする友人達。
私は、卑屈になり、引きこもり、寝たきり。
専業主婦なのに家事もできない。
自分の存在意味は?
誰が必要としてくれていても、私自身が私の存在を許せなかった。

精神科に入院して知った「スモールステップ」という言葉。
低いハードルから徐々に目標に向かっていくこと。
昔の私は理想が高い故に、今の自分に出来ないのだと嘆き、少しでも出来るような努力をすることを拒んでしまっていた。
目標までの道のりが長いと、なんだかんだ言い訳をして叶わない夢として夢を捨てた。
それで何か良かったことはあったか?

外出や電車に乗れなくなった私がよく目にした治療法が
「まずは玄関にいくこと」
「その次に靴を履いてみること」
「少し外を歩く」
「駅まで行ってみる」
「ホームまで行く」
「一駅乗ってみる」
…そんなじれったいことやりたくない。
そもそも、外に出ようと思えば出られるし。
そう思っていた。

私は自動車免許を持っているが、運転すると緊張でお腹を壊していた。
弟が我が家の庭を駐車場として使っている。
弟は軽自動車で我が家に来て、趣味の車に乗って出かける。軽自動車のほうを私が駐車するのをを手伝っていたら、いつの間にかよく知った道なら一人で運転できるようになっていた。
夫が助手席に乗っていても緊張でとても運転できる状態じゃなかったのに、だ。
車のあまり通らない安全な道で、苦手な駐車を繰り返す事で、運転に対してのハードルがグッと下がった。

ダイエットも一日の運動量をかなり少ないものから始めたら、二ヶ月ほど毎
日欠かさず運動するようになった。私のダイエット記録のノートと自己管理の仕方を栄養士さんが「すごい」と言ってくれた。
ただ、自分の好きな事をしているだけなのに。

家事も最初はやるだけで体力尽きて、寝込んでしまったのに、今では毎日掃除機、洗濯をしている。
他の家事を足しても倒れこむことはなくなった。

私が言いたいのは、何か継続したい場合は
・期限を決める
・スモールステップ(徐々にできることを増やす)
・その日の体調や気分を見て続けたいことを調整する
・同じ運動や掃除でも自分の好き嫌いがあるから、色々試してみる
・目標を達成するために必要な経費は惜しまない(効率とモチベーションをあげる為)

五年間寝たきりうつ病だった私ですが、うつを完治させることを目標にしてません。
どうしたらうまく付き合えるか。
他の人がどうやって自分と向き合っているか。
死にたい、消えたい、と思いながらも私は生きる事を諦めませんでした。
自傷して、首を絞めそうになったり、遺書を書いてしまったり。
失敗を極度に恐れてきましたが、失敗しないと、学べないことがあることを学びました。
心が死と隣合わせで生きてきた私は、私にしか感じられない感性を磨いてきたと思っております。
同じ境遇の人を見ると、つらい気持ちを分かってあげられる。
それだけでも、私の闘病は無駄ではなかったと思えます。
そして、これからも戦っていきます。
同志の皆さん、頑張りすぎず、頑張りましょう。

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